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新世界の神になろう――「小説家になろう」はあきらめました――勇者パーティーを追放されたけど可愛い女の娘getして勇者ざまぁする俺。おーぃ帰ってこいと言われてももう手遅れです  作者: 夢之崎ベル
勇者ざまぁされたのでキョーの都を灰にして大炎上させて見た。もちろん背景の山には「大」の文字を書きたい編
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どうしてイカセテくれないの?

「いまこそ! 魔族に傾注し売国を図った腐った政府どもを駆逐し、魔族たちから怯えることのない、普通の安心が得られる社会を目指して! 国民から期待される任せられる世界を造り上げるのだ――」


「「おー!」」


「襲撃とは碁や将棋と同じ。周囲を詰めてそして討つ!」


「「おー!」」


 勇者たちのに集う男たちは気勢をあげる。


 その実態の多くは農商ギルドの手によって集められたならず者たちだ。

 政府転覆をはかり自分たちがのし上がる。または、このサウスフィールドを蹂躙して私腹を肥やそうという売国野郎たちが集まっている。


 そうとも知らない勇者は、ご満悦の様相でその勢いにただただ関心していた。


「襲撃の第一目標はサツマ伯家が逗留する第3ストリート武家屋敷―― イケヤだ! サツマ伯のセカンド第二王子さえ誅殺してしまえばキョーの都での人の敵はいなくなる! そして第二目標は御所の勇者召喚の間である禁門! そこにある召喚の魔法陣と召喚の水晶球だ! そして国王を動座させ、魔王を倒すことのできる真たる異世界(かがわ)の勇者を召喚するのだぁぁ!!」


「「おー!」」


 勇者の周りの人間は勇者の言うことを興奮しながらも律儀に聞いていた。

 勇者の様子を自身に陶酔していると勘違いした。

 勇者は人からこのように尊敬されるようなことは、いままで無かったのだ。


 何かあれば言われるのは小言ばかり。

 だからこそ、いまの勇者は解放感に満ちていた。


 一方の周囲の人間はただ破壊と略奪ができればよいと考えている。だからその略奪を効率よく進めるために勇者の話を聞いていただけだった。略奪の機会を話の節々から伺い知るためにだ。


「よし! 出陣!」


「「おぉぉー ヤるぞぉぉ!!!!」」


 自分大事で自分こそが正義だと疑わないものたち。彼らの思いは根深い。

 彼らは政府転覆が、都の蹂躙が正義だと疑わない。



「さぁ我々好みの、いきいき子供が育つ街を造り上げるのだ!」



 そして意気揚々と、勇者たちは動き出すのだった。


 これが、イケヤ襲撃事件から禁門の変へと向かう、一連のブラッド・フェスティバルの始まりであった――






 ◆    ◆    ◆    ◆






 そんなイケヤ武家屋敷にて言い争うのは2人の年若い貴族の男女である。

 勇者の影は刻一刻と迫っていたが、しかし彼女たちにそれを知るすべはない――


「ねぇ、どうして――どうして言うことを聞いてくれないの!」


 その男女――それは涙ながらに訴えるのはロングステート公爵家の令嬢であるティアラと、それを受ける第二王子セカンドであった。


「だからロングステート公爵軍をキョーの都に入れる訳にはいかない」


「どうしてよ――。キョーの街がダメなら真珠湾に抜けるルートだけでも通して貰えれば――」


「いやだめだ。お前のところの領軍は信用ならない! この前もメロンハウス6棟が全滅した悪質な犯罪行為があっただろう。あの犯人は捕まったのか? アメジストの間者がいまも領兵の中に含まれている可能性は否定できまい――」


「そ、それは――、対策はしてはいるのですですが――」


(よし、やり込めた! 初めてではないか? こんなことは――)


 第二王子のセカンドは、ティアラが苦しそうな表情をするのに対し、内心ではニヤニヤと愉悦に浸っていた。


(この女をついに屈服させてやった! 屈服させてやったんだ!! ざまぁみろ!)


 思えばこの婚約者の女と第二王子は常に比較され続けていた。


 子供の身でありながら救済作物であるサツマ芋の作付けを急速に広げ、イモ女と罵っていたところ、そのイモの普及により多くの領民から慕われ、さらに肥料などの作付け方法を国中に広めたことで徐々に全土国民からも慕われていくティアラ――


 それに比べて第二王子には何の実績もない。


 ただでさえ第一王子である勇者との差は歴然にあるにも関わらず、勇者でもない、ただの女であるティアラよりも下であるということが、第二王子にはどうにも我慢が出来なかった。


 そして学園の中では学業でも、魔法でも、第二王子はティアラよりも下であった。唯一戦闘関係はティアラよりも上ではあったが、ティアラは女性である。そこで勝ったとして何になるというのであろうか――


(さて適当に追い詰めてたっぷり屈辱を与えた上で、適当に許しを与えてでもやるか。俺は寛大だからな――)


「速くしないと――、もしかしたらサウスフィールドが滅ぶかもしれない。下手をしたら人類が滅びるかもしれないというのに、どうして――、私がそんなに憎いの? 何だってしてあげるから! お願い――」


 大粒の涙を流すティアラに第二王子はますますその暗い欲望を膨らませる。

 もしかしたら、このまま土下座などもさせることができるかもしれない。


 だが、どういうことだろうか。

 そこでようやく、第二王子は疑問に感じる。


 プライドの高かった彼女がここまで訴えるのはなぜなのか?

 それに、国が滅ぶ? 下手したら人類が滅亡する?


 一体どういうことなのか――


「そ、それはどういう――」


「分からないの? もしも私たちロングステート公爵家と魔王ベルとの取引が真珠湾という土地で襲撃されたら? または、このキョ―の都を襲撃されたら? このままならキョーの都は火の海にされることは間違いないでしょうね」


「な、なんだって? 一体それは誰がやるというのだ!」


「真珠湾は騎士団が、キョーの都は勇者が滅ぼすのよ――」


「そんなわけがあるか! 騎士団はともかく、あの勇者だぞ? 兄上なんだぞ? その根拠は? そんなことを言う手前、なにか証拠でもあるのか? もしもなければ不敬罪で――」


 その質問にティアラは答えることができない。

 だからこそ、ここまで言うことが出来なかったのだ。

 それは西鳩(セイ・ハートオフラインで得た知識であり、この世界ではまだ現実となってはいない事象であった。

 従って今持っているものは実際問題としてティアラの心証だけであり、具体的な証拠をティアラは持っていない。

 もしかすれば暗部の人間は持っているのかもしれないが、そのようなものを暗部の人間がティアラに渡す訳もなかった。



 そして、そんな言い争いもここまでのようである。



 勇者たちが――突入してきたのだ。


 赤き血の惨劇はここから始まる――


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