第333話 最終章に向けた主な登場人物紹介②
ランドン=アスター帝国、東方諸国編です
本作では描かれていないローレシア側の話もまとめましたのでご参考まで
あと④東方諸国関係者は、今後のエピソードに関わってきます。
③ブロマイン帝国(ランドン=アスター帝国)
■ 帝国軍関係者
ネルソン総大司教 58歳
元特殊作戦部隊司令官で階級は大将。シリウス中央教会総大司教に就任し、新帝国誕生と同時に帝国軍を退官した。クリプトン家の遠縁であり、ネルソン伯爵家当主。
かつてはボルグ中佐とともに、南方未開エリアでの亜人種との交流を職務としていたが、特殊作戦部隊の司令官への昇進にともないアージェント王国との戦争の前面に立つ。そして腹心のボルグ中佐をアージェント王国に潜入させたのだが、彼から報告されるアージェント王国の実態を知ることで融和派へ転向した。
その後、偶然アルトグラーデスの地下神殿に転移したアゾートたちとの邂逅をきっかけに、融和派皇女リアーネを旗頭にしたクーデターを挙行する。そしてアージェント王国との同盟を結ぶと、クロム皇帝の生存という幸運に後押しされ、主戦派貴族を打倒して融和派クーデターを完遂させた。
リアーネ・メア・ブロマイン(風、土、闇、250)24歳
ブロマイン帝国皇女でクロムの腹違いの姉。母親はブロマイン分家のバイエル侯爵家。
クロムとの帝位争いに敗れて、処刑される代わりにフィメール王国の野心家・キュベリー公爵家の嫡男の嫁として送り込まれた。
2年間の結婚生活で子宝には恵まれず、フィメール内戦でキュベリー家が滅ぼされてクロムに処刑されそうなところをローレシアに助けられた。
以降、ローレシアを主君として仰ぎつつも妹のように溺愛していた。
ダゴン平原の戦いでのクロム戦死の報を受け、帝国融和派皇族としてネルソン大将に新皇帝として担ぎ上げられた後は、その辣腕をいかんなく発揮。
主戦派貴族ヴィッケンドルフ公爵と新皇帝のマルクを先制攻撃して帝都ノイエグラーデスから追放。腹心のバイエル宰相やネルソン大将の部下のボルグ中佐、同盟に基づきアージェント王国から派遣されたアゾートたちとともに、帝都ノイエグラーデスを拠点に主戦派貴族との内戦を最後まで戦い抜いた。
帝国内戦勝利後はアスター家に養子として迎え入れられ、皇族としての公務を行いつつ夫となったアルフレッドと幸せな家庭を築く。
【Subject因子:風0.2、土0.2】
バイエル宰相 42歳
ブロマイン皇家の分家バイエル侯爵家の当主。
リアーネの叔父にあたり、彼女の融和派的な考え方に影響を与えた人物。
ネルソン大将のクーデターにリアーネとともに参加して彼女の補佐役として帝国宰相に就任。ボルグ中佐やアゾートたちとの定例軍議に参加しつつ帝都の内政を一手に引き受けていた。
新帝国においても引き続き宰相の任につくこととなりクロム皇帝とともに内政を担当するが、早速クロムにこき使われている苦労人。
ヘルツ中将 55歳
元アージェント方面軍司令官。ヘルツ子爵家当主で元主戦派貴族。
アゾートたちボロンブラーク騎士学園とフィッシャー騎士学園の最強騎士決定戦に巻き込まれ、ダゴン平原での戦線を大きく後退させてしまったことで、勇者部隊の投入が決定された。
その後の主戦派と融和派による帝国内戦の勃発、ダゴン平原からのクロム皇帝生還を経て、皇帝と共に公爵領ブラウシュテルン攻略の主力として進軍し、融和派の勝利を確定させた。
戦後は大将に昇進し、軍務大臣となった。
ボルグ中佐(火、風、雷、闇、450)44歳
帝国特殊作戦部隊工作員隊長。
