Flight 016: 風の民の真実
◆ 屋上での告白
塔の屋上にたどり着いた隼人とエリシア。そこには、青空と心地よい風が広がっていた。リィナが振り返り、静かに口を開く。
「お兄さん、実は……私は 風の民 なの」
隼人とエリシアは驚きの表情を浮かべた。
「風の民……?」
リィナは頷き、遠くを見つめながら語り始めた。
「私たち風の民は、かつて 風の神殿 と共に空へ上がり、雲の上に住んでいたの。でも、ある時、地上の人々との争いが起き、多くの仲間が傷つき、命を落とした……」
彼女の瞳には、深い悲しみが宿っていた。
「その結果、私たちは地上との関わりを断ち、孤立してしまったの。でも、私は思うの。過去の悲しみを乗り越え、再び地上の人々と手を取り合い、平和を築くべきだって」
隼人はリィナの言葉に耳を傾け、静かに問いかけた。
「それで、俺たちに何をしてほしいんだ?」
リィナは真剣な眼差しで隼人を見つめる。
「私たちの過去の傷を癒し、地上との架け橋となってほしい。そして、再び争いが起きないよう、共に戦ってほしいの」
隼人はしばらく考え、そして力強く頷いた。
「分かった。俺たちの力で、君たちの願いを叶えよう」
リィナは微笑み、隼人に近づく。
「ありがとう、お兄さん。では、あなたとあなたの信じる仲間に、 空を自由に翔ける力 を授けましょう」
そう言うと、リィナの体は光に包まれ、隼人と一体化していった。
◆ 新たな力の覚醒
隼人の体に、温かく心地よい風が流れ込む感覚が広がった。エリシアが驚きの声を上げる。
「隼人、あなた……!」
隼人は目を開き、自分の背中に 透明な翼 が生えていることに気づいた。
「これが……リィナの力……」
エリシアも感嘆の表情を浮かべる。
「すごい……これで本当に空を飛べるのね」
隼人は新たな力を感じ、拳を握りしめた。
「よし、これで俺たちは空を翔ける。そして、風の民と地上の人々のために、平和を築こう」
エリシアも力強く頷く。
「ええ、共に戦いましょう」
二人は新たな決意を胸に、空へと飛び立つ準備を始めた。




