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「ここはどこだ?」
「何が起こったの?」
おそらく、クラスの全員が動揺しているだろう。
当たり前だ。何が起きたのか、全くわからないのだ。
学校の教室からいきなり、知らない部屋に移ったのだ。この部屋の感じは少なくとも、日本ではないのはわかる。
なんか、いろいろ、キラキラしているのだ。絵や絨毯、シャンデリアなど他にもたくさんあるが…
「皆さん、落ち着いて下さい!!!」
落ち着いて下さい、と言っていて1番落ち着いていないこの人はクラスの担任の小花 風子だ。
とにかく、小さい。まだ、制服を着れば中学生でいける感じだ。実際に居酒屋で酒を飲んでいたら、通報されたらしい。俺が見ても通報するだろう。
「風ちゃん、落ち着いて〜」
「風ちゃん、足震えてるよ〜」
みんな、先生のことは風ちゃんと呼んでいる。
確かに先生の覇気がまるで感じられない。
しょうがないだろう。俺は評価を落とされると困るので先生と呼んでいるが…
「こんな時に風ちゃんはやめてください!!!」
まるで怒っている感じがしない。
なんか、犬が吠えてるのより、怖くない。
「そうですよね。私なんか、先生として頼りになんかならないですよね。背は小さいし… なんかすみません…」
先生がブツブツ言っている。
「先生、こういう時こそしっかりしないといけないんじゃないんですか?頑張って下さい。」
さすが委員長、頼りになり過ぎ。先生を復活させようとしている。
まあ、黒木の言う通り、ここはしっかりしないといけないところだ。
「そうですよね!!!先生、頑張ります。」
「それより、クラスで欠員とかはいないの?」
結局、黒木が仕切り始めた。
後ろで先生が泣いてるぞ。まあ、その方が早く進みそうだから良いが…
「今、確認したが多分、全員来てるぜ。」
流石は瞬、女子のためなら最優先でやる。女子が困ったら火の中にも飛び込むと言っていた。
その調子で俺のことも助けて欲しい。
「これはどういうことなのかしら?いきなり、こんなことってあり得るの?」
「普通はあり得ないだろう。俺たちの知らない力が働いたとしか、思えない。」
流石は神崎。学年3位は伊達じゃない。ハーレム要員が怯えてそれをしっかり、慰めているのはいい。
しかし、その状態では両手に花だ。説得力がまるでない。ついでに緊張感も…
「あの〜少しいいかな。」
クラスではオタクで結構みんなから避けられている如月 雅哉だ。かっこいい名前なのにあまり容姿はよくない。
「あんたは黙っていなさい!」
堂本がキレた。
せっかく、勇気を振り絞って話しかけたのに完全に意気消沈している。
だが、普段は何も話さないのに発言をしたということは何か知っているのかもしれない。
「ちょっと待て 堂本 なんか如月が知っているなら聞くべきだ。」
「なんでよ‼︎こいつの話なんか聞いても何も変わらないわよ!!!」
「しかし、現状、何も打てる手がない。なら情報は大事だ。」
「うっ…」
「そうよね。無坂君の言う通りね。如月君何か知ってるなら教えてくれない?」
ナイス黒木
頼りになるぜ。それに黒木に頼まれたらほとんどの男は断らないだろう。
「う、うん ラノベではこういう展開がよく、あるんだ。突然、何処かに召還されて何かを倒せとか、国を救って下さいとか…」
「そんなことあるわけないじゃん。」
堂本が呆れながら言った。
「そういう場合はこの状況から脱出するにはどうしたらいいか、わかるか?」
「うん、多分、召還した本人や誰かがくるはず…」
