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【ALICE】─全てが経験値で賄われる世界に落ちた世界。  作者: 御伽ノRe:アル


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ALICE.38─邂逅⇔協力。

「─カズキ様、イノリ様、失礼致します。先程、アポイントが有りました」


「─アポイント…アポ」


「…な、なんだって?」


まだ午前も早い時間帯にギルドルームにわざわざギルド管理庁の職員が訪れては、俺達にそう告げて来た。


アポイントなんか、聞き慣れない言葉で一瞬、俺は言葉に窮してしまっていた。


「誰かが、俺達に面会したいと言うことか?」


「─そ、そうです」


「…どこの誰だ?」


「公安局刑事課一係の紗奈様と誠一郎様です」


─ん? と、俺も不思議に思っては、表情に困惑を浮かべてしまったのかも知れないが、ピクッ─と、隣に座っていたイノリも同様に反応をしていた。


「…会っても、良いと思う。ううん、きっと─最善」


「最善、ね。分かった、会おう。どこに行けばいい?」


「いえ、カズキ様の許可を頂けましたら、私達職員がこちらのギルドルームまで案内致しますので、このままお待ち頂けましたら、大丈夫で御座います」


「分かった。なら、お願いする」


「─ありがとう御座います。少々お持ち下さいませ。直ぐに、案内して参ります」


礼をして、職員は早々に退室して行ってはエレベーターで降りていく。


きっと、今すぐにでも公安局の者達を呼びに行ったのだろう。


「…どう見る?」


「─分からない。情報が無いのが原因」


「確かに。出たとこ勝負か」


「腕の見せ所」


「…それは自信が無いな」


「─頑張って」


「いや、サポート頼むぞ?」


「うん」


「さて、鬼が出るか蛇が出るか…どっちだろうな?」


そんな心構えで俺は公安局刑事課一係を待つことになったのだった。




「お会いしてくれて、ありがとう御座います」


「─私からも、感謝を述べさせて頂きます」


「いや、俺こそ─俺達こそ、どうも。えっと、適当にお掛け下さい」


「ありがとう」


「…いや、上手く話せないな。育ちが悪くて申し訳ない。自由な感じで話しても大丈夫か?」


「…ええ、こちらから押し掛けて会っている手前、構わないです。それに、誠一郎くんも気にしない、でしょう?」


「─はい、その方が楽でいいですね。私も気を張らずに済みます。紗奈さんもその方が、心持ち楽なはずなので、助かります」


「…誠一郎くん、それは言わないで頂戴。私にも公安局刑事課一係の統括としての面子というものがあるのだから」


「─仲が良いんですね?」


「え? ええ、まぁ…その、小さい頃から─古くからの付き合いなんです」


「紗奈さんとは、同じ場所で稽古を嗜んだ仲なんですよ。まぁ、もっぱら─私は紗奈さんに勝てた試しが無いんですけどね」


「誠一郎くん、そんな事は…」


「─ははは。すみません、こちらの話ばかりで…」


「─い、いえ。それで何の用で、俺達に会いに?」


「─そ、そうね。用よね…用向き。えっと、それを改めて、こうやって私達が押し掛けてるのに、そんな手前で聞かれると困っちゃうのはおかしい事なんでしょうけれど…誠一郎くん、ここには監視の目はあると思う?」


「見当たらないですが、ALICEの目はどこにでも有るでしょう。─今更ですね」


「…えっと、どうか笑わないで、聞いて貰えるでしょうか? 随分と荒唐無稽な話をこれから、私は─私達はカズキさん達に話しますが、どうか聞いて欲しいです。お願い出来ますか?」


「─え、ええ。まぁ、構いませんが…」


「─その上で、今後の私達との付き合い方を考えて貰いたいです。どうか、お願い致します」


「ん? 何を言って…」


「─カズキ、それで良いと思う。…きっと、それが最善」


「…最善か。分かった、とりあえず─話を聞こう」


「…助かります。そして、心より、ありがとう御座います。…とりあえず、どこから話すべきでしょうか? カズキさん達がギルド管理庁に突然現れたのを契機に、公安局刑事課一係の補佐でもある、メンバーの叶ちゃんが気付きました。そこから、何故急に現れる事が出来たのかが叶ちゃんの中で疑問が湧いたみたいです。そして、カズキさん達を調べる過程で【エラー】という言葉に辿り着く事が出来ました。その時、叶ちゃんは少し、その…錯乱? したみたいに混乱してしまって、私が改めて【エラー】に関して、疑問を呈したら、その…無理を通して調べてくれて─その後は倒れてしまいました。今現在もベットに横になっている状態で─あ、命に別条は無いみたいなので、安心して大丈夫です。ただ、その…脳への負担がオーバーフローしたみたいで、その結果、昏睡状態に陥ってる状況になっています。それで、これが─その時の言葉のメモ用紙になります」


