表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/63

これにはきっと、《どくしゃ―》さまもお喜びになることだろう


「<ステータス・オープン!>」



「は?」


 ブラックロータスはおもわず間の抜けた声をだしてしまった。

 この乙女ゲームはいつの間にRPGと化してしまったのだろうか。


 しかしラララの目の前にはウィンドウのようなものが広がっており、何か文字が浮かんでいた。


(もしかして――私にもできるかも?)


 ブラックロータスは試しに詠唱してみた。


「<ステータス・オープン!>」


 ブラックロータスがその詠唱をすると、なんとラララと同じように目の前に半透明のウィンドウが表示されているではないか。



▼ブラックロータス・サウスフィールド(本名:香川健実)

レベル:A+(育成済、総合12,151、種族:人間)

クラス:メインヒロイン lev.120

速度:A+ (988)+8%

耐久:B+ (748)+8%

腕力:A  (880)+7%

根性:C+ (522)

賢さ:B+ (789)+7%

対地:A、対空:A

接触:F、近接:A、中距離:A、遠距離:D

逃げ:G、専攻:A、刺し:A、幸運:E

保有スキル:

・(虹)OBS lev.1

・(金)イラストレート/サムネ作成

・(金)狙うは最前列!

・(銀)ボイスチェンジャー

・(緑)全言語理解

・(緑)アイテムボックス

・(緑)ステータス表示

称号:

・異世界人

西鳩(セイ・ハートオフラインIXメインヒロイン

 ※旧作:追加パッケージなし





(なにこれ……、どういうこと?)





 どうも好きだったゲームのステータスとリンクしているように見えるが、少なくとも西鳩(セイ・ハートオフラインからの仕様をあまりにも逸脱している気がするのは気のせいだろうか。


 《どくしゃー》だったら喜ぶだろうが、あまりにもその違いに驚く。


 気になる点としては、旧作の表示があることだろうか。追加パッケージなしとの記述もある。

 もしかすると、異世界転生されてからバージョン等が上がっているのかもしれない。それとも育成RPGとしてスマホゲーでも出したのか?

 西鳩(セイ・ハートオフラインといったビックIPについては、さらに収益を稼ごうと追加パック――通称DLC――が出ることは最近の潮流では主流だ。

 したがってある程度まではシナリオは同じなのかもしれないが、途中からすごく変更の入ったものが出てくるのかもしれない。


 特に気になるところとしては悪役令嬢さん系パックの追加か。彼女の人気が非常に高かったからだ。

 彼女関係で何かが出てきたとき、シナリオが根本から変わっている可能性は無きにしもあらずといったところろだろう。


 自身のステータスを眺めているとラララが声を掛けてきた。

 なぜか涙目である。


「うぅ~黒ちゃーん。友好度って見れるには見えるのけどぉ。ハンスくんの私への有効度がやたら低いんですけど! やたら低いんですけど!」


 ハンスくんって誰やねん。

 いや、言われて思い出した。


「ハンスくんってMOBじゃん。ただの用務員のおっさんじゃない?」


 確か、ストーリーの始めにブラックロータスにちょっかいを掛けて攻略キャラたちにぶっ飛ばされたり、国境に逃げた悪役令嬢を捕まえてあれやこれやするというMOB中のMOBではなかっただろうか? 悪役の立ち回りであるがゆえに分かりやすいキモ顔に描いた気がする。

 そんな男のことをなぜ魔王ラララは気にしているのだろうか。


「そうですよぉ。黒ちゃん! ハンスくんは私の婚約者なのです!」


 恥ずかしがるラララに対して、ブラックロータスは不安に思う。

 あれ? やっぱりそんな設定あったのだろうかと。シナリオの強制力はどこに行ったのだと。


 確かにお助けキャラのラララに対する婚約者の情報などは西鳩(セイ・ハートオフラインには無かった。だからといって、あんなおっさんをこんな美少女の婿にするとかありえないのではないだろうか?