本名はアッシュ・クリプトンであり、かつてのアージェント王国クリプトン朝の王家の末裔。クリプトン家は帝国貴族ではなく、シリウス教会に保護されて代々枢機卿を輩出する家門となり、祖父はシリウス教会総大司教のミスト、父は枢機卿のブロック。
幼少時はカルが祖父ミストに引き取られてクリプトン家で同居していたが、早くに家を出て南方未開エリアの探索をするために帝国軍特殊作戦部隊に入隊した。嫁はエルフの族長の娘。
アージェント王国潜入後は、ネスト大尉、ゾイル大尉、デルト中尉と配下の工作員たちとともに諜報活動と破壊工作に辣腕を奮う。
特にソルレート領の平民たちを教育・扇動してソルレート革命政府樹立を後押ししたり、4侯爵家の不満分子を焚きつけて反乱を起こさせ、さらには王国中の新教徒に破壊工作を行わせることでアージェント王国がダゴン平原に戦力を集中できないようにした。
その後ネルソン大将とアゾートの同盟締結により王国での潜入活動を終えたボルグ中佐は、今度は帝国内の主戦派貴族との戦いの命を受け、アゾートとともに帝都ノイエグラーデスを拠点に暗躍する。
帝国内戦勝利後は2階級特進して准将に、部下たちもそれぞれ1階級昇進した。なおアゾートは年齢不相応な階級がむしろ邪魔になるため、帝国内では引き続きアーネスト中尉を名乗ることになった。
【Subject因子:雷0.5、闇0.3】
■ クリプトン家
ブロック・クリプトン
ボルグ中佐の父親で商都ゲシェフトライヒの領主であり、商業ギルドを始めたした複数のギルドを牛耳る総帥。自身も帝国最大の商会の会頭でもある。シリウス教会壊滅と共に枢機卿の地位を失った。
ボルグ中佐曰く一言で言えば守銭奴であり、アージェント王国との戦いもカルやミストのような特別な思い入れがあったわけではなく、どうせ商売の一環でやっていただけだろうとのこと。
ルカ・クリプトン(火、土、雷、光、250)18歳
ミカ・クリプトン(火、風、雷、光、220)18歳
モカ・クリプトン(水、土、雷、光、220)18歳
アージェント王国・クリプトン侯爵家令嬢。ミカとモカは従姉妹で常に3人一緒にいる。
このクリプトン家は、ボルグ中佐たち王家の末裔が再びアージェント王国の王位の正統性を主張できないよう、当時のクリプトン家分家を王朝正統後継者と認定された家門。そのためアージェント王国の王家とは婚姻を結べないなどの政治的制約が課せられている。ただしメルクリウス家が独立王国を建国したため、メルクリウス家との婚姻は自由になった。
ルカたちの目的がメルクリウス家に嫁に入ることだったため、ブロック・クリプトンとその本家筋を破産させて家督を奪い取る必要はなくなったものの、そのままゲシェフトライヒに残って貿易商を営んでいる。これはアゾートの母マミーが、3人のうち最も財力のある娘をアルゴの嫁とすると言ったためで、新たな戦いが繰り広げられていた。
【Subject因子:雷0.4~0.5、闇0.1~0.2】
■ ランドン=アスター帝国皇家
クロム・ソル・ブロマイン(火、水、土、雷、闇、450)21歳
ランドン=アスター帝国の若き皇帝。
帝国の名門貴族ランドン侯爵家出身の母と実の姉妹が2人いるが、母とその兄のランドン侯爵はすでに死亡。現在はクロムがランドン大公家当主を兼任している。
ブロマイン帝国の帝位につくために帝国元老院議長ヴィッケンドルフ公爵と早くに手を組み、ライバルの皇族たちを次々と打倒して皇帝となるなど、勝つためには手段を選ばない冷徹さを持つ。
皇帝就任後は、東方諸国の最前線に位置するフィメール王国を属国にするため、政敵であった皇女リアーネと皇女マリンを政略結婚の駒として送り込んだが、フィメール内戦勃発と武装中立国家・魔法王国ソーサルーラのまさかの介入、その先兵の大聖女ローレシアの電光石火の進軍により属国化構想が瓦解。
