4 3年間の月日。
ケティア・フィージスの呟き
俺は6歳になっていた。俺がどんな3年間を過ごしてきたのか、語っていこう。
まずフィージス家は、個人で領土を持っている貴族の中ではかなり上の人間らしく、貴族の一家には全て階級が存在し、11段階に分けられている。
階級の分け方としては、1から10までは、身に付けている、丸い金で出来た、小さなバッチの数によって分けられる。大きさは、は大体、大豆程だ。
11階級目の貴族には真珠のような白いバッチをつけることが出来る。これは普通の金の物より、大きい。
そんな中、フィージス家はなんと10階級目という、とても高い位置にいる。
しかし、貴族の家には、メイドや執事、バカでかい屋敷などを想像するがどれもこの家には当てはまらない。
ミーチャに理由を聞いてみると、
「だってそういうのだと、家族団らんって感じができないじゃん!」
なんともミーチャらしい答えが帰ってきた。
これにはサトルも賛成しており、なんとも良い家族に転生したなとケティアは思った。
次に何故かステータスで、反射速度が高かった理由を考えた結果。前世からケティアは、運動は出来ないのでのに反射神経だけは化け物急に早かった。それは、ゲームで鍛えられていたのだ。
昔からドッチボールをしたら、投げる球はとても遅いのに、反射神経で全て飛んできたボールを避けるという運動できるのか、できないのかよく分からない人だった。おそらくそれが理由だろう。
次に、ケティアが学んだ事は、この世界に魔法の属性が存在し、ケティアが使った火属性、サトルが使っていた水属性、他にも、土、風、氷、電気、光、闇、そして白の、合計9つの属性が存在する。
この世界において、適正魔法というものはなく、魔法自体に適正がある人は、全属性使用することができる。
白属性とは、いわゆるその他で、どの属性にも当てはまらない魔法のことを言う。
例えば結界や回復、転移魔法などが当てはまる。
次に、ケティアがあの日火球を使った後倒れたのは、魔力枯渇が原因だと分かった。魔力の残量を知るには、体の中に感じた青色の炎の大きさによって知ることが出来る。炎が大きい場合、残り残量もたくさんある。逆も然り。
倒れた後大体半日程で意識を取り戻したのでよかった。
魔力枯渇は、基本的に意識を失う程なのだが、酷く消耗したり、既に魔力がなくなっているのに魔法を使い続けた場合、死の可能性も有り得る。
次にケティアのステータスについてだが、有り得ないほどに、鍛錬をしてきた。
まだ3歳だったケティアは、小さい手と足で、腕立て、腹筋、スクワット、ランニング、(ステータスプレートに表示されている歩行距離を参考にした)そして、毎日魔力枯渇するまで魔力を使用するという鍛錬をしていた。
この魔力枯渇させるまで消費すると言うのは、ケティアが歩くことによって脚力を自然と上げていたように、ステータスプレートでステータスポイントを使用せずにあげる方法を使用したものだ。
そして毎日気絶する息子に両親たちは、「生まれつき体が弱い子なのだろう」と、ケティアが喋れるようになるまで勘違いをしていた。
そして毎日鍛錬を続けてきたケティア(6歳)のステータスが、
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ケティア・フィージス 6歳 鍛錬値78
HP 467
腕力 73
脚力 796
反射速度 24
魔力 252
物理攻撃耐性 0
魔法攻撃耐性 0
スキル スキルポイント7
獲得鍛錬値上昇+暗視+魔法想造+隠蔽+言語理解
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※獲得鍛錬値上昇...獲得鍛錬値を倍にする。
暗視...暗闇でも自分の視野が明るくなる。
魔法想造...自身の現在の魔力残量の9割を使用することで、想像した魔法を作り出すことが出来る。
隠蔽...他人から見えるステータスを隠蔽す
る事ができる。
言語理解...自分の知らない言語を勝手に頭の中で翻訳する。
ケティアはまず一番最初に獲得鍛錬値上昇を獲得したので、スキルポイントも貯める効率が早かった。しかし、魔法想造が、合計78あるスキルポイントの内、40も使わされた。最初に獲得鍛錬値上昇を手に入れていなかったらおそらく他のスキルを何も選択していなくても、獲得出来なかったスキルだろう。
また、隠蔽は、そこらの騎士ですら、鍛錬値60も程なのに、まだ幼い6歳の子供が、化け物すぎるという事実を隠すためだ。
(ちなみに何もしていない一般市民の鍛錬値は、10である)
HPは鍛錬しているうちにどんどん上がっていった。
次にやった事として、前世のケティアの『異世界行ったらやりたいことリスト』のうちの1つ火属性魔法の強化だ。
内容として、
「空気中に酸素がめっちゃあったら、火が強くなる!」である。そして、なんと、もう1つもケティアは知っているのである。
「水に電気流したら酸素と水素ができる!」
なんとケティアは2つも科学知識を知っているので有る!
この2つを使い消費魔力の量を軽減して出来ないかと前世から、考えていた。
ケティアは家の外に出て早速試してみようと思い、庭に出ようとした。すると、玄関口にサトルが居た。普段あまり見ない黒色のスーツを着込んでいる。
(何か用事あるのか)
ケティアは、そう思ったが触れないでおこうと思い、「行ってらっしゃい」と声を掛けて見送った。
そんな事があったが、とりあえずやりたいことをやろうと、試しに家の外に出た。
家はそこまで大きく無いのに、ここだけバカでかいフィージス家の庭に来た。
ミーチャ言わく、
「庭は、大きい方が楽しいじゃん!」
だそうだ。
ケティアは、この作業はスピードが大事だと思い、テンポよく行う事を意識して、庭の真ん中辺りに立って腕を突き出し、水をイメージして、水魔法を発生させる。
次に電気魔法で、水を分解する。すると水が次第になくなって行った。
そして最後に、弱めの火属性魔法を出してみる。
すると、空気中が、爆発した。
おそらく水素爆発だろう。
これは非常に便利な攻撃手段になる。
火属性魔法を普通に使うよりも強く、また、消費魔力が少なくて済む。
ケティアは「これを俺の基本の中距離攻撃手段にしよう」と、決めた。
そして、その日、かなり遅くにサトルが帰ってきた。
「お父さん、おかえりなさい」
「ああぁ〜ケティア、すまないね遅くなったよ。...ほら、このお兄ちゃんが今日から君の兄になる人だよ」
サトルが何やら後ろの足元に目線を向けてなにかに話しかけている。
(お兄ちゃん?何を言ってるんだ?)
するとサトルの後ろから小さな女の子が恥ずかしそうに出てきた。
(もしかして!)
「えっと、そのぉ、私は、....」
ほとんど聞こえないほどに小さな声だった。ケティアは、この流れを前世で見た事がある。
「何も恥ずかしくないよ、ケティアはとっても優しい子だから。ゆっくりでいい」
サトルが落ち着くように促した。
「わっ、私は、...ヨシミと言います。えっと〜、こ、これから、お世話になります。....お、お兄ちゃん」少し恥ずかしそうに、上目遣いでヨシミと名乗る彼女が自己紹介してきた。
(来た〜〜〜、義理の妹展開ぃぃ〜〜!)