「なら、今の現状は待機しかないしわね。この部屋には扉はあるけど、どんなに頑張っても開きそうにないものね…」
もう既に男が5人がかりで押したがビクともしなかった。
「なら体力を使わないようじっとしてるしかないな。」
そしたら、男が5人がかりで開かなかった扉が開いた。
1人の女の子と後ろにかなり大柄な騎士が10人ほど立っていた。
「ようこそ、グロリアへ 勇者様とその同胞の皆さん、歓迎いたします。私は第二王女セレスティナ・グロリアです。よろしくお願いします。」
部屋に全員入って来て、また扉がしまった。(自動で)不思議だ。
みんな、王女様の後ろに控えている騎士にビビって固まってる。
「なんで俺たちはこのグロリアという国に呼ばれたんだ?」
俺が質問を普通にしたことにみんなかなりびっくりしていた。王女様も同じだったらしい。
「は、はい。今から説明させて頂きます。まず、この世界オルフェウスでは魔王による大侵攻が始まりました。初めの内は各国、対抗ができていましたが徐々に押され始めました。そして、先日、この国で最も強い騎士が相手側の将軍に敗れました。それにより、この国には魔将に対抗する術がなくなりました。よって、異世界から召還をするしかありませんでした。」
「何がよってだ!!!」
「私たちを元の国に返して!!!」
みんながセレスティナに向かって罵倒をする。
「貴様ら、王女様に向かって無礼な!!!」
騎士達が剣を抜こうとする。
「やめなさい!!!」
セレスティナが騎士達を一喝した。流石は王女様だな。
「お前ら、少し静かにしてろ。まだ話は終わってない。全てが話が終わってから最後に質問すればいいだろ?」
みんな、静かに座った。
「あなた達も剣を引きなさい。」
騎士達はみんな王女様の後ろに戻って行った。
「話の続きをしようぜ。」
「はい。なぜ、異世界から召還しようとしたかというと異世界から召還された者は神からの祝福をもらえます。スキルというものですね。努力をされるとこちら側にいる者よりはるかに強くなれます。その力でどうか、この世界を救って欲しいのです。」
まさか如月のが当たっているとは…
「どうすれば救えるのでしょうか?」
始まった。鈍感男がフラグを立てようとしている。ハーレム要員が凄い睨んでるよ…
「最終的には魔王を倒して頂きたいです。」
なんと王女様は素面で返した。フラグ製造機もまだまだだな。
「俺たちは帰ることは可能なのか?」
「はい、可能ですがいますぐには無理です。魔王を倒したことで莫大な魔力を手に入れることができます。それで魔法陣を発動できます。倒さない場合は百年ほど、かかります。」
「俺たちは百年かかる魔法陣で召還されたのなら魔王の侵攻が始まってからじゃ遅くないか?」
「先先代王がもしかしたら、必要になる可能性があるかもしれないから約百年ほど前から備えてありました。」
なるほど、その王は賢王だったな。
「なら、戦う奴は戦うしかないな。」
「先生は許しませんよ!!!」
「先生、ここから先は個人の意見を尊重するべきです。ここで何もしなくても、年を取って死ぬだけです。ならまず、この世界で生きていく術を学ぶべきです。少なくとも数年はここにいるわけですから…
それに俺は魔王を倒すのに賛成です。そうしないとかなりの数の人が死にます。セレスティナの言う通りならそれだけの力があるということです。なら戦うべきです。」
流石は主人公体質。かなり簡単に言ってくれる。
それにさりげなく王女様のこと、呼び捨てで呼んでいる。
「ううう〜」
