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地球の1日

■1日とは


 そもそも「1日」って何でしょう?


 この辺は常識の範囲内のような気もしますが、太陽が顔を出してから夜になって再び太陽が出てくるまでの期間が1日、ということでいいと思います。単純に書くと(昼+夜)です。


 上の書き方だと1日の始まりは日の出になるような感じですが、ユダヤ教やイスラム教では日の入りが1日の始まりになるようです。教え的にはいろいろあるようですが、両方とも砂漠気候の地域で生まれた宗教なので、生活において太陽が照る暑い昼間よりも気温が下がる夜を重要視したからと聞いたことがあります。


 現在の1日の始まりは深夜の0時です。江戸時代でも暦で日付が変わるのは、つまり1日の始まりは正子(しょうし)(深夜0時相当)の時刻でした。正午(しょうご)(昼の12時相当)の半日前になります。ただ大衆の感覚としては日の出前の薄明るくなった頃が1日の始まりという感覚だったようです。


 1日の始まりをどこに置くかはさておき、1日というのが太陽の動きを基準にしているのはどこも同じのようです。東から太陽が昇って西に沈み、しばらくしたらまた東から出てくる。ヒトという種が存在していなかった悠久の昔からずーっとこの繰り返しが続いています。


人間の生活にとって太陽の存在が大変大きいので、太陽の見え方のパターンが1日の基準になったんでしょう、たぶん。


 太陽が1回空をぐるっと回るのを1日とする。では1回ちょうど回ったかを見るには、どこから始めればいいでしょう。


 とりあえず、太陽が空の一番高くなったところにきた瞬間から次にくる瞬間までを測るのがわかりやすいです。日本のような北半球のところでは真南、南半球だと真北の方向です。真南にきた瞬間は南中(なんちゅう)、真北に来た瞬間は北中(ほくちゅう)といいます。両方合わせて正中(せいちゅう)というのがベストと思いますが、あまり一般的ではないような気がするので、この先は南中で通すことにします。

 地平線近くだと大気の影響を強く受けるので、大気の状態によっては測定にバラツキが出そうです。また、観測する方向に建物でも建ったら測定が面倒になります。空の一番高くなったところなら影響を受けにくいです。


 ということで――


 1. 1日の長さは太陽が空を1周する時間

 2. 太陽の動きを測るのには南中から測ろう


 正確に言うとほかにもいろいろと考えないといけないことがありますが、ここではこんなもんでいいでしょう。


 太陽の動きと書きましたが、太陽が東から昇って西に沈むのは実は地球が1日に1回回っているから、つまり自転しているからだ、というのは小学校あたりで習っていると思います。


 この辺のことをGIF動画にしてみました。日本のほとんどの地域では、大体こんな感じになります。


挿絵(By みてみん)


 この動画は、太陽と地球を北極の真上、遙か彼方から見たところです。この手の解説画像のお約束としては、大抵北極側から見た様子が描かれます(横から見る場合は北極が上を向くように描かれます)。日本は北半球にあるので、日本人向けの解説画像ではこう描くのがわかりやすいでしょう。

 

 真ん中左、横長の画面で動いているのは、地面に立って空を眺めているときの光景です。回っているのが地球ではなく空(太陽や星)になります。

 南半球にお住まいの方ですと方角の並びが「西 北 東」になり、太陽の動きも右から左になります。東から昇って西に沈むのは南半球でも変わりませんが(西から昇るのはバカボンの歌くらいか)、太陽の方を向いたときに太陽が右から左へ動いていくことになります。


挿絵(By みてみん)


 先に「日本のほとんどの地域では、大体こんな感じになります」と書きましたが、一定の期間のみ、この動画が当てはまらないところが一カ所あります。太陽が南ではなく北側を通るところですね。場所は割と有名なところなのですぐわかると思います。これを書いている2025年10月現在はまだ誰も住んでいないと思いますが。


 閑話休題。1日の定義については特に問題ないと思います。太陽の動きが基準になっているよ、ということですね。


 ただ、空の上をぐるぐる回っているのは太陽だけではありません。1つは星、もう1つは月があります。

 例えばシリウスのような明るい星が南中してから再び南中するまでを「1日」としても良さそうなものです。あるいはそれが月であっても。


 でもこれらは普通、1日の長さとしては使われていません。星や月はヒトが起きている昼間には見えない=普段の生活とはあまり関わり合いがないからともいえるでしょうが、太陽の動きの間隔と時間の長さが少し違うというのもあります。生活するに当たっては太陽が空の上をぐるぐる回る周期を使うのが便利です。便利というかそれが当たり前で、そんなこと考えたこともない方が多いのではと思います。


 いや俺は星を基準にした1日で生活したいぞ、という方は、時計を1日に4分進むように設定しましょう。1時間に10秒だから6分で1秒早くなるようにすればいいですね。そうすれば毎日同じ時刻に決まった星が南中します。


 いや俺は月を基準にした1日で生活したいぞ、という方は、時計を1日に50分ほど遅れるように設定しましょう。1時間に2分と5秒くらいだから1分で2秒ほど遅れるようにすればいいですね。そうすれば毎日同じ時刻……とはなかなかいきにくいですが、平均して同じ時刻あたりに月が南中します。


 いずれの場合にも月日がたつにつれ、調節した時計の時刻が22時や0時になっても空に太陽が顔を出すようになります。


 星を基準にする場合、1日に4分進むということは10日で40分、30日で120分進むということです。昼の12時に時計を調節したとして、1ヶ月後には調節時計は12時を指していても普通の時計は10時を指しているでしょう。月の場合は50分遅れるということですから……とりあえず計算してみてください。どちらにしても生活するには少々きつくなりそうです。


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