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鉄と血と叡知によってのみ、我々は平穏を赦される‐12

さて、会議は踊らず粛々と進みますよ。


ベルゲン側は割と順調なようで………はい、ごめんなさい嘘をつきました。


細かい調整ですが、ウチの人員と日本側とバッチバッチやり合って、血圧を上げたり下げたりしてます。


この短時間でものごっつ窶れてはる。


………何というか、すごいのである。

日本側のはぐらかしテクニックが。

こう、期限とかをはっきり決めなかったり、明言を避けたりして、思うように進まない。


こっちは、向こうの満額回答寄越したのに何故?

………と、思わないでもないが、誰だって負担は少なく、利益は多くしたいから、ここで色々粘りたくなるのも分かる。

だからといって、こっちも引けないけどね。


こんなときに、皆が納得できる様なスマートな提案をバッチリ出来ればカッコいいんだけど、残念ながら俺はそんなにスマートな人間では無いのです。

そして、思い付きで言ってしまうと、ベルゲン側がそれに従わなくちゃいけなくなるからね。

俺が言ったことが、間違っててもお構いなしに。


………これが身内だけの話し合いだったら、俺に苦言を呈しても問題ないんだけどなぁ。

ま、そんな今さらどうしようも無いことを考えても、それこそどうしようも無いのだが。


では、会議がどんな感じで進んでいるか、ちょっと聞き耳たてて見よう!


「………では、こうしましょう。ベルゲン王国国内に、自衛隊の拠点を三ヶ所全て設けるのは20年先を目処に………」


「ふむ、では、最初はフェールデン国境付近のラライノフより、マークランドを近郊を最初に………」


とりあえず、国防に関する件は、何とか軟着陸に成功かしら?


「では、次に資源調査団受け入れについてですが………」


「先程のマークランドを、調査団の拠点として開放致しましょう。沿岸の都市なので、日本の方々にとってもそちらの方が都合が良いでしょうから。」


「そうなると、海側から順次調査を行う形となりますね。いかがですか、教授?」


「地球とはまた違った法則があるかもしれないので、なんとも言えませんが、何かしら有益な資源が発見できるのは、やはり内陸部………それも山間部の方が期待はできます。とは言え、後々の大規模機材の搬入などを考えると、やはり海側に拠点があった方が………」


「であれば、やはりマークランドで決まりですな。内陸部の調査ですが、そちらから指定を頂ければ調査を希望される地点近隣から案内人とベルゲン王国常備軍から護衛も出しましょう。ただ、出来れば万全を期すためにも日本国の自衛隊にも護衛をお願いしたいところではあります。」


「………陸上自衛隊としては問題はありませんが………その、よろしいので?」


「何、今回の同盟で決まることですし、法的には問題ありません。住民感情等につきましても、此方の常備軍が居れば問題ないでしょう。」


「い、いえ、それも問題なのですが………」


「………あぁ、我々の面子を心配して下さっているのかな?であれば問題ありません。こう言っては何ですが、ベルゲン常備軍は皆そう言ったことには拘りません。先程のそちらの教授のお話ですと、山間部での調査が大いにありうるようですし………見通しの悪い山中では何が起こるか分からないので、今回は特に念を入れる必要が有ること、一兵卒に至るまで理解しているでしょう。」


うむ。

ボトルネックを過ぎればまぁ、こんなものだったりする箇所もある。


「マークランドでの日本人の扱いですが………」


「そうですな………そういえば、日本人の方々は、マークランドでの商業活動については?」


「………現状、我が日本国内におけるベルゲン王国への注目は非常に高まっております。勿論日本政府としても最終的には許可を頂けると非常にありがたい。しかしながら、法整備等も必要ですので。」


「ふむ、喫緊に商業活動を行わないのであれば、マークランドの一部地域を貴国へ貸し出し、そちらでは日本の法の下に色々と動かす方が、安全上も宜しいかもしれませんな。であれば、その土地を借りていただくにあたって、このくらいの租借料を………」


「えー、あー………こちらのマークランドですが、見たところ、我が国の船が停泊する為には、どうしても港湾拡張が必要なようです。そちらの施工費をこちらが全額受け持ちますので………」


「………該当地区返還後に、施工費用等の経費をベルゲン王国に請求しないと言う形であれば、このような形でも構わないのですが………」


「………それであれば、港については、租借地区から外していただき、開発援助と言う形で港を使わせていただければ………」


………こっちは、結論が出るまでにもうちょっと時間かかりそう。






と、大体こんな形で会議は進んでいった。

決着がついたのは、俺達の帰国の直前でした………いや、幾つか持ち帰って検討します的な案件があるので完全な決着とは言えなかったがね!

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