United State of All ②
(いやぁ、世界征服しちゃったねぇ……)
俺ことハンスはその速さに驚いてしまった。
ラララと出会ってから1年経っていないのだけど。
RTAとしては恐るべき速さである。
(とはいえ、たった1日だけどな――)
その1日で選挙による投票が行われる。
その管理人として、ハンスは選ばれたのだ。
ハンスが初代書記長になった理由。
それはノーザントロフ神奉国が魔王たちに譲ったからに他ならない。
ノーザントロフ神奉国は、古い魔王であればあるほど、以前存在していた魔法王朝に縛られていることを加盟国に諭し、魔王たちが『敵対する国家を討て!』と魔法王朝時代に要求された命令を『USAに敵対する国家を討て!』と見なすように調整した、という名目を使ったのである。
そのために、一度魔王たちによる世界制覇が必要であったのだと。
結局のところ1日で魔王たちによる世界征服が終わり、魔王たちが親人類派となり、ノーザントロフ神奉国が1国1票の選挙によって2代目のUSAの書記長になる段になって、ようやく各国からは賞賛の声があがるようになり、ノーザントロフ神奉国の名声は最高に高まることになった。
サウスフィールド王国についても魔王を制した国として、また魔王領との接点である国として評価され、これからサウスフィールドを中継した国家間の輸出入による発展が約束されることとなり、評価が下がることは無かった。
ノーザントロフ神奉国は友好のあかしとして、駆逐級飛空艦、奇城 茨魏魏ヶ島を魔王ベルから受け取り、さらなる国家の飛躍を果たすことになる。
魔王ベルは一見損したかに見えたが、その茨魏魏ヶ島を動かすための魔法生物であるタケや、魔石といった燃料については有償としたため、大きな利益を得ることが出来ていた。
なによりも魔族と人類との交流が始まったことがなによりも有用だっただろう。
魔族と人類の争いは、ここに終結したのである。
(さて、勇者のざまぁは終わった。世界征服も果たした。後は――)
順風満帆だというのに、なぜかハンスの顔は曇っている。
世界征服が終わったら、ラララは――




