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そして少女はマッチを置いて去る

こんばんは。

KURAです。

今回はマッチ売りの少女さんですね。

今回は前回と書き方が少し変えましたので。

では、どうぞ。

……皆様こんばんは。

私はかの有名な童話のマッチ売りの少女です。

……え?

マッチ売りの少女はこんな始まり方しない?

……本当の事を言いますと。

私は俗に言う転生者という者でありまして……。

……だから私を待ち受ける結末も知ってるんですよねぇー……。


「……どうしよう。まだ死にたくない……。死んだけど」


……私は転生したので一回死にました。

過労死ってやつです。

……私……このままだと仕事で二回死ぬことになる?

かごからマッチを出して呟く。


「これでバッドエンド、回避できないかなぁ」


……ちょっと燃やしてみよっと。

ボッと音をたてて、明るく燃える。

……あぁ、タイムカードだー。

アハハ~、残業する前にやらなきゃー。

っているかぁ! こんなもん!

マッチを落として、ゲシッゲシッと踏みつける。


「はぁ……はぁ……ま、待て。私は社畜ではないはず。た、たまたまでしょ」


またボッとマッチが音をたてて、燃える。

あぁ、クリスマスツリーだぁー。

普通だー。

……あぁ、クリスマスツリー最後に見たのいつだっけ?

お婆ちゃん(前世の)が死んじゃった時かな。

……お婆ちゃんが死んだって聞いたのもこんな寒い日だったなぁ。

お婆ちゃんが死んじゃう前に、一度会いたかったなぁ。

峠の時、帰りたかったなぁ……。


「グスン。……つ、次……次見てみよう」


フッと息で消すと、思遺出が煙となって立ち上っていくような気がした。

……ふぅ。次見てみよっと。

暗くなった気分を明るくするように火をつける。


……なんで、なんでコレが見えるかなぁ。

かけがえのない親友から貰ったぬいぐるみ。

大事にしてたけど……ね。

燃えちゃった。

疲れてたのかな。

大事なぬいぐるみをストーブの横において寝ちゃうなんて。

起きた頃にはもう燃えかす状態。

……辛かったなぁ。

ただでさえ仕事で心がきつかったのに。

追い討ちみたいに、なくなっちゃって。


「……はぁ。次々」


辛かった記憶を消すようにフッと火を消して捨てる。

そして火をつける。

次こそは幸せなものを見たいよ。


火をつけるとそこには親友の遺影が浮かび上がった。

……。


「……」


親友は同僚だった。

元同僚だった。

教えてくれた唯一の上司だった。

あの人だけは、会社のなかで私を裏切らなかった。

あの人だけは私を辞めさせようとした。

あの人は、私の闇を照らしてくれるマッチの火だった。


……。


「彼女は、彼女だけは、あの会社にいてはいけなかった」


次のマッチに火をつける。

彼女のマッチは手であおいで消してから。

すると幻影が現れた。


……親友だったらとっても良かったんだけどね。


「課長、何してるんです?」

『……』

「喋らないんですか。……殺しますよ?」

『……』

「……死ねよ! クソ課長!」

『……』


殴っても当たらない。

幻影だから。

でも殴らずにはいられない。

……こいつは私を、私達を殺した人。

間接的にだけど。


「……さようなら。課長」


火を消す。


「……覚めちゃった。幸せな夢から。私、期待しちゃったんだね。前世みたいな最悪な死にかたよりら幸せな死にかた。幸福なバッドエンド。……でも、もう覚めちゃった」


さようなら、マッチ売りの少女さん。

私はマッチ売りの少女じゃない。

私は町田里奈。


「……マッチも、もういらない。私は、私のために生きる」


嘘だって吐くし、手段も問わない。

……さぁ、次の問題だね。


「さーて、売り上げをどうやって誤魔化そうか」



こうして一人の詐欺師は産声をあげた。

いやー、何故こうなったんでしょう。

まぁ面白くできたかはわかりませんが自分的には面白く設定できたと思います。

では、皆様。

さようなら~

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