Prologue:日本一の里見ナイン
スポーツ青春ものです。
「あと一球! あと一球! あと一球! あと一球!」
横浜スタジアムは歓声と熱気に包まれていた。
全日本少年軟式野球大会。中学生の甲子園とも呼ばれるその大会の決勝戦で、なんと史上初となる完全試合を成し遂げようとしているチームがあったのだ。
その瞬間を今か今かと待ち兼ねるギャラリー。そしてベンチの選手。
横浜スタジアムは空前の盛り上がりを見せていた。
そして大きな声援と大きな期待を背に受けながら、ピッチャーは大きく振りかぶった。
バシィィィン!!!
「バッターアウトォォォ!!! ゲェームセット!!!」
バットは空を斬り、球はキャッチャーのミットに吸い寄せられていた。
立ち尽くすピッチャーの元に駆け寄るチームメイトら。
背番号二番、キャッチャー二葉。
背番号三番、ファースト三井。
背番号四番、セカンド四谷。
背番号五番、サード五十嵐。
背番号六番、ショート六浦。
背番号七番、レフト七海。
背番号八番、センター八木。
背番号九番、ライト九条
そして全国大会決勝戦という大舞台で、史上初となる完全試合を成し遂げた一番、ピッチャー一之瀬。
里美ナインと呼ばれる彼らはその技術、チームワークを持ってして全国の名だたるチームに勝利し続け、中学生史上最高のチームとまで言われたのだった。
この物語はそんな彼らが高校に進学してから始まるのである。
恋愛……でもない。学園のような………………うーん、青春orスポーツジャンルがあればなぁ。