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我が国は、貴国の脅迫に決して屈しない‐15

さて、あのあとまた三卿の漫才が始まったりはしたけど、何とか意見は纏まった。


日本の行動については、理解を示すとともに支持をする声明。


そして、プラスアルファとして………かなりド派手な物をぶちあげる結果になった。なってしまった。


「………陛下、今何と?」


「うむ、我がベルゲン王国は貴国の今回の戦争については深く心を痛めておる。よって、この戦争については日本を全面的に支持し、我が国の軍港であるラライノフの自衛隊の使用を許可し、また、ベルゲン国内の自衛隊の通行を許可する!」


「………えっ?」


ポカンとする日本の使者さん。

そらそうだ、国交があるとはいえこんな軍事的協力とかについては全く話してなかったのにいきなりこれである。


いや、訳があるのだ。


あの会議で、俺が日本支持の立場を明確にしたら爆発した奴が居たのだ。


軍務卿である。

以下、そのぶっ飛び展開を紹介しよう。


「陛下‼正気ですか!?日本の支持を行うと言うことは、我が国の存続その物を脅かす事に他ならないのですぞ!」


「しかしだな、軍務卿。今、日本との関係を悪化させるのは悪手であるぞ?貴殿も日本と我が国………いやこちらの世界の間にある技術力差は、聞き及んでおろう?今後、日本はどのような形であれ他国とも接していかねばならぬだろう。そうなれば、彼らの技術は否が応でも、他三国へと流れてしまうだろうよ。そうなれば、国力で劣るベルゲンはじわりじわりと差をつけられ、必ず滅ぶぞ?」


「………ぐぬぬ。」


やだ、ぐぬぬ。ってリアルで言う奴が居たんだ!


「そうですぞ、軍務卿。我々には時間が必要なのです。力をつける時間が。ここは、如何にして日本の技術力を取り込み、他国と技術的な差をつけるかこそが………」


「………内務卿、それに外務卿!貴殿らは、どこまであの野蛮なる三国に無駄な期待をしておるのだ!此方が力をつける時間を奴らがみすみす見逃すはずもなかろうが!」


………それはまぁ、確かに。


「奴らは必ずや、発展する我が国、我が国土に侵攻し、技術を奪い、ベルゲンを亡きものとするだろう!遅すぎるのだ!それでは!」


「………では、どうするのだ?軍務卿よ。」


でも、日本非難案はとれんだろ?


「………これだけは、この手段だけはとりたくなかった。しかし、陛下の意志がここまで固いのであれば、致し方ありません。」


「………ん?何かあるのか?」


「軍部としては、日本の支持を行うと共に、日本軍への『ラライノフ軍港』の使用許可並びにベルゲン領内の通行許可を出すことを提案します。日本軍の力を以て、我が国を守る盾とするのです。」


え?無理だろ?


「バカな!そんなことをすれば、国が割れるぞ!国内の貴族はもとより、これまで他国に虐げられ続けていた民の全てが我らの敵となるぞ!!」


そうだ内務卿、もっと言ってやれ!!

ここで国内不安定化とか、死亡フラグ処か即死案件じゃぞ!!


「解っておる………解っておるとも。それについては、常備軍により国内の徹底監視を行い、反乱をの芽を出させない。」


「民に軍を向けると言うのか!軍務卿!!」


内務卿も顔真っ赤です。


「やるのならば、とことんまでやるしか無いと言っているのだ内務卿!」


「………軍務卿、宜しいですかな?」


「何だ外務卿!?貴殿も反対か!?反対なのだろうな!?私とて、こんな手段を提案するなどと自分の正気を疑………」


「いえ、軍務卿。行けるやも知れませぬ。」


えっ!!??

外務卿は賛成なの!?


「ただ、これについては、もし日本側がこの提案を飲まずに軍を展開する事が無かった場合、全ての前提が崩れる事を心配しているのです。その点については、どうお考えなので?」


「ふん、何かと思えばそんなことか。そんなもの、実際に来なくても問題は無いのだ。このようなイカれた許可を出すことで、ベルゲンの過剰なまでの親日姿勢を強調し、何かあれば日本軍が攻めてくるかもしれないという疑念を持たせることで、貴様らの案よりも、より長く、確実に時間を稼げる言うだけのこと。軍というのはな、どこも万が一に備えなくてはならないものなのだからな。」


「………陛下、外務としては軍務卿の提案に賛成であります。」


うぇべぁ………マジでぁ!?


「もちろん、この案を実行するとなれば、今まで以上に国内の統制を強化する必要があります。しかし、それを差し引いても得られるものは貴重なのです。」


いや、絶対ヤバイって。内務卿、何とか言ってよ!


「くっ、仕方ない。国内の統制については俺の命をかけて保ってやろう。軍務卿、外務卿約束しろ。必ずや、ベルゲンの発展に有益な物をもたらすと!」


「ふん、言われるまでもない。我が魂は全て祖国に捧げておる!」


「無能無能と、言われた外務ですが。命のかけどころは知っております。」


え?何で急に纏まってるの!?

何なの河原で殴りあって友情が目覚める見たいな超展開!!


「「「陛下、どうかこの案の採用を!!!」」」






で、冒頭に戻ると。


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