先生が何も言えなくなった。まあ、今回は神崎の言うとおりだしな。
「私は勇ちゃんが戦うなら戦うよ!」
「私も負ける気がいないもんね!」
「私は勇さんについて行きます。」
ハーレム要員が賛成した。まあ、そうなると思ったよ…
この4人がやる気を見せたことによりクラスのみんなもやる気になっている。
「練、お前はどうするんだ?」
わざわざ、瞬が隣に来て話しかけて来た。
「俺は一旦、保留だな。」
「なんでだ?」
「もし、俺らが魔王を倒したら素直に返してくれるのかがわからない。それにまだ、王の方にも会って無いしな。だから今は様子を見ることにする。お前はどうする?」
「なら俺も保留だな。」
「なんでだ?」
「こういう時のお前の感は当たる。それになんか嫌な予感がする。確かめる術は無いけどな。」
「そうか…」
「なんか、あったらちゃんと話せよ!親友」
「ああ、わかった」
こいつはなんだかんだで俺を信用している。俺もだがな…
「それよりどうやったら、そのスキルというのはわかるんだ?」
そんなことを話している間にあっちでは勝手に話が進んでいた。
「はい。ステータスオープンと言えばおそらく、見れると思います。他人には見えないので大丈夫です。他人に見せたい場合はそう思えば、他人も見ることは可能です。過去の勇者を見る限りスキルの数は五つが最大でこちらの世界のステータスの平均は約50くらいで勇者のステータスの平均は100くらいだったと思います。」
(過去にも勇者がいたんだな)
「レベルが上がれば、ステータスは上がります。しかし、スキルはどんなにレベルを上げても増えません。たまに特殊な条件で増えることがありますがほとんどあり得ません。」
(なるほど、ステータスは努力、スキルは潜在能力が関係するんだな)
周りのみんなはどんどんステータスを開けているらしい。何も無い空間を一生懸命見ている。
「ステータスオープン」
無坂 練 16歳 男
レベル1
体力:100
魔力:100
筋力:400
敏捷:400
耐性:150
運:50
スキル
《心の声》《スキル無効》《統率者》《気配察知》
・・・・・・・・・・・・・・・・
いろいろ気になることが起きた。
まず、ステータスが平均200って高くないだろうか…
スキルが四つあることはありがたい。
俺って運がなかったんだな…
スキルの能力によってはかなり強くなれると思うんだがどうなんだろうか…
よくわからん。まず、《統率者》ってなんだ?
後の三つはなんとなく想像ができる。
そんなことを考えていたら後ろから瞬が話しかけて来た。
「練、どうだった?」
「まあまあだな」
「見せてくれよ」
「イヤだ。」
「なんでだよ!?」
「相手に手を見せたらどこから漏れるか、わからんだろ。」
「なるほど、対策を取られたら終わりだからな。じゃあ、あそこにいる連中はバカばっかりだな。」
「本当ね。」
コソコソ話していたら、さらに後ろから黒木が話しかけて来た。
「黒木はどんな感じだった。」
「まあまあかなぁ〜
戦闘では今一つな感じになるかも…ただ、後方では活躍できるわね。無坂君はどうだったの?」
「俺は黒木の逆だな。特に一対一ならおそらくほとんどの奴に負けないな。鍛えればの話だが…」
「俺も練と同じ感じだな。ただ、他の奴が周りにいたら迷惑をかけそうだな」
「スキルの数では強さは決まりはしないけど、多い方が得よね。いくつだった?」
「みんなで揃えて言うか?」
「あんまり周りには聞かれたくないよな。特に、あの騎士達には…」
「そうね」
「じゃあ、手に書くか。」
「それが一番いいかもね」
言い出しっぺの俺が瞬と黒木に書いた。
