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17 結婚休暇6日目:とはいえこれからどうしたらいいか分からない夫



 まだ結婚休暇6日目。


 ようやくステファニーが別邸に戻ってくる。

 老執事やメイド長をはじめ、使用人達に遠距離通話でステファニーを連れて帰ると伝えると、たいそう喜んでいた。



 そして、私は思い悩んでいた。


(明日から私はどうしたらいいのだ!?)


 誤解を覆す、誠実な夫に生まれ変わると言ったものの、実のところ、ここからどうしたらいいのか私には全く持って理解できていない。


 なにしろ、これまでの人生では、ステファニーによって若い未婚女性との恋愛的な関わりをほぼ断ち切られていたのだ。

 そしてステファニーは私が何をするまでもなく私にメロメロだった。


 私には、女性を射止めるという行為に関して、経験も知識も、皆無なのである。


(『愛なし初夜シリーズ』を読んでも、この辺りは描写が薄かった……!)


 仕方がないので、ステファニーが帰還の準備をしている間、私は母や妹達を捕まえてこれからどうしたらいいのか教えを請うた。


 しかしなんとこの三人、全く何も教えてくれなかったのだ!


「どういうアプローチが心を掴むのか? 嫌よ、どうしてお兄様にそんなこと教えなきゃいけないの」

「ふふっ、教えなくても兄様以外みんな知ってるのに。マリアリーゼ姉様は騎士っぽい武骨で不器用な男性からちょっと照れながら誘われるのが……」

「ちょっとミリアぁ!! それを言うなら、あなたは朗らかで落ち着くタイプの男性がいいワインが出来たって笑顔で……」

「姉様ぁあ!!!? そ、そうだわ。兄様の教育は親である母様の務め。母様、バシッと言ってやって」

「そうねそうね、お兄様の教育はお母様の務めよね」


 急に挙動不審にカマトトぶって何も教えてくれなくなった妹達は、母に話を振りだした。

 しかし、母は母で、「そ、そうねえ。そういったことは男性同士、お父様に聞くのがいいんじゃないかしら」と言いながら逃げてしまう。


(別に減るもんじゃないのに何なのだ。ここまできて放置するのは無責任じゃないか!?)


 恩知らずな怒りを抱えた私は、仕方がないので父と弟達を招集したのだが……。


「兄さん、私達を招集して何か得られるものがあると思っているんですか?」

「兄貴、藁に縋るにしても藁を選べよ。ないものを振っても何も出てこないんだぞ?」

「趣味に没頭し異性に縁遠い私達マクマホン侯爵家の男兄弟に、一体何を求めているのですか……」

「ステファニー姉さんという奇跡の女性を捕まえた兄さんにこそ、私達は色々聞きたかったんですけどね」


 なんだこの絶望のオーラは。違うんだ、そういう独身非モテオーラに当てられたかった訳じゃないんだ。

 こうなったら……!


「ち、父上!」

「すまん、マイケル。私はお腹が痛いので今日はお前と話すことはできない。明日から頑張るんだぞ、じゃあな!」

「父上ぇ!?」


 領地経営のこととなると、聞いてもいないことをベラベラ喋ってくる父が、急にその場を退散して行ってしまった。

 なんなんだ、腹が痛いのになんでリバーフィールド産のワインを片手に部屋にこもっているんだあの親父は!


「兄さん……あの……」

「なんだマイルズ」


 私に鍵開け魔道具をよこした3番目の弟がそっと声をかけてくる。


「ご友人に相談してみては……? 騎士を多く輩出したバジョット伯爵家の方々は、男世帯なのに女性にモテると聞きます……」

「!!」


 なるほど、こういう時こそ友人を頼るべきだな!

 機嫌を良くして礼をいう私に、マイルズは「回答結果を後で教えてください……」と微笑んで立ち去っていった。可愛い弟である。



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