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今日はどっちにする? 上になる?/それとも下?

 サウスフィールド王国、貴族の学園の寮の一室。

 ラララとブラックロータスの二人の美少女は、部屋にあるベットを仲良く見つめていた。


「それで――、今日はどっちにする? 上になるぅ?/それとも下ぁ?」


 ラララは顔を赤らめベットを指さしながら更なる質問をしてくる。


 このベットは2段ベットであり、ラララはどちらの段を使用するか聞いてきているのだ。

 貴族の個室であれば2段ベットなどはないが、いかんせん2人の現在の身分は平民である。そのような贅沢は効かないものであった。


「上で、上でお願いします――」


「そう分かったわ。じゃぁ私は下を使わせてもらうわね」


 そういって、ラララは下の段のベットに寝そべった。

 さすがに疲れたのだろう。


 試験は簡単だったとはいえ、めんどうであることには変わりが無かった。


 ちなみに、ここで下の段を選んだ場合、後で好感度の高いキャラから夜這いイベントが発生し、ルートによっては一線を超えることもあるので注意が必要だ。


「ところでラララさん――」


「ん? なぁに? 黒ちゃん」


「もしかして――、ラララさんって好きな人との好感度とかって見ることができる?」


 ブラックロータスは思わず聞いてしまった。

 しかし、これは避けては通れない問題だ。


 できないであればできないとして構わないが、もしも相手の好感度を知ることができれば攻略キャラに対して優位に運ぶことができる。その利用価値は計り知れないことだろう。


 そんな質問に対し、ラララの雰囲気が一転した。

 がばっと、ベットから起き上がる。


「あれ? 黒ちゃん――。あなた、どこまで知っているの?」




(しまった。地雷を踏んでしまったか――)




 もし実際にこの現実となった世界で、相手の好感度を知ることが出来ない場合、ラララはブラックロータスに対してどう思うか、ということを失念していた。


 少なくとも《鑑定》持ちであることを知っていることを宣言していることに他ならないか?《鑑定》を保有しているのであれば、そういうことができるのでないかと。


 または、魔王ラララであることを知っていると思われたか?

 下手をすると魔王の存在がばれないように――消されるかもしれない。



「ねぇ。黒ちゃんってば、《鑑定》スキルとか持っていないのにどうしてそんなことを知っているの?」


「いやほら。私実は王族の一員だったりするから……、まだ認められてないけど……」


 苦し紛れの言い訳をブラックロータスはするが、それにラララは首を振った。


「嘘よね。王族って第二王子と結婚でもしない限り無理でしょう? あぁ、将来第二王子口説き落とそうってこと? あぁ、だから好感度を――」


 ますますラララからの圧が強くなる。

 それにブラックロータスは耐えられなかった。


「ごめんなさい。本当のことを言います。私、異世界転生してこの世界に来たの」


 本当のことをブラックロータスは喋り、その言葉にラララは目を見開く。


「え!? 異世界転生者! 勇者以外で初めて見るよ! なるほどねぇ! ――あ。いま《鑑定》で見させてもらったけど、確かに異世界転生者って称号にあるね!」


 納得するようにラララは頷いた。


 妖しい威圧するような気配がラララから霧散する。

 ブラックロータスは重苦しい雰囲気から解放され、ほっと一息をついた。


「好感度を知ることができるっていうのも異世界からの知識なのね?」


「そう。だから異世界での知識でラララさんのことを知っていて――」


「なるほど! ちょっとやってみるね――」


 そこで、ブラックロータスは小説家になろうでおなじみのあのセリフを聞いて、驚愕に目を見張ることになる。


 これにはきっと、《どくしゃ―》さまもお喜びになることだろう。






 そのセリフとは――


「<ステータス・オープン!>」


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