「それよりいくつ低いか多いかを言えばみんな、わかるよな?」
「そうね、私は同じだわ。」
「俺もだ。」
「なんだ。みんなで仲良く一緒か、まあそれが一番いいけどな。」
「けど、早川君が同じなのは意外だったわ。」
「ひどくないか、それ⁉︎」
「俺も意外だったぞ、けど、黒木はなんで俺と一緒だと思ったんだ?」
「だって、テストでは負けてたけど、あまり差はなかったはずよ」
「なるほどな。だがこいつはやればできるのにやらない奴だからな。俺が一週間、教えて10番くらいに入るのは凄いけどな。」
「あなた、一週間しか勉強してないの⁉︎」
「当たり前じゃん!あんなの一週間しか頑張れないだろ」
「異様に怒りが湧いて来るんだけど…」
「その気持ちはよくわかる…後で誰もいない所だったらステータス全部見せてもいいけどな。」
「えっ 私いいの⁉︎ 早川君はわかるけど…」
「俺は結構黒木のこと信用してるんだぜ。」
「あ、ありがとう。」
顔は赤くしながら俯きながら言った。
「あちゃー、委員長が落ちたかもな」
「早川君、あなたは余計なことを言い過ぎよ!!!」
「ゴメンゴメン」
そんな風に話をしていたら騎士が一人、入ってきた。そしてセレスティナに話しかけた。
「お父様の用意が整ったので王の間まで移動してください。」
やっとこの部屋から出られる。
外は全部が白い廊下が続いていた。この城はどれだけ大きいのか、外から見てみたい。廊下を歩いていると
「無坂、ステータスはどうだった?」
顔を見てるだけでよほど、自信があることがわかる。
「まあまあだな」
「そうか、これを見ろよ!」
神崎勇 16歳 男
レベル1
体力:100
魔力:150
筋力:100
敏捷:100
耐性:100
運:100
スキル
《聖属性》《剣術》《身体能力強化》《気配察知》《魔力強化》
だった。
ステータスは俺の方が上だな。だがこいつには《聖属性》があるからこいつが勇者だろうな。めんどくさい役を押し付けられてよかった。
こいつはやはりバカだったな。こっちはかなり勇者のステータスが気になっていたからな。そう思うと俺のステータスは結構、ぶっ飛んでるんだな…
そういえば、スキルで《心の声》があったな。ちょっと発動してみるか。
「過去に来た勇者よりステータスが高いな。《聖属性》があるからきっとお前が勇者だな。」
「当たり前だ。俺が負けるわけがない。お前のステータスを見せろよ。」
「イヤだよ。俺は他人に対策とかを取られたくないんだよ!」
「ステータスを見られたくらいで対策が取られるとかまだまだだな。」
(こいつ、もしかして自分のステータスがしょぼいから見せたくないのか?)
(こいつ勝手に決めつけてる。ていうか本当に本心がわかるのな…これなら王様の本心がわかるな。だが、これからこいつまだ絡んでくるぞ。どうするか…)
「お前も気を付けた方がいいぞ。」
「俺はその程度では負けないから大丈夫だ。」
(こいつ何様だ。俺よりステータス、低いくせに…)
(人の忠告聞いてないし…まあ死ななければ、大丈夫か。)
「で早くステータスを見せろよ!」
「だから「みなさん、王の間に着きました。」
(ナイスタイミングだぜ。王女様。俺の運もそんなに悪くないじゃねぇか)
「また、後でな。」
「チッ」
今のは《心の声》が聞こえなかったから本心ということか…
さてこの国の王様はどんなのか、見に行くか。
目の前にある大きな扉がゴゴゴと音を立てて開いていく。
「ようこそ、グロリア王国へ。そなた達を歓迎する。」
(こんなガキどもで大丈夫なのか?)
ん?
