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【ALICE】─全てが経験値で賄われる世界に落ちた世界。  作者: 御伽ノRe:アル


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ALICE.63─朝霧翔平【ピースメーカー】

「…凄かったよな」


まぁ、内容が濃いだけに色々とツッコみ所もあったが─それでも、今までのボス戦の内容はどれもこれも凄かったと俺は思えていた。


…未だに、目を閉じて思い出そうとしたら─Amber、聖女の道標、渡会護、公安局、ホワイトと言った…今までのボス討伐戦の記憶が浮かんでくる。


その中でも、俺の凄いと思った部分は─彼ら、彼女らの芯の強さに関してだった。


─いや、単純な戦闘面でも凄いのは確かだったのだが…やはり、着目点は信念の部分だろう。


信念の部分に関しては、ホワイトと公安局に関しては何とも分からない部分がある状況だとしても─他の討伐した者については、そこに明確な信念を俺は感じていた。


─刑事部捜査一課、聖女の道標、Amber。


彼らはその胸に、心に─確かな信念を抱いては、それらを燃やし尽くして戦い抜いていたように思える。




そして、この流れだと─次の番は俺だろう。


まぁ、そもそもが…俺達ピースメーカーはボスの攻略を目的に上野公園のALICEの穴へと潜っている。


そろそろ、お鉢がこちらに回ってくるのも自然な事だろう。


だけれども、俺は未だにボスへと挑む覚悟に踏み切れないでいた。


明確な何かが、俺には足りないと感じていたからだ。


そして、俺の判断は大勢の命の責任も伴う。




─きっと足りないのは、俺に足りないのは覚悟…いや、信念なのだろう。




ここで重要となるのはきっと─俺達、ピースメーカーがどんな信念を貫き通すのか…その一点に尽きるだろうと俺は予感していた。


いや、ピースメーカーというよりは─俺の信念が何を貫き通すのかだろう。


きっと、この先のボスとの邂逅では─その信念を求められては、問われる予感が俺にはしてならなかった。







「─翔平さん? どうしんスか?」


「…ああ。少しだけ、考え事をしていた」


「…ボス戦の事ッスか?」


「確かに、それもあるとは言えるが…」


「…それは、私達にも話しづらい事ですか?」


「─陽太」


「…大丈夫ですよ? 私達は何でも聞きますよ」


「…いや、信念について考えていたんだ。刑事部捜査一課の件から、皆…ボスへと挑む者達は何かしらの信念を燃やし、死力を尽くして戦っていたから。果たして、俺にはどんな信念がちゃんと貫けるのか─それを、考えてしまっていたんだ。─俺の信じたる信念とは何かを、今も…俺は模索してしまっている」


「…うーん、俺には難しいッスね。でも、翔平さんは俺達のために戦ってくれてるッス。それだけは確かッスよね?」


「翔平さんはどうしようも無い状態の私達を、ここまで導いては─一緒に連れて来てくれました。翔平さんの信念は、そこにあるのだと私は思いますよ。救う気持ちこそが、貴方の信念の根幹だと私は思っています」


「…ありがとう。もう少し、考えてみるよ。きっと、ボスへと立ち向かう時には─それが大切な気がするんだ。何者よりも強い自分の意志が、その信念が─その時には、必要だと思えるから」


「翔平さんの信念。─俺、見つかるまで待ってるッスよ」


「そうだね。それまでは、私達がギルドを支えてみせましょう」


「…すまない」


「お互い様ですよ」


「そっスよ! お互い様っス!」


そう言って、陽太と哲男は去って言った。







今現在の俺達の居る場所は、上野公園のALICEの穴の四層だ。


いつボスへと続く大扉へと入ろうかと二の足を踏んでいたら、多分─俺が一番最後の侵入者になりそうだと悟っていた所だった。


─強さ、強さか。


それは経験値なのか? ランクの事? もしくは、スキル? いや、既に…そこら辺は俺や、俺達は押さえている。




渡会護の記憶や感情には、大変驚かされた。


ALICEに関しても、俺は当初から常に疑問を抱いていた。


同じ適性のはずなのに、明確にある上下関係。


─そして、貧乏くじと言う名の牢獄。


「…あ、そっか。─理不尽だ。理不尽からの脱却こそが─」


ちゃんと、今…明確に俺の胸へと答えが落ちた気がした。




─決して、優しさとかではない。


いや、付加価値としては含まれるかも知れない。


でも、根本的な俺の信念とは…理不尽への抵抗だ。


─俺自身だって自由を目指して、飛び出したのが始まりだったはずだ。


なら今は、飛び出しては─その自由へ向けて、大きく羽ばたける為の翼を得ようと…更に、足掻いているだけだ。




─そうだ。


何で、こんなに回りくどい考え方を俺はしていたのだろうか?


─俺には、相談出来る仲間が居る。


一緒に向き合っては悩みを分かち合える仲間が居る。


─俺には、共に戦える仲間が居る。


共に理不尽へと立ち向かい戦ってくれる仲間が居る。


そして、その仲間を守る為にも俺は戦っているんだ。


─理不尽への抵抗、自由への切望、仲間との絆。


そうだ、今の俺を形作る信念と言えよう。







「…見えて来たぞ。俺の信念─」


重い腰は、気付けば自然と上がっていた。


一度、立ち上がってしまえば─その腰は、もう既に重たくも何とも無かった。


決意を新たに、俺がセーフゾーンの小屋から表に出たのならば─皆が、俺を見て来ていた。


「─皆、待たせて悪かった。…決めたよ。皆、一緒に俺と共に戦ってくれないか? 俺はずっと、先程まで考えては─悩んでいたんだ。俺の信念が無ければ、それが明確じゃ無ければ─ボスとの戦いには敗れてしまうだろうと。だからこそ、俺はずっと…自身の信念とは何かを、改めて考えていたんだ。そして、それを今…俺の信念がハッキリとしたよ。─それは、理不尽への抵抗、自由への切望、そして─仲間との絆だ。俺達は理不尽からの抵抗の果てに、自由を望んでは今─この場に集っている。そして、俺達は仲間となって─今はお互いの絆を大事にしている。俺は、いつかは自由の翼を得ては─皆で、その自由の空を天高く飛べることを、願っている。俺は、信念として…その3本柱を心に深く刻み込んでいる。─皆、俺と一緒に理不尽へと抗いに来てくれないか? 一緒に自由を望んでは足掻いてみないか?」


「…俺は、翔平さんに付いて行くッスよ!」


「─翔平さん、腹は決まったようだね? 行こう、私も一緒に行くよ」


「─俺達も行きます!」


「─私達も行かせて下さい!」


皆が、そう言って─俺の話に賛同しては、立ち上がっていく。




─そして、俺達は各々…ボス戦へと向けて準備を始めていった。




そうして、準備を終えた俺達は─英気を一日使って回復させては、上野公園のALICEの穴…そのボスへと続く大扉へ、向かって行くのだった。

御一読頂き、誠に有難う御座います。

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