フィメール内戦にはなんとか勝利をするものの、対東方諸国戦略を変更せざるを得なくなり、強力な魔力を持つローレシアを自分の配偶者として取り込もうと考えた。
だが折しも魔界門(ダゴン平原)で魔族のスタンピード(アゾートがソルレート攻略のために邪魔だった帝国軍補給基地をエクスプロージョンで焼き払った事件とその後のアージェント国王の王命による帝国への逆侵攻)が発生し、最前線のヘルツ中将から勇者部隊投入要請を受けたことをきっかけにローレシアに6番目の勇者部隊を組織させ、自身もメンバーとして名乗りを上げた。
そしてダゴン平原での一連の激戦や勇者レオンハルトたちの裏切り、ディオーネ領での長いリハビリ生活を経験し、ローレシア(ナツ)とその仲間たちに強い仲間意識を抱くようになっていた。
逆に帝国簒奪を企てた主戦派貴族たちに怒りを燃やすと、特殊作戦部隊のネルソン大将が結んだアージェント王国との同盟に参加し、アウレウス伯爵やヘルツ中将らとともに主戦派を打倒するための作戦を立案。
自身も帝国軍アージェント方面軍を率いて進軍し、アージェント王国軍、東方諸国連合軍を含めた大連合で敵の首魁のヴィッケンドルフ公爵とその領地ブラウシュテルンを包囲、帝国内戦に勝利した。
その後ローレシア(ナツ)と結婚し、ランドン=アスター帝国を建国した。
【Subject因子:土0.8】
ローレシア・アスター(全8属性、1170)18歳
ランドン=アスター帝国の若き女帝にして魔法王国ソーサルーラの大聖女。
アゾートの測定によると、魔力値1170は人造人間Subjectsの持つ理論限界1000を超えている。
まさに正真正銘の怪物だが、その容姿は透き通るような白い肌に金色の長い髪と緑色の大きな瞳が特徴の絶世の美少女。ただし貧乳。
実は本来のローレシアの身体に日本からの転生者・立花ナツの魂が同居するという変則的な異世界転移者であり、2つの魂の存在によって魔力が異常な高さを示していた。
史上最強とも噂された帝国軍・ローレシア勇者部隊を率いてダゴン平原でのアージェント王国との戦いに参戦。味方の勇者部隊に足を引っ張られながらもメルクリウス軍やアウレウス公爵家と最後まで戦い抜き、勇者アランの犠牲により全員が戦場から離脱。
ネオンの案内により、ディオーネ領で傷を癒した後は東方諸国連合軍を結成して帝国主戦派に宣戦布告。難攻不落のガートラント要塞を無力化させて、ヴィッケンドルフ公爵領ブラウシュテルンを包囲。
また自身は、シリウス教会総大司教のカルと、その狂信者軍団を壊滅させて戦争の元凶を絶った。
現在は新帝国の共同統治者として主に外交と軍事を担当し、大陸の恒久平和を実現するために7家融和戦略を提唱して、その実践に取り組んでいる。
【Subject因子:光0.9】
アナスタシア・アスター(水、風、光)39歳
ローレシアの実母。
アスター分家中で最強の魔力を誇り、成人と同時に本家アスター侯爵の正妻となった。その後、長女ローレシア、長男ステッド、次女フィリアと続けて出産するも、ローレシアにばかり教育費をかける夫イワンとの関係が冷え、二人の子供とともに家庭内別居状態となる。
その後、エリオット王子による婚約破棄とローレシア暗殺事件、キュベリー公爵家によるアスター領乗っ取り騒動からフィメール内戦勃発という戦乱に巻き込まれ、ステッドとフィリアという2人の子供を失う代わりにローレシアとの関係を正常化、自身も正気を取り戻した。その後はローレシアと皇女リアーネを娘として溺愛し、三人で同じベッドで眠ることを新たな習慣とした。
