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新世界の神になろう――「小説家になろう」はあきらめました――勇者パーティーを追放されたけど可愛い女の娘getして勇者ざまぁする俺。おーぃ帰ってこいと言われてももう手遅れです  作者: 夢之崎ベル
勇者も倒したし魔王としてはあとは人類を征服してみんなとお友達になり、グリコのポーズをしながらたこ焼きパーティーでも開きたいな編
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一方そのころ――

 そして勇者が魔王ベルによって倒され攘夷派がまとめて駆逐されることによって開国派はサイスフィールドの大多数を占めることになり、日に日にサツマ伯爵家当主であり、第二王子でもあったセカンドの国王就任を要望する声は大きくなっていった。


 悪役令嬢であるはずのティアラであるが、あの逃避行以来、第二王子と通じ合ってしまい、仲睦まじいその姿は衆目に知られることとなった。


 サツマ伯爵家、ロングステート公爵家では子供はまだか、などと揶揄されるほどである。


 それは国王にまで言われるほどだ。



「さて、期せずして国王の地位が転がり込んでくるわけだが――」


 第二王子が国王になって考えなければならないこと。

 単純に言えば内政、外交の二つである。


「なるようになるんじゃないの?」


 第二王子に対して砕けた口調で話すようになったティアラに話したところ、返ってきた言葉がこれであった。


 そして、これからの未来はティアラにも分からないという。

 それはそうだろう。未来のことなんて分かってたまるかと言うのだ。

 なんでもティアラが言うにはシナリオが終わっているから――らしいのだが、第二王子にとって、その言葉はよく分からなかった。


 そうして、夏になり――即位式を経て第二王子は国王となり、さらにはティアラを王妃に迎え――、その日を迎えることになった。


 そう、全貴族が集まる舞踏会である――






 ◆    ◆    ◆    ◆





 国王はキョーの都が火の海となったことの責任を取って辞任した。

 キョーの都自体は復興が進んでいるが、第二王子が国王になるにあたり首都を移動し、第二王子の母方の出身伯爵家であるサツマ伯爵家の領地がサウスフィールドの首都であるとする遷都計画が進んでいる。


 それによりサツマ伯爵家はサウスフィールド王家に名称を変更し、現国王のサウスフィールド王家もその名を元のキョ―公爵家に戻す予定だ。


「いやー。のんびりしていていいなぁ――」


 そう、この男――先代国王は全ての責任を取るという名分ですべての雑務を第二王子に丸投げしたのである。

 先代国王はラララ魔伯国の領内でビーチサンダルにブーメランパンツ、そして黒のサングラスといういで立ちで、海沿いにビーチサイドチェアを配置し、まったりと日光浴を楽しんでいた。

 つまり国王は半裸であった。


「いやー。いいですねぇ……」


 それに俺ことハンスが答える。

 青い空――、白い雲――、遠くで白毛豪牛がドナドナと鳴いている。


 それでも、国民に対して国王は仕事をしている風に見せているのだ。


 ハンスとともにラララ魔伯国を探索するという名目で消え、しばらくするとそこで採れたたくさんの仔牛を市場で売る。責任を取って引退するだけでなく、冒険に出かけて結果を出す国王はそれなりの人気がある。


 実際のところはラララの《扉》のフル活用である。


 牛さんたちはドナドナと悲しい目をしながらその扉の向こうへと出荷されていった。

 輸送費が掛からない、まさにドアtoドアなロジスティックであった。


 なんでもルーミートたちが言うには増えすぎた牛さんをなんとかしたいという要望があり、草が生えているところに移住させたかったようだ。ルーミートは牛さんをうまく捌けて歓迎していた。


 その仔牛は育成され――つまり雇用が生まれる。


 さらに、成牛となった暁には人手を掛けておいしいミルクや牛肉食品となって出荷されるだろう。それは流通であり、国の収益につながるものである。


 まさにwin-winな関係であった。


「しかし、どうしたのだろうなぁ。最近ラララは出かけてばかりなんだが……」


 貴族の学園がキョーの都が消失したとことでなし崩し的に無くなった後、ハンスとラララは共に夜を過ごすことになっていた。


 しかし、朝になるとラララはふらふらとどこかに出かけていくのだ。


 その理由が判明するのは、それからしばらくたった後、あのサウスフィールド王国の全貴族が集まる舞踏会である――





 ◆    ◆    ◆    ◆





 聖ピーチ魔王国では、魔王リナが国王である聖女のピーチ姫に対しサウスフィールド王国で起きたことの顛末ついて報告していた。

 ゴブリンを擬人化した美少女である魔王リナは客間でねそべり、足をプラプラさせながらくつろぐ姿ではあったが。


「なるほどーー、そんなことが――。それで目障りな勇者は居なくなったということに間違いないのね?」


「うん。そうだよ。魔王ベルがきっちり〆たみたい」


「ではこの後どうしましょうか? 本国パラチオンに対して魔王ベルとの同盟関係が知られるのもそろそろのはず。そうなれば糾弾されるのは確実よね」


 聖女ピーチは考え込んだ。

 宰相がそれを引き継ぐ。


「糾弾はされるでしょうな。しかし、魔王ベルにあのような軍事力を見せられたのだから当時としては仕方がなかった訳ではありますが――」


 そう、仕方がなかったのだ――で済めばどれだけ良かっただろう。

 このまま独立を宣言しても良いのだろうが、その場合さらなる後ろ盾が欲しいのも事実である。


「では、次回はわたくしが参ります」


 ピーチ姫はある考えを持ち、ともかく交渉を行うためにサウスフィールド王国に向かう。


 それはちょうど、サウスフィールド王国の全貴族が集まる舞踏会が始まる時期であった――


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