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新世界の神になろう――「小説家になろう」はあきらめました――勇者パーティーを追放されたけど可愛い女の娘getして勇者ざまぁする俺。おーぃ帰ってこいと言われてももう手遅れです  作者: 夢之崎ベル
勇者ざまぁされたのでキョーの都を灰にして大炎上させて見た。もちろん背景の山には「大」の文字を書きたい編
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鬼畜米エイ

鬼畜な表現があります。苦手な方はスキップしてください。


 季節は春となった。


 満を持してサウスフィールド王国から集まった勇者軍は魔王領に進軍する。

 その兵数はおよそ24,000オージス。


 勇者騎馬軍団であった。

 武田なみの赤備えである。


 彼らは平野の真ん中に建てられた魔王城――通称灰かぶり殿(はいでん)に対して笑っていた。


 なぜなら灰かぶり殿(はいでん)の周り一面には水が敷かれ草が生えていたのだwww


「あははははー。魔王は何を考えているのだ。畑一面に水を張るとは――。こんなのはもはや畑ではない! 火偏が抜けた田ではないか田! こんなところに均等間隔で草を植えて何がしたいのやら」


 もしもそこにハンスがいたら、それは水田であり、その草は稲であることを冷静に指摘したのであろうが、いまの勇者の周りは全てYesマンで固められており、それを的確に指摘できるものはいない。

 その稲はまさにライス国と呼ぶに相応しいほどの育ちっぷりであり、白い太陽の光をうけてすくすくと成長している。


「こんな何もない平地に城を建てるなど、まるで攻め落としてくださいと言っているようなもの。俺であれば地形にこだわり抜いて城を建てるというのになぁ」


「「あははははー」」


 ちなみにサウスフィールド王国の御所も勇者によって焼き払われたが、平地の中心に建てられていた。


「それでは行くぞ! 鋒矢の陣にて突撃する!!」


「「いや、しかし……」」


「突撃だ! かかれぇ!」


「「うぉぉぉーー」」


 部下たちは一瞬躊躇するが、勇者の号令である。

 勢いよく騎馬の軍団は水田を抜けて城に向け突撃を図ろうとする。



 しかし――



「うぉー、なんだこれは! おのれ魔王め! 図ったな!」


(く、水を張った畑の下は単なる地面かと思ったら、これは――沼じゃねぇかぁ!)


 水田はただ単に地面に水を流したのではない。

 その稲が育ちやすいようにしっかりと耕されており、その地は沼のようになっていた。


 沼に足を取られて次々と騎馬の進撃は遅くなり、やがて止まった。


「おのれー魔王め! ここからは徒歩で突撃する。どうせ城の中に入ったら騎馬は使えまい! 突撃ー!」


 勇者たちは馬による進撃をあきらめ、馬から降りての突撃を開始した。

 ばしゃばしゃという音が鳴り響く。




 そう、そこで勇者たちは水田の水に触れてしまったのだ――



 そんな中、稲穂に紛れるように現れた魔物がいる。

 それは、エイの魔物である魚足(サハギン)であった。


 魚足(サハギン)――。この世界では主人から魚を絵を描けと命じられ、調子にのって足まで書いてしまったことから、余分なもの、なくてもよい無駄なものを表すたとえの象徴としても知られる魔物である。


 そんな魚足(サハギン)の攻撃は、水棲の小型の巻貝――ミヤイリガイを投げつける。ただそれだけであった。


(ははは。脅かしおって、そんな攻撃――効くわけがなかろうに――)


 ばしゃ


 ばしゃ


 ばしゃ……



 貝の水しぶきが少しだけ身体に触れたが、全くダメージはない。

 だがしかし、急に《危険感知》スキルで高い危険を感じた勇者は、とりあえず回復しておこうと初級回復魔法――ヒールを発動させてしまう。


 その効果は劇的だった。



 勇者は血反吐を吐いて急に倒れたのだった――






 ◆   ◆   ◆   ◆






 時は、勇者が魔王城にやってくる数日前に遡る。


 ブラックロータスはすっかり定例になった勇者対策会議の場に参加していた。


「私思ったのです。どうして、こちらの世界では人間の領域で稲作を行わないのかな――と」


(そうよ、乙女ゲームでなんちゃってファンタジーだからといって、主食として米が存在している以上、稲作を魔族だけが行っているのって変なのよね。何か裏設定がなかったら――)


