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2 魔力を感じた。

ケティア・フィージスの独白


やっぱ2次元の主人公って絶対皆魔法の経験者たちじゃない!?

普通あんな教えられた瞬間に「こうかなー」なんて言って簡単に出来るもんじゃないだろ!

ケティアは前世の頃から朝に弱く、昔から1度寝ると起きれないタイプだったのだが。今朝は全く寝ることが出来なかった。

理由は母親と父親の夜の儀式のせいだ。


前世では平気でゲームを一夜漬け出来ていたのだが。

体が子供だからだろう、とても眠い。


しかし寝不足だからといって(じゃー二度寝するか。)と、ならないのが異世界生活だ。


ケティアはベビーベットから身を起こした。

おそらく母親か父親が昼ぐらいになったら見に来ると思が、正直そんなことを待っている暇は無い。

「あぁあぁぁぁぁ!」

(俺声めっちゃ高いやん!)

とても小さな子供のように「オンギャー」など

とは中身が40代のおっさんには到底できなかった。

すると廊下から母親が走って来た。何故か顔がテカテカなのは触れないでおこう。

「ケティちゃん!」

ケティアは焦ってている母親につぶらな瞳を送ってみた。

母親はケティアの顔を見て胸を撫で下ろした。

(えぇ〜チョロすぎない)

「も〜ケティちゃんどうしたの〜びっくりさせないで!」

母親はケティアに「メッ」をしてきた。

(いや〜こういうのは美人に限るな〜)と、精神年齢が見た目とあっていないケティアがとても3歳の幼子には見えない顔をしているが母親は気にしていない様子。

すると父親が部屋に入ってきた。

「ミーチャ、そんなに走っていかなくてもケティアは大人しいからだいじょぶだよ」

さっきの父親の発言から母親はミーチャというそうだ。

こうなると父親が気になるが思ったように顎が動かせず喋れないので聞く手段がなく気長に待つことにした。

ケティアはミーチャに抱っこされベビーベットから離脱することが出来た。


ケティアは、ミーチャの莫大な2つの男の凶器に顔を押し付けた。

(うわぁ〜〜〜〜!、なんだこれは)

ケティアは、自分の顔が次第に挟まれていくのを感じた。

もちろん親たちは、我が子が母親に甘えているだけに見えたはずだ。何も問題はない。

(別に俺なにも悪くない、俺はこの2人の子供やもん。なんかただ甘えたい気分やっただけやもん)

そんな下心満載な顔して挟まれたままケティアは、ミーチャに運ばれた。

ふとミーチャの歩いている揺れが止まったのを感じ顔を出すと、そこは洗面所だった。

目の前に鏡がある。

(えっ!これ俺?)

そこには前世の様なボサボサな黒髪のおっさんではなく、白髪でクリクリッとした目の小さな美少年がいた。

ミーチャ程ではないが普通に綺麗な白髪だった。

おそらく俺はミーチャ寄りの顔立ちだと言えるだろう。目の色が青色なのである。

これもミーチャ程綺麗なものでは無い。

改めてミーチャの顔はとても綺麗に整っている。

「ケティちゃんはね、顔は私に似てるけど、大人になったらお父さんみたいにかっこよくなれるよ。.....あぁぁぁでもそしたらかわいいケティちゃんが見られなくなっちゃうぅ」

ケティアがまじまじと鏡に映る自分を眺めていたからか、声をかけてきたが途中までいいこと言ってたのに、最後がかなり台無しにする発言だった。

そんなミーチャに苦笑いしつつケティアは抱っ子から降りて昨日の記憶を頼りにリビングに行ってみることにした。


とても小さな足を頑張って進めて長い廊下を越え、やっとリビングに来た。

そこには父親が昨日ケティアが座っていたソファーで新聞らしきものを静かに読んでいた。

この世界にも、新聞はあるようだ。

(うわぁー渋いね〜)

言い方が悪いが、全くと言っていい程あんなミーチャとは、性格が相まっている。

(いや、逆にこういう方が恋人とはいいのだろうか?)

ケティアは前世のギャルゲーを思い出した。


そんな父親を片目にケティアは、昨日寝れないと確信して明日やろうと色々考えていたことをやっていくことにした。

まず第1にステータスプレートの表記にひとつ疑問があったのでもう1度調べてみることにした。




しばらく探してみたがそれらしき物は無かった。

それは魔法を使う時に消費する、『魔力量』だ。


大抵どのゲームにも、HPの下や横に表記されているのだが、ステータスプレートには無かった。

もう少し探してみても良かったが1度棚に上げることにした。


次にしていくのは、異世界と言えばの『魔法』だ。ステータス表示に、魔力が表記されていることからして魔法がこの世界にないことはまずありえないだろう。

俺はとりあえず前世の知識の中に[まず魔法を使う前に自分の中の魔力を感じろ。]と、聞いたことがあるので、自分の中に眠る魔力を感じてみた。

が、自分の愚かさに、ため息をつきたくなった。

(まずい、感じ方が分かんね〜よ!)

(なんでこ〜簡単そうに、主人公どもは((これが魔力か!?))なんてこと言ってんだ?)

(俺にもその才能分けてくれよ)

そもそも魔力を感じることが出来ないので詠唱やら魔法陣云々《うんぬん》ではないのである。

(どうしよっか?まだやりたいことあるけ、そっちに移るか?....いや、でも魔法使いたい!)(そもそも魔力ってなんだ?) (魔力ってどこにあるんだ?)

ケティアは、例え周りから見たら面倒うなことでも、自分のしたいことだったら、曲げないでやり続ける。

ケティアの『やりたいこと』に限るが...


(そもそも魔力ってなんだ?) (魔力ってどこにあるんだ?)(魔力じゃなくて別の何かなのか?チャクラとか魔素とから辺?)(もしかして俺魔法の適性ないのか!?)


すると、

急に胸の奥に何か青い炎のようなものを感じた。(何故かとても小さい。)

俺は一瞬戸惑った(なんだこれは!?)

別に体が暑くなった訳でも、家が火事になった訳でも、オタクを通り越して、遂には、厨二病に目覚めた訳でもない。


ケティアは確信した、(この、なんとも手で軽く仰げば消えてしまいそうな貧弱な感じ)

(間違いない、これ絶対俺の『魔力』やん!)

今のケティアに「貧弱と言えば?」、と聞けば間違いないなくケティアは、「俺」という答えが第1に思いつくだろう。

(この脆そうな感じから自分が連想されるのがなんとも悲しいな〜)

(てか、やっとできた)

(やっぱ2次元の主人公って絶対皆魔法の経験者たちじゃない!?

普通あんな教えられた瞬間に「こうかなー」なんて言って簡単に出せるもんじゃないだろ!)


そんなことを心の中でケティアはツッコミ、軽くため息をついた。


(それじゃー早速魔法使ってみよっか)


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