「そうだ。黒ちゃんとハンスくんの友好度を高めるために、これなんかどうだろう? じゃじゃーん 『宿泊付きお食事券ん!』 これを黒ちゃんにあげるぅ!」


「いらないわよ! そんなの! そんな確実にトラップなお食事券って……」


「えー。黒ちゃん! とーっても気持ちいいのにぃ」


 ブラックロータスはなぜだか頭痛がしてきた。

 どうやら、何かシナリオに破綻があるように見える。

 どこからそれは始まったのか――


「いや、そんな強制的に気持ちよくなっても……、ねぇ」


「そう? いいと思うけどなぁ。あー、それからこっちは黒ちゃんの結果ね」


 そう言いながら、ラララはブラックロータスに対してあるウィンドウを見せてきた。


 そこにはブラックロータスと第二王子との友好度が10%という数字が見える。

 この友好度が100%になると最高値となり、選択肢を間違えない限りエンディングルートを迎えることができる。

 この友好度は60%くらいでもハッピーエンディングを迎えることができ、なるべくギリギリの低い数値で、なるべく多くの推しキャラを少ないセーブ&ロードで攻略するRTA的な楽しみかたもあったりした。他にも全100%のハーレムルートを狙うなどだ。

 ブラックロータスとしては男相手に逆ハーレムを狙うとか、一体どういう頭をしているのか思うこともある。だが乙女ゲームならば許される。なぜなら乙女ゲームはファンタジーなのだ。

 だから多少攻めても問題ないとして、今日も今日とて全ルート制覇を目指しブラックロータスは殺されまくるのだ。


 ――それはともかく、現時点では第二王子以外の誰のルートも立っていないようだった。少しだけホットする。

 変なところで変なフラグが立っていたらたまったものではない。いつ死ぬか分からないのだ。



(それではさて、どうするか……)



「えーっとね黒ちゃん、こんな機能があるってことを教えてくれた黒ちゃんには、植物園の無料入場チケットか、劇場の無料入場チケットをあげようと思うのだけれど、どうでしょう? いります?」



(確か植物園に行くと魔王の息子との接触が、劇場に行くと単純に王子との逢瀬で好感度があがるイベントだったかな……)



 さすがに『宿泊付きお食事券!』は要らないが、それらのチケットは欲しいとは思う。

 今後の攻略のために。


「両方ちょうだいっていうのはダメかな?」


「それは黒ちゃん。ダメだよぉ。だってハンスくんとデートするときに黒ちゃんと鉢合わせしないようにこの券を渡すのだから」


(なるほど。そんな設定だったのか――)


 ブラックロータスは、お助けキャラとして気前よくチケットを渡すラララの動機が少し分かった気がした。


「なら植物園のチケットが欲しいかな」


「なるほど。植物を知るのは良いかもしれないね。じゃぁ来週は劇場をハンスくんと楽しんじゃおっかな――」


 特に魔王の息子との接触は今後の展開を考えると必要だ。


 なにしろ今後の展開では魔王ベルの侵攻イベントが発生し、開国か攘夷かを迫られるのだ。

 ここで魔王の息子を引き込んでおくと、生存率がかなり高くなる――






======================


参考:魔王ラララのステータス:


▼ラララ・ベルフェ

レベル:A+(育成済、総合14,288、種族:非公開)

クラス:非公開 lev.120

速度:S+ (1062)

耐久:B+ (707)

腕力:B  (663)+20%

根性:C+ (413)

賢さ:SS+(1200)+10%

対地:A、対空:G

接触:E、近接:B、中距離:A、遠距離:A

逃げ:F、専攻:A、刺し:A、幸運:F

保有スキル:

・(虹)レッツ誘い受け! lev.5

・(金)鑑定

・(金)魔物の支配者

・(緑)全言語理解

・(緑)アイテムボックス

・(緑)ステータス表示

・(緑)ステータス偽装

称号:

・非公開

・非公開

・非公開

・非公開

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