夫のイワンとは、ともにローレシア勇者部隊のメンバーとして最前線で戦う中、ポアソン領で夫婦仲を取り戻してその後妊娠が発覚。
ローレシアに罵倒されながらも、無事出産した。
【Subject因子:光0.8、風0.1】
イワン・アスター(水、風、光) 42歳
ローレシアの実父。
現アスター大公、元フィメール王国アスター侯爵。
眉目秀麗な容姿ながらもとても気が小さく、新鋭貴族のキュベリー公爵の餌食にされて領地を次々に奪われていく。さらにその公爵の罠にかかった娘のローレシアを家門から追放してしまったことで、修道院で暗殺されたあげくフィメール国王の怒りを買って伯爵位に落とされてしまう。
その後、アンリエットの死者召喚魔法とナツの異世界転移をきっかけに復活を遂げたローレシアにアスター家の家督を譲って引退。
そのローレシアが一気呵成でキュベリー公爵家を滅ぼしてアスター王国を建国すると、ブロマイン帝国皇帝クロムの要請に応じてローレシア勇者部隊が組織され、そのメンバーとしてアナスタシアとともに参加。
ダゴン平原でのアージェント王国との戦争を戦い抜き、アナスタシアとの夫婦仲を取り戻した。
ランドン=アスター帝国成立後は旧フィメール王国とアスター王国を帝国に併合させ、自らはその領地の大公となった。
【Subject因子:光0.8、風0.1】
④東方諸国出身者
ローレシアからの依頼に基づき、通信魔法・ユビキタスを使ってクラスメイトのカトレアを経由し、ローレシア侍女軍団の因子を推定した。もちろん入浴中ではないことを慎重に確認したため、これ以上嫁が増殖する事態には至っていない。
そして測定の結果、わずかだが全員に因子が含まれていたことにアゾートは大きな衝撃を受けたが、その原因は今のところ不明。
なお7血族の身体的特徴は以下の通りだが、Subject因子は劣性遺伝のため発現の仕方に大きなばらつきがあり、下記の女性たちの多くには明確な身体的特徴は現れていなかった。
火:白銀の髪、赤い瞳
水:薄紫の髪、水色の瞳
風:水色の髪、金色の瞳
土:赤い髪、赤茶色の瞳
雷:髪と瞳の色が変化する
光:金色の髪、緑の瞳
闇:金色の髪、青い瞳
■ アスター皇室侍女
マリア・ローゼス子爵・侍女長(29)
【風0.5】(髪色は茶色だが瞳が金色。独身主義者)
ノーラ・マックス男爵(26)【風0.1】
エレノア・レイモンド男爵(22)【風0.1】
■ 薔薇騎士隊所属
アンナ・マーブル男爵(24)
【風0.3、光0.1】(濃い青髪、青い目)
キャシー・リンドン男爵(21)【水0.2、光0.2】
ケイト・バークレイズ男爵(20)【水0.2、風0.2】
■ 魔法アカデミー生
ナンシー・バロット、M2(19)【水0.1】
カトレア・ブルボン、M1(18)【風0.1、光0.1】
(俺のクラスメイト。普通に可愛い)
エミリー・ガーランド、M1(18)
【水0.2】(爆乳。ローレシアに少し分けてあげて)
カトリーヌ・ド・ブリエ、M1(18)
【水0.3】(セレーネとエミリーの親友のレッサニア王国公爵令嬢。金髪だが瞳は水色で身体的特徴が一部出ている。なお彼女は侍女軍団ではないもの、アスター邸のセレーネの隣の部屋を割り当てられていたので、ついでに測ってみた)
ジェレミア・ポートレート、3年生(17)【水0.1】
シェリー・アップル、2年生(16)【風0.3】
スージー・アップル、2年生(16)【風0.3】
(青髪ショートの双子の姉妹)
次回より新章スタート
ご期待ください




