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【ALICE】─全てが経験値で賄われる世界に落ちた世界。  作者: 御伽ノRe:アル


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44/73

ALICE.44─皇居外苑。

「とりあえず、目立たず行こうな?」


「配慮されるはず…」


「…配慮、ねぇ。まぁ、疑いはしないが─念には念を入れてだな」


「それはそれで、大事」


「─だろ?」


─人が寝静まり、行動時間も著しく低下すると思われる深夜帯。


ギルド管理庁への人混みも同じく、ある程度途絶えるこの時間帯に、俺達はギルド管理庁を出る。


そして、真っ直ぐに皇居外苑のALICEの穴を目指しては辿り着き次第─ALICEの穴へと潜っていく。


「─待たせたか?」


「大丈夫です。少し前に私達も来たところでしたので」


「そうか? なら、良かった」


そこで、俺達は紗奈さん達と無事に合流を果たすのだった。







「さて、攻略と行きたいところだが─」


「色々と、確認しながらが良いと思う」


「─だな。それに紗奈さん達のランクとスキルの方もある程度、育てていきたいところだしな」


「…すみません。色々と面倒を掛けてしまって」


「いや、お互い様だ。面倒なんて、そんな事ないさ。それに、あったとしても最初だけだ。もし、このまま─共にボスに挑むと言うのなら、俺達は背中を預け合う仲になるんだ。このくらい、お安い御用さ」


「ありがとう、カズキさん。改めて、宜しくお願いします」


「ああ。こちらこそ─」


握手は程々にして─俺達は洞窟の奥へと視線を動かしていく、そこにはガチャガチャと音を段々と響かせては、トランプ兵達がそれぞれ武器を携えて出て来ていた。


「とりあえずは、私含めて─紗奈さんやお互いの強さを確認した方が良いでしょうか?」


「─同意」


「イノリの方はイノリの方で、馬が合いそうな事だな」


誠一郎さんと、イノリの方でも何かお互いに感じるものがあったのか?


意思疎通の方が思いの外、スムーズにいっているようだった。


─まぁ、今はそんな事は些事だな。


俺は軽く肩を回して、余計な力を抜いてはラキアの双剣を取り出していく。


とりあえずは、一層目は軽く肩慣らし程度で俺達はトランプ兵達を倒しつつ─そのまま、二層に降りてはセーフゾーンを迅速に確保するのだった。




「人が…多い?」


「確かに、結構な頻度で他の探索者と鉢合わせしてる気がするな。普通はこんなに遭遇する可能性はあるのか?」


「無い─とは、言い難いのが私達の今のところの見解です」


そう言って、腕を組んでは難しそうな顔で紗奈さんは言ってくる。


─ま、確かに考えてみれば、その通りだろう。


このセーフゾーンに来るまでにも、何度か他の探索者と俺達はすれ違っていた。


まぁ、ただすれ違ったりするのならば良いが─遭遇した探索者達は揃いも揃って、二度見ならぬ─三度見までされたが、俺達は振り返る事はせずに、ただ自然な動きで、彼らの横を通り過ぎては真っ直ぐ進み、このセーフゾーンまで来れていた。




「セーフゾーンの場所が被ったりするのは、考えて見なくてもトラブルの元だろ? 無用な争いは俺はゴメンだからな。…三層はどうなんだ? やはり、それなりに人が居るのか?」


「…少し待っていて貰えたら助かります。今、公安局に問い合わせてみます。─ん、叶ちゃんから、メッセージが来ました。そうですね…一層二層の探索者数が今現在も増えているみたいで、攻略してるシェア層も厚いみたいですね。三層に関しては少ないと見て大丈夫そうだと叶ちゃんからもコメントが来てますね。セーフゾーンに関しては…数が増えてるのか、余り─他の探索者達と鉢合わせる機会は三層からは、また少なくなりそうですね」


「…叶さんって、例の情報担当の人か。目を覚ましたんだな」


「はい。今朝方、目を覚ましました。今は体調の方も完全に回復して貰いたいので、休むように言ったのですが、本人は少しでも貢献したいようで…サポートと言う形で、今回は参加する形になります。改めて、宜しくお願いします。…ただ、残念な事に─やはり例の件は忘れているようです。本人は睡眠不足で倒れたと、記憶がまるで刷り込まれてるようでした」


