ALICE.42─重盛未来【ALICE教】⇔朝霧翔平【ピースメーカー】
「私達は東京都庁のALICEの穴を攻略致します─!」
「「─はい! 聖女様! ─神の思し召しのままに!!」」
私の声に信徒達は声を、一様に揃え合わせ返してくる。
─ああ、きっと。
ALICE様の素晴らしさを世に知らしめる為には、東京都庁は一番良い場所でしょう。
誰の目にも映るし、誰の目にも止まる。
─ああ、きっと。
幾つもあるALICEの穴の中で何処よりも、ALICE様の素晴らしさを知らしめる事が、一番出来る場所でしょう。
それこそ、私達─ALICE教が攻略する場所に相応しい所になるでしょう。
「─では、皆さん! 祈りを捧げる時間は、これで終わりです! これからは、準備の時です! さぁ、聖戦の始まりです!!」
「─ああ、聖女様。本日も…美しい」
「─信弥? メンバーの調整と準備の方はどうなっていますか?」
「─ああ、聖女様。メンバーの調整の方は既に終えております。併せて準備の方も一切合切、滞りなく済んでおります」
「…ありがとう。信弥─貴方にはいつも助けられているわ。それと同じく…気苦労を掛けてるわね」
「そんな! 私には、勿体ないお言葉─!」
「これからも頼りにしているわ」
「─ハハッ!」
─五体投地と言えば良いのでしょうか。
信弥が私に対して、深々と礼を取るのを見ては─私は厳かに歩き出す。
─まだ、色々と私は考えないといけない。
既に、有象無象のギルドが今現在も蠢いては活動している。
そして、その中でも幾つかのギルドは既に、ALICE様から─その崇高な栄誉を直接見出されては下賜されている現状があった。
─私のALICE教も、その内の1つと言えた。
でも、それは所詮─砂浜の中で幾つか選ばれた砂の中での一粒にしか過ぎないと言う事。
─要は、私の理想とする特別とは程遠い場所に─私というALICE教の存在が在るという、認め難い確かな実情がそこにはあると言う事だった。
それが私には大変不愉快で、大変信じ難いもので、大変許し難い事だった。
「─そうよ。見出されていいのは…私のギルドだけよ。本当に、本当の意味で、ALICE様を崇拝しているのは─私だけなのだから」
─そうだ。
そうなのだ、もっと…、もっと…、私達は信仰をしないといけないのだ。
─捧げられるものは、全てでも、捧げるべきだ。
「ああ─。待っていてください、ALICE様! 私は覚悟も、捧げられるモノもまだ、全然足りませんでした! もっと、もっと…私は全てを捧げましょう! そして─今、今、今こそ! この私、未来が! ALICE様の御威光をより一層、この世界に余すことなく導き照らして見せましょう!!」
私の傍には─ALICE様が居らっしゃる。
いつでも私を─ALICE様は見守っていて下さる。
そして、私達の─私の試みは見事に成功し、一切合切の衆目を集めては─東京都庁のALICEの穴へと私達は進んで行くのだった。
「─翔平さん、決めましたか?」
「…ああ、決めたよ。上野公園にしよう」
「上野公園ッスか?」
「─ああ。俺達の始まりの穴だからね。やっぱり…そこを攻めたい」
「いいッスね! なんか─いいッスね! 俺達の始まりの場所!」
「翔平さんっぽくて、私も異論は無いよ」
哲男と陽太は頷いては、俺の決断に賛同してくれた。
─ギルドルームに居るメンバーも皆同様だった。
もう既に、様々なギルドが立ち上がっては動いている中で、俺達ピースメーカーの動きは明らかに出遅れていた。
いや、今回の探索するALICEの穴の選定や、決断にも確かに時間は掛かってしまっていたが、主な原因は一つだろう。
その主な原因とは─新たなメンバーの選定に、俺は少しばかり時間を掛けてしまっていた事だった。
だが、それでも─俺は新たなメンバーの選定に関しての熱量というべきか、妥協は出来なかったし、誰かにその役目を譲る事も出来なかった。
─自由を奪われては、雁字搦めの環境で、動きたくても動けない、助けて貰いたくても叫べない、どうすれば良いのか、限界までに陥っている境遇の人を助けたいというのは、俺自身の譲れない信条で有り、何よりも俺という存在のアイデンティティだったからだ。
1人1人、俺はそんな彼ら、彼女らを取り零さないと心に決めては─細心の注意を払って面接をしていき、メンバーを何とか決める事が出来ていた。
だからこそ、今居るメンバー達の結束感はより一層厚さが増し─更に俺の中でも彼ら、彼女らの存在はより大切な物になっていた。
それはきっと、ここに居る全員が皆同様に思っているだろう。
俺はそれを強く確信していた。
確かに俺達は周りからは出遅れてる様に見られているかも知れないが、俺達は以前の俺達とは違い、俺達の間を繋ぐ絆は更に強固で強靭になっていた。
「─上野公園に行くッスよ!」
「私達の準備は出来ているよ、翔平さん」
「皆、ありがとう。─行こう! 俺達、ピースメーカーは上野公園を攻略する!!」
「「「─はい!!」」」
─仲間達の声を聞きつつ、俺は歩き始める。
目的の場所までは、途中まで駅を利用し─そこからは徒歩だ。
─有名になってしまった影響だろうか?
行く先々で、俺は握手を求められる機会が多々あり、それらになるべく応えつつも─俺達はやっと目的地に辿り着いては、上野公園のALICEの穴へと、仲間達と共に俺は入って行くのだった。
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