そして、渡されたメモ用紙へと視線を落としては、内容を俺とイノリは読んでいく。







「─紗奈さん。この内容は他には、誰が?」


「えっと…イノリさん? 一応、私と誠一郎くんだけに留めています。…叶ちゃんに関しては、目が覚めた時に果たして覚えているのか予測がつかないから…確証は無いので、分かりません。…ごめんなさい」


「うん、分かった。─なら、その情報は記憶に留めて、このメモ用紙は早く破棄するべき。…情報は時には刃物になり得るから」


「…分かりました。─破棄します。私も誠一郎くんもどうするか悩んでいたんです」


そして、紗奈さんはイノリの言葉を受けて─目の前でライターを持って来ていたのか、おもむろに取り出してはメモ用紙を焼いて消滅させる。


「それが賢明な判断。…多分、抗えているのはランクアップをして、基礎体力の向上をしているのが1つ。加えて、スキルを覚える過程で、脳の使用率が増えた事を契機に、マイクロチップからの影響を最小限に留めて、その影響を跳ね除けられてるからだと思う」


「─ちょっと、いいか? いや、話の腰を折ってすまない。なぁ、イノリ? 脳のオーバーフローで思ったんだが、そのまま無理をしていたら叶さんという人は…」


「─パーン! でした」


「やっぱりか…」


俺が真っ青で項垂れた様子に疑問を抱いた2人が、俺にイノリから聞いた、基礎体力向上とそれに関連する脳の可能性の拡大の話を詳しく聞かれては、改めて俺は知っている範囲で、どれだけ危ない橋を叶さんが渡ったのかを教えて─俺と同じく、二人の顔も青褪めていったのだった。




「それで、その…エラーって、言うのは何なのでしょうか? 後はALICEって、言うのも何なのですか? 改めて、考えると疑問が沢山浮かんで来ては、言いようの知れない気持ち悪さを感じています。それにホワイトって、何─?」


「…秘密です」


「そこをどうにか、私達に─教えて貰えないだろうか?」


誠一郎さんが、紗奈さんに続いて、イノリに頼み込む。


─まぁ、俺も気になっていないと言えば嘘になる。


「聞いたら、脳がパーン! って、なっても良いんですか?」


「「…」」


あっ、これは駄目なやつだ。


─これは聞けないやつだ。


紗奈さんと、誠一郎さんは即座に白旗を揚げてるのを俺は幻視出来た。




「─なぁ、なら影響を受けない俺は? 話せないのか?」


「…無理にでも、聞く?」


「…いや、何でもない。それなら、イノリの信頼を俺は取るよ」


「うん。それでこそ、カズキ」


「そんな褒められ方はされたくないな」


とりあえず、照れた訳じゃないが、心持ちがむず痒くなった俺は─何とか誤魔化したくもなり、俺は2人に断って、煙草に火を点ける。


…ああ、落ち着く。


「それで、どうしたいんだ?」


「…え?」


「いや、確か─紗奈さん達の話を聞いて、俺達が紗奈さん達との付き合いを考える手前で話が始まったはずだよな? 正直、俺は今でも何にも思い浮かんで来ていないんだ。その…すまないな」


「─えっと。では、そうなると…」


「─私から話を聞きたい?」


「え?」


「…聞きたい?」


「─は、はい」


「なら、ランクとスキルをもっと─増やすべき。脳が最大限に拡張されたら、阻害もある程度─抵抗出来るはず。そして、同じく─真実へと辿り着けるはず」


「「「真実…」」」


俺もつい、二人に合わせて口ずさんでしまった。


「─なら、一緒にALICEの穴を探索するべきって事か?」


「…」


「…応えるのが難しいか?」


「うん」


「…分かった。それが、最善なんだな? 頷かなくても良い。それくらいは、もう俺でも察せられる」


「…」


─何となく、正解だと思う。


後は、イノリから感謝の心が伝わってくる気がする。




「─悪いな、話が変わった。一緒に、ALICEの穴を探索しないか?」


「良いのですか? 私達は正直、少数しか居ないので助けになれるかは分からない所ですが…。確かに、他の補佐も居ることは居ますがその─私は正直、叶ちゃんだけでも充分で、その叶ちゃんも今は昏睡状態の状況ですけれども、迷惑じゃないでしょうか?」