「…そう」


「紗奈さんと、私も気をつけないとですね。イノリさん、まずは─対処法はランク上げとスキル上げですかね?」


「うん。それが一番─最善なはず」


「なら、誠一郎くん! 一緒に三層で頑張るわよ」


「ええ。お供致しますよ、紗奈さん」


「イノリ、俺達も程々にやろう」


「─うん。ただ、ちゃんと経験値は貯めて備えた方がいいと思う。後は、出来るだけギルドランクを上げて─特典を得るべき」


「ああ…寄付して、あれか─ギルド特典だな。★4まで現状は上げれるんだよな?」


「ギルド特典の件は私達も伝え聞いています。確かにこちらで掴んでいる情報でも★4までと伺っています。なら、誠一郎くん。私達も並行して、それを目指しまょう」


「ええ。分かりました、紗奈さん」


「さて、そろそろ行こうか? 人かトランプ兵かどっちか─いや、危険察知を感じるからトランプ兵だな? 向こうから、来るな。…迎え討つか」


俺達が話してる間に、どこからかトランプ兵達が湧いて来ていたのか─俺の察知に引っ掛かった。


まぁ、2層のトランプ兵も俺達の相手には力不足というやつだ。


俺達を見付けて、一気にトランプ兵達は襲い掛かって来たが、丁寧に処理をして─改めて、俺達は話し合う。


そして、とりあえずの方針をお互いに大まかに決めては、俺達は三層へと降りて行くのだった。




三層は確かに探索者が目に見えて少なくなっており、暫く歩いているが、他の探索者とのすれ違いも極めて少なくなっていると言えた。


そして、先程とは打って変わってセーフゾーンの発見が増えている状況から、セーフゾーンが多くなったのかとも疑ってしまう。


それが原因で、もしかしたら他の探索者と出会う機会は少なくなったのではと考察もしてしまうが─。


「いや…セーフゾーンが増えたんじゃなくて、穴全体が拡がっているのか?」


途中で見付けたセーフゾーンで俺達は各々休息を挟む事に決めては、俺はおもむろに煙草を取り出して火を点けては、煙を吹かしつつ─考察を展開していた。


「そうなのですか? 私達は三層の広さが正確には分かっていないので、何とも言えないのですが」


「ああ。いや、体感だが─俺とイノリの時だけの。最初に潜っていた頃は、もう少し穴の範囲がコンパクトな印象だった気がする。もしかしたら、ALICEの穴に入って来ている探索者の数に応じて、穴の範囲が拡がってるのかも知れないな」


「…それはあるかも」


「なるほど。─確かにそうじゃないと、思い出してみると、紗奈さんと最初の頃の一層と二層に潜った時に感じたALICEの穴の広さのイメージと、今現在の入って来ている探索者の数の収容出来ているキャパシティが釣り合わない気がしますね」


誠一郎さんが頷いては、早速俺達の会話をレポートとして、まとめているようだ。


「カズキさん、イノリさん。この情報は公安局に報告しても良いでしょうか?」


「ああ、俺は構わない。イノリは─大丈夫そうだな」


「うん」


これは答えられる範囲だったらしい。


確かに肯定として頷いていた。




「確かにALICEの穴の中に入っている探索者の数で広さが決まってくるとなると、一層、二層に関しては探索者の数が一番探索してる層が厚いから、他の探索者に遭遇する機会が多かったのは納得だな。逆に三層からは探索してる層が薄くなるんだよな? 確かに現状も中々すれ違っていないし、他の探索者に遭遇する確率は減りそうだな。まぁ、そういう風に─配慮されてるならな?」


「配慮、ですか…。その配慮というのも気になりますが、ここで私達はランク30と、それに伴うスキルと身体の調整を仕上げていくというイメージで大丈夫でしょうか?」


「ああ。紗奈さん、それで良い。その後は四層で出来る限り、経験値を最大限取得したと踏ん切りがついたら、その時がボスに挑むべきタイミングだな」


「─半分が死なないと開かない出口でしたか」


「誠一郎くん。それは最悪の場合よ」


「分かっています。ですが、そうならないように念入りに準備をしましょう」


「ええ、分かっているわ。カズキさん、イノリさん。宜しくお願いします」


「ああ、俺もなるべく。鍛え上げられるように動く」


「─大丈夫。ちゃんと準備をすれば乗り越えられるはず」


「…それは配慮されてるから、か?」


「ううん。私達自身が可能性を押し広げて、運命に抗う事で得られる結果だから。ただ、それだけのこと」


「なるほどな。そういう考えは好ましいな。なら、より一層気を引き締めて─頑張るか」


「私達も負けてられないわね。誠一郎くん、行くわよ」


「ええ、どこまでもお供しますよ─紗奈さん」


そして、ここから─俺達の地獄の追い込み期間が始まるのだった。

御一読頂き、誠に有難う御座います。

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