幼き約束
2018.05.05誤字脱字修正
俺が小学一年生の時
俺 「また妹逹が俺のせいにした」
幼なじみ「何時ものことじゃん」
俺 「花瓶割ったの俺のせいにした」
幼なじみ「私の妹もそうだよ」
俺 「親はお兄ちゃんなんだからしっかりしなさいとしか言わない」
幼なじみ「私もだよ。お姉ちゃんなんだからって」
俺 「おやつははんぶんこにしても妹逹が横取りする」
幼なじみ「私の妹もそうだよ」
俺 「妹逹はよくおやつを落として台無しにするし」
幼なじみ「私の妹もそうだよ」
俺 「親はお兄ちゃんなんだから妹逹におやつを分けてあげなさいと言って俺の取り分を減らす」
幼なじみ「私の親もそうだよ」
俺 「妹逹は屁理屈こくし、注意すれば親に泣きつく」
幼なじみ「私の妹もそうだよ」
俺 「俺の持っている物を欲しがる」
幼なじみ「私の妹もそうだよ」
俺 「あげるとすぐ飽きるとそこらへんにおきっばなし」
幼なじみ「おかたずけができないと私が叱られる」
俺 「俺も」
幼なじみ「姉妹ケンカするとお姉ちゃんなんだからやめなさいと叱られる」
俺 「俺も。妹逹の欲しがる物をあげないとケンカになる。そしてお兄ちゃんなんだからやめなさいだもんな。お兄ちゃんて損たな」
幼なじみ「お姉ちゃんも損だよ」
いつも愚痴の言い合いの後
俺 「大人になったら結婚しよう」
幼なじみ「お嫁さんになる」
俺が小学二年生の時
幼なじみの一家が仕事の都合で遠くに引っ越しした。
俺 「大人になったら○○橋の上で待っている」
幼なじみ「橋の上で会いましょう」
この時、離ればなれになる恋人が橋の上で再会を誓い合うテレビドラマがお気に入りで真似して別れ際に約束した。
俺は高校卒業後、就職した頃から暇さえ有れば橋の欄干に腰掛け幼なじみを待った。
よく子供をおんぶして目の前を通りすぎていく女性を見掛けた。
それを近所の主婦逹が噂していた。
高校在学中に担任の子を身籠り中退し、担任と結婚後、近所に引っ越しして来た。
旦那は近所の高校に再就職?した。
後、同い年であることも噂で知った。
二十歳になり成人式を終え背広姿で橋の欄干に腰掛けて幼なじみを待って居たらいつも子供おんぶしていた女性が子供の手をひき目の前で止まった。
「いつ気付いてくれるのかと思ってドキドキしながら前を通っていたのにとうとう成人式を迎えてしまったね」
幼なじみは笑顔で俺に言った。
女性不信継続中
続編あり