Flight 015: 最後の試練——戦う覚悟
◆ 突如の暗転
塔の最上階へと続く階段が見えた瞬間、隼人の視界が急に暗転した。
次に目を開けると、彼は 愛機F-15のコックピット に座っていた。
「……これは?」
周囲を見渡すと、計器類が正常に作動し、エンジンの振動が身体に伝わってくる。
(まるで、実際に飛行しているようだ……)
その時、レーダーに 未確認の機影 が映し出された。
「敵機か……?」
無線から緊迫した声が響く。
『未確認機接近中! 直ちに迎撃せよ!』
隼人は一瞬、戸惑いを覚えた。
(俺は……本当に撃墜するのか?)
『繰り返す! 直ちに敵機を撃墜せよ!』
命令が重ねて下される。
隼人は深呼吸し、心を落ち着けた。
(これは…… 最後の試練 なんだな)
彼はスロットルを押し込み、敵機へと向かっていった。
◆ 戦う覚悟
敵機との距離が縮まる。
視認できる範囲に入った時、隼人はその機体が 自分と同じF-15 であることに気づいた。
(同じ機体……? どういうことだ?)
無線が再び響く。
『敵機を撃墜せよ! これは命令だ!』
隼人は迷いを感じた。
(本当に撃墜していいのか? 相手も自分と同じ人間だ……)
しかし、彼は思い出す。
自衛隊の使命 は、国民と国土を守ること。 
(俺がためらえば、守るべきものが危険にさらされる……)
隼人は決意を固め、ミサイルのロックオンを完了させた。
(これが…… 戦う覚悟 だ)
彼はトリガーに指をかけ——
◆ 試練の終焉
突然、視界が再び暗転した。
次に目を開けると、隼人は塔の最上階に立っていた。
「……試練は終わったのか?」
エリシアが駆け寄ってくる。
「隼人! 大丈夫?」
隼人は深く息を吐き、頷いた。
「ああ…… 最後の試練 を乗り越えた」
リィナが微笑みながら近づいてくる。
「お兄さん、 ‘風の心’ を示したね」
隼人は静かに答えた。
「俺は……守るべきもののために、戦う覚悟を持った」
リィナは満足そうに頷く。
「これで、 ‘風の民’ に会う資格を得たよ」
隼人とエリシアはお互いを見つめ、そしてリィナに続いて塔の頂上へと向かった。




