ALICE.24─折崎京也【─】
「らぁぁ─! クソォ─ッ倒せねぇ!」
俺は今現在、3層まで降りてきたが、一言で言うと躓いていた。
何に躓いたかと言うと、端的に言うとトランプ兵共を一気に倒せなくなったのだ。
ランクアップは30で上限だと、ALICEから通知を通して言われちまった。
後は残った経験値の使い道だが、戦闘補助ツールって、言うのを購入しては試しているが、身体が振り回される感じが、どうにも否めない。
いや、実際に振り回されているのだろう。
身体と思考が追い付いてなく、その隙をトランプ兵にこれ見よがしに突かれてる始末だ。
「クソッ! いてぇ…じゃねぇかぁ!」
─3度目の正直か?
3発目で何とか、俺はトランプ兵をノックアウト出来た。
武器? 使おうとしたが、案の定、スキルに振り回されては大振りになってしまい、果てには隙が出来ては、そこを突かれるオンパレードだ。
─使えたもんじゃねぇ!
だが、短刀だけはずっと使っていたからなのか、それなりには様になってると俺自身思う。
ずっと使い続けていたのが、今でも振り回されないようになる秘訣かも知れないと、その思考に至っては俺はとりあえず、一層まで戻って来て、つまらないトランプ兵共を相手に、取得したばかりの武器スキルに該当する武器と新しく追加したスキルを身体に馴染ませるように、トランプ兵共を倒す作業に傾倒していった。
武器スキルもレベルアップには経験値の要求値が高いが一気にレベルを上げきると、まとめて頭痛が襲い掛かって来ては、頭がパンクしそうになるが俺は耐えきる。
その耐えるだけに見合った、様々な知識が俺の頭に詰め込まれていくからだ。
詰め込んだ後は、身体をそれに釣り合うように動きを確認しては、とにかく実戦を─トランプ兵共を蹴散らしつつ、一体化していくようにするだけだ。
ここまで来たら、後は繰り返し作業になる。
俺は繰り返し、繰り返し、頭で覚えた事を身体に覚えさせていく。
「うしッ─! もう、完璧だろぉ?」
そう、鷹を括っては3層へと舞い戻って来たが。
「待て! 3体はズリぃだろ! うぉ! 無理無理! クソッ! ─舐めやがって!!」
今までがランクアップで、俺はゴリ押し出来て来たのだと理解させられた。
─理解させられちまった!
クソッ! なんだよ、これは!
2層のヤツは雑魚だ!
3層の数字の3からキツイ。
─だったら、4層はどうなる?
そう、考えた瞬間には、ゾワゾワッと俺の背中に冷たい汗が一気に流れ出した気がした。
3層で囲まれただけでも、処理が追いつかなくなってはこれだ。
ランクアップも出来ずに4層?
─おいおい、フザケてるのか?
「諦めろってことかぁ? ここまでさせて? …あ?」
─腹が立って来てるのを感じる。
ああ、なんかトランプ兵にも見下されてるような気がしてきちまう。
「なに、見てんだぁ、おい? 見世物じゃねぇんだ─よッ!」
ズガンと、迫ってくるトランプ兵の攻撃を片手で弾いては短刀を乱暴にトランプ兵の頭へと滑り込ませては全力で振るうと簡単に吹っ飛んで行った。
キラッと、何かが落ちた気がした。
「─なんだぁ? …レア?」
──レアドロップ【短刀★2】
「へぇ~。良いじゃねぇか。…お膳立てかぁ? 頑張れって、かぁ?」
─良く手に馴染む。
★2はトランプ兵2から落ちたからか?
「…もう一度だぁ」
俺は新たに手に入れた短刀を携えて、3層へ挑むと、レアドロップの短刀は格段にパフォーマンスが違い、大いに俺の助けになった。
トランプ兵の攻撃は、この短刀でなら受け切れるし、何よりもこの短刀で刺せば、急所なら一撃だ。
「短剣スキルが活きてきてるなぁ! ハハハ!!」
挙手スキルもあったので、元々のレベルから上げて見ると、更に身体捌きのスキルも生えては俺は3層で新たなレアドロップが出るまでは、ここを俺の狩場にすることにした。
「なんだぁ? ドブネズミみたいにでもよぉ! 地を這っていれば、出てくるじゃねぇかぁ! ─希望ッて奴がよぉ!」
─希望なんて、何を血迷ってはフザケた言葉を俺は吐いたかとは思うが、希望は希望だ。
俺は気分がすこぶる良くなっては、短刀を更に踊らせ、3層での本格的な行動を始めるのだった。
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