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【ALICE】─全てが経験値で賄われる世界に落ちた世界。  作者: 御伽ノRe:アル


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6/26

ALICE.6─倒す。倒す。倒す。

「─ッ!」


剣に、槍に、ハンマーに近接武器のオンパレードだ。


けれども、ランクアップというのは確かにオススメの解決法の1つなのだろう。


そこは確かに、非現実的な光景が、俺の前には繰り広げられていた。




「そこ─ッ!」


イノリは華麗に捌いては、拳手でも十分に渡り合っていた。


…問題は俺だ。


剣で斬り裂かれたと思ったら、刃が俺の身体を通さないで切り傷で済んだのだ。


「身体能力の向上って、こういう事かよッ!」


「そっ。…そういう事ッ!」


最後にトランプ兵をイノリが倒して、トランプ兵のラッシュは終わった。


最初の2体と相対し戦っていたら、戦っている最中の音に誘われたのか、どんどんとトランプ兵が現れた時は、流石の俺も肝が冷えた。


「勘弁してくれっ─て」


「でも、経験値は得られた。そうでしょ?」 


「確かに、そうだが。…俺は腑に落ちないぞ」


「それはそれ、これはこれ」


「はぁ…」ッと、溜め息を吐いては周囲を警戒するが、これ以上はトランプ兵が来る事は無さそうだった。


とりあえず、ランクアップだ。


俺とイノリはランクアップ作業を済ませては、経験値ショップから食べ物と寝泊まりに必要な道具を買い揃え、ALICEの穴にて1泊を過ごした。




「それで、これは…どこまで続いていくんだ?」


「それは、分からない」


「だよな。ずっと、穴の中だから、時間感覚が狂いそうだが、ALICEのお陰で時間だけは…分かるが」


電子情報では時間と各種ステータスや経験値ショップは使えるみたいだ。


連絡手段は制限されているのか、外との連絡が途絶されてる感じだ。




「きっと、そこら辺も…いつかは配慮されるはず」


「配慮? また、それは希望的観測な事で。流石にご都合主義も良いとこだぞ?」


「そんな事は無い。きっと、最下層へ到達するのを望んでるはずだから」


「…で、最下層には何があるんだ?」


「…私からは、何も言えない」


本当に…話す気は無いそうだ。


ポケットをまさぐると、手に馴染む感触が、そこにはあった。


「はぁ~」と、火を点けては吐き出す煙は良い形をしている。


…多分、幸先は良いのだろう。


…配慮、ね。


確かに、煙草や酒も経験値ショップには追加されていた。


これは、望んだからアップデートされたと言う事なのだろうか?


要らぬ配慮とは言わないが、何とも言えない気持ちになりながらも、今はこの煙草の美味しさを、深く味わう事にする─。


ガシャ、ガシャ─。


「カズキ、来てる」


「ったく、人が気持ちよく吸ってる所だってのに…」


そして、角から現れたトランプ兵を目に捉えては、俺とイノリは動き出して─戦いに興じるのであった。

御一読頂き、誠に有難う御座います。

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