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【ALICE】─全てが経験値で賄われる世界に落ちた世界。  作者: 御伽ノRe:アル


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ALICE.40─折崎京也【Amber】

「な!? 移動されたってぇのかよ─チッ」


先に偵察─って、訳では無ぇが地図上での新宿御苑の穴の位置が、俺の入った時の場所とは違い─不思議に思って観に来て見たら、俺が入っては出てきたはずのALICEの穴がすっかり無くなっていやがった。


「…どういう了見だぁ?」


確かに、この下水路は古くは新宿御苑へと通じてたはず?


…だとするとだ。


─わざわざ、俺の為にあの時は開いたって事かぁ?


「─何故だぁ?」


理由は分からねぇ。


けれども、なんだか─おちょくられた気分にもなって、腹の居所が悪くなって来やがる。


「…気に食わねぇな」


「─京也さん! 探したっすよ!」


「なんだぁ? ─肇か? 俺は付いてくるなって言っただろ?」


「いやいや、無理ですって! 皆、ボスのこと待ってるんスよ? ─って、顔怖いッスよ! …どうしたんスか?」


「─チッ、何でもねぇ。…分かった、行くぞ」


「へい!」


「─ったく、お前も調子がいい奴だなぁ」


「それが長所なもんで」


「ああ、構わねぇよ。嫌じゃねぇからなぁ? さぁ、とりあえず合流したら、行くぞ。俺達の新たな島になる場所によぉ!」


「了解です、ボス! ─皆、待ってやすぜ」


「─おう」


コイツは─肇は人を乗せるのが、本当に上手い。


─ま、悪い気はしねぇ。


俺はそのままメンバーと合流しては、新宿御苑のALICEの穴へとリベンジを果たす為にも、再び進入するのだった。







「─おい! そこはもっと、こう…身体を捌くんだ、よッ!」


「スゲェ…」


「黙ってみてねぇで、手を動かせぇ! 常に頭は思考をし続けろ! 死ぬぞ! ここは既に狩り場なんだぞ! おらぁ! テメェは邪魔しねぇで、寝てろッ! トランプ野郎ッ─!」


適宜、適当に捌いては仲間へとトランプ兵をけしかけていく─所詮はレベリングだ。


俺自身も久し振りに潜った為、ALICEの穴の環境下での身体の動かし方を一手一手、丁寧に確認していっては身体に馴染ませていく。


そして─改めて、身体に動きを覚え落とし込んでいく作業の楽しさも相まって、俺はどんどんと仲間達のレベリングに没頭していくのだった。




─頭でっかちはイケねぇな。


そんな当たり前の事は、俺自身も経験から、良く知っていた事だった。


だが改めて、地上に出られた事で冷静になった事から─気付けた事が多かったのは事実であり、その事実が俺を更に高めていく要因にもなっていた。


俺は順次、新たに余裕が生まれたらスキルを学び取り─より一層、丁寧に身体へと動きを落とし込んでいった。


そんな中で俺は、仲間への対応さえも手を抜く事はせず─同等の熱量を持って、並行しては仲間への指導とレベリングを行っていくのだった。




指導は良いもんだ。


─お互いの欠点が良くも悪くも、とても良く見える。


そして、それらを言語化することで、俺自身も更に理解と、その真髄とも言える根っこの部分をより深く知る事が出来る。


レベリングも良いもんだ。


一人で俺はあの時戦っていた経験があるからこそ、今現在に至っては仲間を観察する目がより一層養えていると言えた。


ああ…、無駄なんて一切無いのだ。


─ああ! そうだ。


そうやって、どうしょうもない掃き溜めから─俺は一つ一つ馬鹿丁寧に積み上げては、ここまで成り上がって来たんだ。


そして、仲間になった─こいつらはバカでどうしようも無ぇ奴らだが、俺のかけがえのないファミリーだ。


─そして、俺はそんなファミリーのボスだ。


ああ…、弱気になっちゃいけねぇよなぁ?


俺は常に勝ち続けて、その結果─ここに居るのだ。




「アイツは今─何をしてんだろうなぁ?」


そうだ、同じ闇に生きてても、闇にさえ嫌われたあの男だ。


─ラキアと壮絶な戦闘をしたアイツだ。


アイツは今思うと、嫌いだと思ってたが─違ぇな。


アイツの真っ直ぐな、クソ真面目な曲がらねぇ根性は思いの外、好きだったんだ。


クソ真面目で、バカ野郎だからこそ、俺は気に食わなかっただけだ。


だが、アイツの事は心の底では認めていた。


そして、どこか同族嫌悪地味た何かを感じていたんだろうなぁ。


─アイツは本当に今、どこに居やがるんだぁ?


裏の連中でさえも未だに見付けたという連絡がねぇ。


ま、死ぬ事は無ぇだろう。


アイツはそう簡単にくたばるような玉じゃねぇのは、俺が一番良く知っている。




「─京也さん? どうかしたッスか?」


「…なんでもねぇ。おい、集中しろ! 素振りでもしてぇのかぁ?」


「…いやいや! 勘弁してくださいよお!」


「なら、もっと集中して周りを見て戦うんだな」


「─へい!」


─ッたく、悪くねぇなぁ。


本当に悪くねぇ。


─リベンジ? いや、違うな。


これは俺という、自身への見直しだ。


─ったく、俺も一端になっては1人で歩けると思ってたが、1人だと浮足立ってはフラついてただけだったって落ちか?


…そんなんじゃ、情けねぇよなぁ?


だがまぁ、人は支えて出来ているって、字の成り立ちの説明で聞いた事もあったが、核心を捉えてるのかも知れねぇな。




「はっ! らしくねぇなぁ。─だが、それだったら、それを認めねぇ─ダセェ俺はもっと、らしくねぇよなぁ!!」


─気張るか!


ああ…、気張り時だなぁ!


俺の、この腑抜け切って腐った心に喝を入れ直して、もっと─より丁寧にスキルと向上された基礎体力とを混ぜ合わせていく。


─俺だけの、俺が守りてぇもんを守れるように。


俺はそんな先の自身の未来を見据えて、ただ─今は身体中を巡る、この熱い衝動に従っては身体を前へ、前へと動かしていくのだった。

御一読頂き、誠に有難う御座います。

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