我が国は、貴国の脅迫に決して屈しない‐12
ベルゲン海岸線での戦争は、ボルストとのそれに比べると人的被害は少ない。
というのも、ダイアス=ロングランドの陸軍がそこまで大きくないため今回のように他を警戒しながらだと、上陸しての作戦をそこまで大々的に行えないからだ。
まぁ、やる気がある時はかの国の植民地から兵力がデリバリーされるのだけれども。
それはそれとて、今回の侵攻………まぁ、これまでの歴史的にその規模を表すと『ちょっかい』になる。
あれだ、前世だと『国境付近での小競り合い』くらいのお話にはなるんですが。
ベルゲンの戦死者1389人。
ダイアス=ロングランド側で500人前後(概算)である。
ボルストとのそれに比べると、大幅なスケールダウンとなっております。
まぁ、基本的海岸線に沿って主要箇所に海上からバカスカ魔法を連打するだけだからね。
時折敵が夜間上陸することはあったけど、そこまで大きな被害はない。
漁村が三つばかり壊滅したくらいだ。
後はベルゲン海軍。
此方も壊滅である。
本来、ベルゲン海軍の主要任務は、彼我の規模と質を鑑みるに、大規模海戦なんてものが成り立たないのは仕方ないので、多少相手を警戒せるためにも極ごく小さな嫌がらせをこちらからし仕掛けるためのものである。
あるいは相手の艦隊旗艦への特攻を仕掛けることである。
ベルゲン海軍所属艦は
・戦列艦×1
・クリッパー×1
・ガレー船×4
・漁村からの徴用船が多数
こんなもんである。
巡航速度の速いスクリッパーに偵察を行わせ、夜間などにガレーや徴用船で移乗して白兵戦を行う。
この際、襲撃した船の艦長などの上位者に関しては捕虜をとるが、他の乗り組み員は残念ながらサメの餌だ。
奪った船は鹵獲などせず、破壊し沈める。
生還率はそりゃ低い、誰もやりたくない作戦をとる。
今回は割合上手くいったお陰か、敵の戦列艦を二隻仕留められた。
でー、今回は捕虜をとれたので確認したところ、計五人。
………お、あたりかな?子爵家の艦長の男二人からは身代金が取れそうだ。
他の三人?
………一人はどうやら侯爵家当主。
残念。処刑です。
まぁ。子爵ぐらいの影響力なら放免してお金もらえるんだったらそのほうがいいんだけど。
侯爵くらいの立場なら、コロコロしちゃって、相手国の混乱狙ったほうがいいんだよね。
残念ですが、おじさんが一人ボッシュートです。
さて、虎の子の戦列艦に人質載っけて、ハードネゴシエーションです。
何しろ、戦列艦の運行費用を黒字にするだけの費用をタカらなきゃいかんので、そらハードになるわな。
何しろベルゲン海軍の戦列艦は、あくまで他国にナメられないためのゴージャスお飾りですので。
とは言え、ここら辺りで両国の海上交易は復活する。
捕虜返還は、ほぼほぼ停戦交渉な訳でして………
まぁ、残りの一国が今回の台風の目です。
こいつら、ウチにもテキトーにちょっかいかけつつ、日本に殴りかかりやがった。
その結果どうなったかって?
わかるわけ無いじゃん。
こんなことなら、日本に観戦武官でも派遣すればよかったなぁ。




