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我が国は、貴国の脅迫に決して屈しない‐16

さて、我が国ベルゲン王国が日本に提案した自衛隊駐ベルゲン案ですが………


当然のごとく失敗しました。


「失 敗 し ま し た 。」


………まぁ、当たり前であるのだけれども。


そもそもこの案、相手にとっては寝耳に水。

よっぽど強固な信頼関係が構築されているか、国の中枢にまで深く入り込めるような伝手がないとまず成功はせんだろうしね。


まあ、ベルゲンの存続にかかわる案件というだけではなく、日本が今後この異世界と、「どう関わって行くか」という結構大きな問題なんだから。

そりゃ、日本側の政治家も大慌てになるでしょうよ。


だって、支持基盤となる人たちがどう考えているかが不透明に過ぎるもの。


保守的な考えの人たちは、海外派兵なんてごめんだっていうだろうし。

改革派の人たちは、派兵すべきだろうし………


え?逆じゃないかって??


まぁ、前世で政治に疎かった俺だしね。


保守派=従来の姿勢を保ちたい人たち。これまで通りで、豊かになれるやろ。

改革派=古い物より新しい物の方が豊かになれるやろ。


って考えで動いているんだろうくらいしか理解していません。

まぁ、これはあくまでもベルゲン基準の考え方だ。

日本側で、彼らがどう自称しようがあまり関係ない。


と、話がそれだが今回のベルゲンの提案が完全に失敗したわけではない。


日本が一発でこの提案を飲むとは、誰も考えていなかった。

と言うか、いくら此方の首脳部が腹を括ったからといって、即日で受け入れ体制が整うわけでもない。


むしろこの提案、一蹴されるのではなく日本に「持ち帰って検討」させ、「今後の日本進駐に向けての交渉パイプ」を作ったのだから成功………と言い張れない事もない。


では、なぜ俺が失敗したと判断しているか。


この提案そのものを、「然るべき時期」まで内密にする事になってしまったからである。


そもそも、この提案の目的は他国への牽制とそれによる時間稼ぎである。

提案自体が蹴られても、「フェールデンを打ち負かした強大な日本にベルゲンが急接近している。」


この情報で、他の国の動きを鈍らせることが出来れば此方としては問題なかったのだ。(国内の問題については見なかったことにしつつ。)


だがしかし!内密にされたんじゃ、そんなことはならない!!

そしてあの首脳部の熱血タイムは、黒歴史になりつつある。

本格的な黒歴史にしてしまわないためには、今後の交渉で結果を出さないといけない。


………もしも、前世にあったアジアの「あの大陸国」みたいにロビー活動が出来ればなあ。

しかし、勿論そんなネットワークをベルゲンが持っているはずもないので、今は正々堂々と日本との交渉を進めるしかない。

え?他国にそんなネットワークを今まで持ってなかったのかって?

忘れてはいけない。ベルゲン王国は、基本的に被差別民族なのだ。

数少ない例外たいの国民も、母国で何かやらかして国に居られなくなった者たちなのだ。

まともに機能しませんですよ、そりゃ。

聞く耳持ってくれる奴が居ないんだもん。



んで、今後の対日交渉に向けて俺達は次善策を取り敢えず打ち出した。

王様直属の対日研究機関を設立しました。

ここが具体的に何をするかというと………まぁ、まんま日本のあれこれ(技術力とか文化とか)を研究するためである。

研究して何をするかについては、

「今後の友好のためにも、国家規模で日本を理解するための機関」と日本を含めた外国には発表している。

因みに国内向けには「日本の技術力を、ベルゲンに取り込む為」と言う本音を、日本を含めた外国にバレてもあんまり問題無いようにふんわり優しい表現で発表しました。一応イチャモンつけられないようにね。


で、俺はこの「研究機関」を最終的に大学の様にしようと考えている。


だって、今ベルゲンにはまともな教育機関が無いからね!!

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