部活の先輩
今日もあっという間に授業が終わった。授業中に二つ隣の席の雪さんのことを見つめていたら何度か目があったがすぐに目を逸らされてしまった。そんなことをいつものように拓人に昼食中に相談していた。そんな事がありながら授業は何とか乗り切り今日も部活かと少し憂鬱になっていた。
「武尊、部活行こうぜ」
拓人が僕を部活に誘ってくれた。拓人も部活の疲れもあるはずなのに憂鬱にならないのか気になり聞いてみる事にした。
「拓人は厳しいバスケ部に行くの憂鬱になったりしないの? 僕はついて行けるのか不安になって部活に行くのがちょっと憂鬱になっちゃう」
拓人は少し考えてから答えた。
「俺も部活について行くので精一杯だよ。でも先輩たちが厳しいわけでもないし人には恵まれてるならその部活やめて楽な部活に行くのって自分のためになるのかなって思う」
拓人は普段おちゃらけてるがそれでも考え方は僕よりもずっと大人な考え方をしてる事にビックリしたが確かに先輩達が厳しいというより部活のメニューが厳しいだけで先輩達は僕たちのことをいつも気にしてくれて励ましてくれる。確かにそんな良い部活を辞めてまで他の楽な部活に入っても逃げてるだけだもんなと思い部活に行く事にした。
「じゃあ部活行こうか。もう少ししたら大会もあるみたいだし自分たちが入ってから初めての大会だから応援頑張りたいよね」
「そうだね。俺とお前のどっちかが大会メンバーに選ばれたりしてな」
そんな話をしながら僕たちは体育館に向かった。
そして今日も相変わらずのキツイメニューだったがなんとか一日やり終えた。その後、拓人と話していた大会のメンバーが監督から発表があった。
僕と拓人は応援頑張ろうって思っていたら二、三年の先輩がレギュラーでベンチの発表の時に僕と拓人の名前があった。
「やったー。拓人と一緒にベンチ入ったね」
僕たちが喜んでいたが一年は僕と拓人だけが選ばれて二年の先輩で二人がベンチにも入れなかった先輩がいた。めちゃくちゃ嬉しい気持ちがあったがその二人の先輩がいつも頑張ってるのは知っていたから申し訳ない気持ちでいっぱいだった。部活が終わりみんなが帰り支度してる時に僕は監督の元へ言った。
「監督、僕よりも先輩の方が上手いですし僕を抜いて先輩をベンチに入れていただけませんか?」
僕が監督にそう言うと監督は「それは出来ない。今後のためにもお前と拓人には経験を積んでもらわないといけない」と監督はすでに先を見ているようだった。
「お前が気にする事ないぞ。俺たちの分も大会で経験積まないとな。頑張ってる成果が認められてる証だ。それに俺たちも今度こそメンバーに選ばれるように今後努力するだけだ。だからお前がそんな事気にするな」
二年の先輩は笑いながら僕を励まし背中をポンと叩いた。自分たちが一番悔しいはずなのにそんな素振りを見せずに後輩を思える。そんな先輩に僕もなりたいと拓人と一緒に誓った。