随分口が悪いぞ。
「ステータスやスキルについての説明はセレスに受けたな?《聖属性》を持っているのは誰だ?」
「はい、私です。」
「ならば、そなたが今代の勇者だな。おい、あれを持ってこい。」
近くにいた騎士に命令をし、一本の剣を持って来させた。
「それを抜けるか?」
神崎は軽く、その剣を抜いた。その時に王の間がどよめいた。
「その剣は勇者の素質を持つものにしか、抜けないようになっている。だからその剣はおぬしが持っておれ」
「わかりました。」
あいつでも流石に緊張したっぽいな。
(これで魔王を倒してくれれば、この国はさらに力をつけることができる。魔王がいなくなったら、勇者達を使って他国を攻めればさらに大きくなる。決して元の国になど返さぬぞ。そのためにどれだけの犠牲を払ったか…まあ、こんなに多く召還できると思わなかったが思わぬ誤算だった。)
やはりこのクソ狸は俺達を返す気は無いらしい。見た目からしてこんなに太った奴のために戦いたく無いな。
「では、一旦全員、二人部屋に移動してくれ。部屋割りはそっちに任せる。以後の予定はまた報告する。以上だ。」
一旦、解散になった。後で瞬と話さないとな。
案の定、俺は瞬と同じ部屋になった。
「とりあえず、この部屋を調べるか。」
「なんか、盗聴とかされたらイヤだからな。」
そして隅々まで探したが何もなかった。
「結局、何もなかったな。」
「瞬、一旦俺達だけでステータス確認しないか?」
「なんか、あったのか?」
「まあ、あったと言えばあった。ただこの後、話をするのに俺のステータスを知っておいた方が話しやすいんだよ。」
「わかった。一緒に見せよう。」
早川 瞬 16歳 男
レベル1
体力:100
魔力:80
筋力:150
敏捷:120
耐性:100
運:50
スキル
《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》
無坂 練 16歳 男
レベル1
体力:100
魔力:100
筋力:400
敏捷:400
耐性:150
運:50
スキル
《心の声》《スキル無効》《統率者》《気配察知》
「お前のステータス、狂ってるんじゃねえの?」
「俺も見たとき、意味がわからなかった。けど瞬のステータス、神崎のとあまり変わらないな。」
「マジで?」
「あいつは俺に見せて来たからな。努力次第で余裕だろ。後一つやってみたいことがあるんだが、いいか?」
「なんだ?得なことか?」
「俺にもお前にも得な話だ。」
「何をするつもりだ?」
「俺のスキルで《統率者》ってあっただろ。このスキルの効果が
《統率者》
これは相手が自分のことを信頼している状態で契約をすると相手はステータスと経験値が1.5倍になり、自分は相手が経験値を獲得する度にその半分の経験値を得る。信頼がなくなると自然消滅する。
これなんだ。意味がわかるか?」
「つまり、単純に1.5倍くらい強くなり、お前は早く成長するということか。」
「そうだ。で、どうする?」
「なんも迷うことはないじゃん。とっととやろうぜ!」
「やり方が今一つわからないんだが、とりあえずやってみるか。『契約』」
その瞬間、瞬の腕に契約の印が光った。
「契約ができたということは信頼関係はバッチリだったということだな。」
「そうだな…服で隠せば全然目立たないな。ステータス確認しようぜ」
早川 瞬 16歳 男
レベル1
体力:150
魔力:120
筋力:225
敏捷:180
耐性:150
運:50
スキル
《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》
「本当に増えてる。運は変わらないんだな。これは委員長にはやらないのか?」
「やるつもりだが、その前にお前と話しておきたいことがあったんだ。実は俺に《心の声》があっただろ?それで王様の心の声を聞いていたんだが…………ということだ。」
さっきの王様が言ったことを言ってやった。
「どうする?」
「俺は練について行くよ。練が決めたことに従う。」
こいつは相手に責任を押し付けるような言い方をするが、それで失敗しても、そいつの責任にしない所がこいつのいい所だ。
「一旦、ここに残って力をつける。そしてこの世界のことを学んだら旅に出よう…その後は自分達が目で見たもの信じて判断していこうと思うんだがどうだ?」
「それでいいんじゃない?とりあえず、委員長の所に行って話して来ない?多分、お前に委員長ついて来るぜ?」
ニヤニヤしながら言ってきた。とりあえずムカついたので一発、蹴っておいた。
「痛っ
お前、ステータス凄いんだから手加減しろ!」
これからは力加減をしないといけないな。
コンコン
扉を叩く音がした。
「無坂君、早川君、ちょっといいかしら?」
「委員長どうした?」
「先生が大きな部屋を借りたからそこでみんな、集まって話をするから来てって…」
「わかった。今行く。」
「よし、行くか。」