「─ああ。2人が居れば、それだけで心強い。それに多分、メリットとデメリットは同居してると俺は思う。増やすのなら、信頼と実力も置けては任せられる人が俺は良い」


「…分かりました。ありがとう御座います。なら、私も出来る限り、助力させて頂きます。補佐に関しては、紗奈さんで慣れていますので」


「誠一郎くんの言う通りね。彼の補佐は凄いし、心強いから、頼りにして貰えたらと思います。 後は、私は一応、アタッカー? って、言えば良いのでしょうか? 戦闘ならある程度、戦えるはずです。…いや、でも、どうでしょう? ラキア戦に関しては正直、見ているだけで恐れ多かったので、私の実力はどこまで迫れるか…。なるべく、足を引っ張らないように頑張るので、色々と教えて貰えたら助かります」


「分かった。こちこそ、改めて宜しく頼む」


「─私も、お願いね」


そして、俺達は皆で握手を交わしては、共同の攻略を決めた。


それを見計らったかのように同時に─。




──パーティー機能が解放されました。


──改めて、パーティーとしての括りを設けました。


──ギルド間での共闘の際にご入用下さい。




「…配慮、ね」


俺はどこか、薄ら寒いのものを感じながらも、その機能を利用をさせて貰う事にした。



★カズキ─ランク30

イノリ─ランク30

八重森紗奈─ランク20

泉誠一郎─ランク20



電子上で、新たな機能としてパーティー機能が追加された箇所にメンバーが表示された。


メンバー間の詳細なステータスの確認に関してはお互いの承認が必要らしい。


ただ、経験値の総量が数値ではなく、ゲージとして出てるみたいだ。


ここも、お互いに承認したら数値化出来るそうだ。


「─本当にゲームじみて来たな」


俺の言葉に否定の言葉は無く、ただ皆で苦笑するだけだった。




「─とりあえず、情報の交換はするべき」


「ああ、イノリの言うとおりだな」


俺はイノリに合いの手を貰いつつ、ランクアップに類する基礎体力の向上とスキルの話や関連性、取るべきスキルの目安─ただ取るだけではダメで、実戦での繰り返しによる反復練習も必要な事や、その他、メリットやデメリット等を、実体験を通しては、気付いた点や実際に有った事を話していった。


紗奈さん達からは深くまでは話せない様だが、現在の公安や警察の状況。


そして、今現在に対する政府の反応や対応等を聞けた。




「とりあえず、俺達の方で何があっても退避出来るように移動距離が短い近場が良いか。そこから、各ポーン担当の穴の階層に横穴から…って、言った事あるのは代々木公園だけか。やっぱり近場の皇居外苑しか、候補は無さそうか?」


「─ええ、そのようですね。では、私達は時間になったら、皇居外苑へ向かように動きます。やり取りは、メッセージで大丈夫でしょうか?」


「…」


「─分かった。それで行こう」


イノリの方は応えたくても、応えられないのだろう。


まぁ、イノリの反応である程度は察せられたし、伝えたい事もフンワリと分かるから問題は無いだろう。


ギュッ─と、手を握られたが、イノリなりの今出来る感謝の印だろう。


とりあえず、俺も簡単にだが握り返しておく。




「─じゃあ、また明日だな」


「ええ。今日は会ってくれて、本当にありがとう。何か変更があれば、直ぐにでも─私か誠一郎くんから連絡をします」


「ああ、分かった。…気をつけて」


「カズキさん達こそ、気をつけて」


そう言って、紗奈さん達とはギルドルームで別れる。




紗奈さん達がエレベーターに乗り込んで消えていったのを見送っては、俺はおもむろに椅子へと深く腰掛けてしまう。


「慣れないね」


「ああ。…頑張った。それに─お互い様に、な」


「うん」


「…煙草吸っていいか?」


「吸い過ぎ」


「そういう気分なんだよ」


「─気持ちは分かる」


「…だろ?」


そう言って煙草に火を点けて、深く味わうように吸い込んでは吐いてみる。


─綺麗な形だ。


幸先は良いらしい。


まぁ、それもただの俺のジンクスなのだが。




「とりあえず、明日からだな。今日はもう、しっかり休むとするか」


「休むのも大事」


「…だな」


俺とイノリはその後、充分な休息をギルドルームを利用して取っては、明日─皇居外苑のALICEの穴への探索へ向けて、気持ちを整えて行くのだった。

御一読頂き、誠に有難う御座います。

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