金星の場合
やっと金星の話になりました。
金星は太陽から2番目に近い惑星です。金星の1年は水星より長くて地球より短く、(地球時間の)225日弱になります。
自転周期はというと、(地球時間の)243日になります。1年より長いですね。「金星の1日は1年より長い」と言われる所以です。でもこれ、正しくは「金星の自転周期は1年より長い」「金星の恒星日は1年より長い」ですね。
では金星の表面に立って太陽の動きを見たとき、太陽が南中してから再び南中するまでの時間である太陽日はどうなるでしょう。
金星は分厚い雲に覆われていて太陽光は地球の1割程度しか届かず、昼間でも薄暗いようです。昼と夜との明るさの違いはあるでしょうが、空のどの位置に太陽があるかを特定するのは難しいかもです。
それ以前に地上は90気圧、気温も460度あるので、地上に降りて太陽を眺められるのは男塾塾長の江田島平八氏くらいだろうと思いますが、その辺は特に気にしないこととします。
これまでの地球や水星との最大の違いは、金星の自転の向きが逆行していることです。地球の北極側から太陽系を見下ろして各惑星の自転をみると、地球や水星、火星、木星など多くの惑星は反時計回りに回っています。金星は逆に時計回りに回っています。
地球などは公転と自転の向きが同じでした。金星は自転の向きが逆になっています。これがどう影響を与えるでしょうか。
太陽が南中したところから始めると、太陽の周りを半周ちょっと、つまり金星にとっての半年ちょいで再び太陽は南中します。ということで金星の1日(金星の太陽日)は金星の半年ちょい(0.52金星年)になります。地球時間で117日弱です。
その後2金星日が経過する少し前に金星の1年が終わり、2年目に入ります。そして金星の2日目が終わって3日目に入り、少ししてやっと1回目の自転が完了します。
1回みてすぐわかる!というような動画ではありませんが、考えながら何回も見ていたらそのうちいろいろなものが繋がるのではと思っています。
ということで、もしも自転周期(恒星日)を1日とすれば、確かに金星の1日は1年より長いといえるでしょう。
ただ、普通の感覚でいう1日、太陽が空を動く周期(太陽日)を1日とすれば、金星の1日は1年より短いことになります。