 ほぼ日本人である《どくしゃー》たちが米好きでない訳が無い。

 そんな米を魔族だけが作っているのには何か理由があるはずである。

 そんな理由をブラックロータスは知っている。


「その答えがこれでした」


「これは――貝?」


 ブラックロータスは小さな貝――小型の巻貝の一種であるミヤイリガイ(別名カタヤマガイ)を魔王ベルや四天王たちに見せる。


「このミヤイリガイは主に水田に生息していてね。この貝が出す水にニンゲンの皮膚を浸けるとある生き物が皮膚から侵入し感染するのよ。その名を――」





 ――日本住血吸虫――





 そしてこの虫は、生き物であるので回復魔法をかけるとすくすくと成長するのである――

 するとどうなるのか。





 ◆   ◆   ◆   ◆





(いったい何が起こった!)




 勇者はその腹からくる猛烈な痛みに藻掻き苦しんでいた。


 まず炎症が起きたのは皮膚まわりだ。

 その周りが特に痛い。ここから日本住血吸虫たちは侵入したのだろう。


 次に起きたのは腹痛である。

 48,000オージスを超える日本住血吸虫たちが体内の細血管で産卵し、卵の一部が血流に乗って身体の節々に肉芽腫を形成していくのだ。そしてその数は指数関数的に増えていく。身体がおかしくならないはずがないのである。


 そんな勇者に現れた症状であるが、それは勇者軍のほぼすべての人にも現れていた。


 あるものは、腹部が膨張し。


 またある者は、てんかん、痙攣などの症状が現れる。


 全身の痛痒(つうよう)を感じ身動きが取れず倒れる兵士もいた。


 そこに、とどめを刺すように現れたのは《暴食之魔王たる》魔王ベルである。


 黒の機体に赤と白のハイライトを有する駆逐級飛空艦、奇城 茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまに乗って現れた彼女は勇者たちを見据え、一言、言葉を発した。


「ここまで準備をされて、事が成せないとなれば《暴食之魔王》の名が廃るというもの――」


 それを見上げる勇者たち。

 魔王ベルは何か魔法を唱えるはずだ。


「ふははははーー。どんな攻撃魔法であれ! 我々には効かんぞぉぉぉ。こちらには時間を掛けて作り上げた絶対攻撃魔法無効化の陣がある――」


(もっとも、こちらからの攻撃魔法も使えなくなるわけだが――)


 学園魔法を解析し、時間を掛けて作り上げたその魔法陣は、治癒魔法以外のすべての魔法を弾くのである。


 魔王ベルは魔法を得意としており、反面直接戦闘は苦手とされていた。そのため肉弾戦を仕掛けるための切り札として用意してあったのが、これだったのだ。


 だが、魔王ベルが選択したものは攻撃魔法ではなく、地域を包括する治癒魔法であった。


「上級範囲治癒術式! 終末ケア(ポストアキュート)!!」


 それはまさに、地域を包括し人々を守る病院病棟のような――限界を突破した医療といえよう。

 優しい光が勇者たちを癒す――


 その光は治癒系であっため、攻撃魔法とは判定されず、安らぎの風となって勇者たちに浸透していく。



 あぁ、なんて心を洗う安らぎの光なんだろう――



 治癒魔法まで弾いてしまえば自身が怪我をしたときに復旧する手段がなくなってしまうため、勇者はその魔法やスキルに対して防御をすることはしていない。

 治癒魔法を防御する、という概念がそもそも無かった。


 ――そんな治癒魔法によって、いきいき子供が育つように、日本住血吸虫は人の体内ですくすくと育っていくのだ。




 基本的に《どくしゃー》というものは異世界人である。

 そのため、異世界の要素というものには補正が掛かっていた。

 それが特に『日本』という名前の付くものには尚のことである。

 そんな日本の名前が付く日本住血吸虫は、この世界において十全な能力を発揮するムシであった。


 勇者の軍はその全員がおなかを膨らませて衰弱死した――





 こうして、これからの勇者たちは(いね)たちの肥料として大活躍することになる――


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