第2話:微細な兆候
「ん……」
額を規則正しく叩いている水滴が、まどろみの中に漂っている侑人の意識を徐々に覚醒させていく。
最初に戻った感覚は触覚。背中からは平滑で硬い感触が伝わってきた。どうやら仰向けて寝かされているようだ。
「ふー、んっ……」
意識的に肺に取り込んだ空気は冷たく澄み切り、侑人が条件反射で思わず身震いすると、衣服と硬い床が摺れる音が耳に届く。幸いな事に聴覚も正常らしい。
額を穿つ水滴の感触が少々気にはなったが、侑人はそのままの姿勢を崩そうともせず、今まで起こった出来事を何となく思い返していた。
受験に失敗した事。
一方的ではあるが両親との約束。
脳裏に響き渡った謎の声。
「謎の声……」
無意識に出た声が少しだけ反響して耳に届く。音が響くという事は、今寝かされている場所が少しばかり大きめの密閉された部屋ではないかと想像されるが、侑人に思い当たる場所などない。
しかしそんな不可解な状況と相反して、自身が発した言葉を皮切りに、侑人の脳裏に昨晩から起こった出来事の記憶が次々と浮かび上る。
暗黒空間と化した慣れ親しんだはずの自室。
突如聞こえた『汝は何を望むか?』という問い掛け。
その問い掛けに対して出した自分の返答。
そこまで思考を巡らせた侑人は、いまだに少しだけ重い瞼をゆっくりと開いていく。そっと上体を起こし緩慢な動きで周囲を見回した目に映るのは、大理石らしきもので造られた半円形の広い空間だった。
中央にある大きな祭壇の様なものの上には炎の灯った蝋燭が置かれ、仄かに揺らめく淡い光が周囲をほんのりと照らしている。
祭壇の正面には大きな男神の像が祭られ、その左右には女神の像が傅くように控えていて、荘厳な雰囲気を醸しだしていた。
「ここは?」
所在無さげにキョロキョロと辺りを見回す侑人。少しばかり重い頭を右手で何度か叩いてみたが、この場所に対する心当たりは出てこない。
しかし不思議な事に、侑人には弱い既視感があった。とはいえ記憶に霞がかっていてどう足掻いても思い出せないのだが。
侑人は背後にあったこの部屋への唯一の出入り口である、華美な装飾が施された大きな扉を見つめながら思考を巡らせる。
間違いなく自室ではない。では一体ここは何処なんだろう。
結局これまでに確認できた周囲の状況を総合して出した侑人の結論は、どうやらここは礼拝堂らしいなという、何の捻りもないものだった。
「どこかで見た事があるような。うーん、無かったような気も」
そもそも既視感を覚えた事自体が疑問だった。特定宗教に入れ込んだ事実はなく、興味を抱いた事すら皆無なのだ。
雑誌や何かの映像で見た可能性は否定できないが、そんな瑣末な記憶が都合よく浮かぶ事などあるはずもない。
「そんな事より、なぜ俺はこんな所にいるんだ?」
床に座り込んだ姿勢で頭を掻きつつ、侑人はボンヤリと考えている。
しかし『実はお前がここに居る理由は――』などと、訳知り顔で説明してくれる人物が現れる訳もなく、考え込んだ侑人が時々つく溜息の音だけが、静寂で満たされた空間に響き渡っていた。
「何が何やら……」
半ば自嘲気味に侑人は呟いたのが、状況は全く変わらない。
侑人は暫くの間、神の像を見つめたまま呆然としていたが、やがて大き目の溜息を一つつくと、ゆっくりとした動作で立ち上がる。そしてそのまま石造りの扉の前まで進み、両手で力いっぱい押すと、重厚な音を立てながらそれは開いた。
「地下っぽいな」
扉の先には上へと向かう暗く細長い階段が続いている。
侑人は懐中電灯の代わりに蝋燭を持ち出す事を一瞬だけ考えたが、厳かな礼拝堂の備品に手をつける事に対して何となく抵抗感を覚え、手探りで進む事を選択しそのまま暗闇の中を進んでいく。
「どこまで続くんだ?」
侑人を待ち構えていた階段は予想以上に長く、しかも所々で折り返す構造をしている。しかし幸いな事に一度も分岐する事はなく、とりあえず先へと進めそうだ。
ダンジョンのような構造をしていない事に安堵感を覚えつつ侑人は一人呟く。
「夢にしては妙に現実的だし、今度は一体何が起こったんだ?」
暗闇の中を慎重に歩きながら、侑人は今回の出来事に対してあれこれ考えていたのだが結論など全くでない。
出口が近くなったのか徐々に周囲が明るくなり様子が判ってきた。どうやら階段どころか壁や天井まで自然石を丁寧に組み合わされて作られている。しかし侑人には見覚えが無かった。
「何はともあれそろそろ出口だ。よく判らん状況だが駅とか店とか近くにあれ……ば……」
一抹どころか多大な不安を抱えながら、一歩一歩階段を登って行く侑人の目の前に、またしても予想外の光景が飛び込んでくる。
「まじ……かよ……」
いつの間にか時間は夜から昼へと変化していたが、問題はそんな瑣末な範囲では収まらなかった。
大地にぽっかりと口を開けている地下へと続く石造りの階段を除けば、三百六十度見渡す限りの大自然が広がっていたのだ。
侑人が立っている場所だけが小さめの広場のようになっていて、頭上を見上げれば青空が木々の枝の隙間から覗いていた。
自宅に居たはずの自分が大自然に抱かれて佇んでいるという状況を、冷静に受け止めるのにはかなりの時間を要しそうだ。
「家の周りはこんな田舎じゃないはずなんだが」
侑人の自宅は安直な表現をすれば、閑静な住宅街と言われる場所にある。
小さめの地方都市とはいえ徒歩数分の場所にコンビニが有り、二十分程歩けば寂れてはいるが小さな駅舎がある……そんな環境で日々生活していたのだ。
間違っても電気も水道もない森の中でサバイバルな生活をしていた記憶など無く、そもそも現代っ子の侑人にはそんな技量など欠片も無かった。
「階段しかないよな」
後ろを振り返ると先ほどまで登ってきた石作りの階段の姿が目に映る。
「木しかないよな」
改めて前を見ても、大自然に抱かれているという状況は変わらない。
「ここはどこなんだよ。つうか俺の家はどこ行ったー」
両手で頭を抱え込みながら侑人はその場に座り込む。夢なら早く醒めてくれと切実に願ったのだが、願いに反して一向に目は醒めてくれない。
百歩譲って部屋が真っ暗だったのはまだ理解できる。たまたまあの瞬間に停電が起きていたと考えれば、灯りが全く無かったという説明にはなりそうだ。
謎の声はまあなんと言うか、珍しく勉強のし過ぎで幻聴を聞いたという事で無理やり納得する事にする。
では目覚めた時に居たあの礼拝堂らしき場所は?
目の前に広がる大自然にはどう理由付けすればいい?
「誘拐か? 誘拐犯の仕業なのか?」
自分の発した誘拐という言葉で我に返った侑人に緊張感が走る。
急いで立ち上がり慌てる素振りを隠さずに周囲を警戒する侑人。しかしそんな行動とは裏腹に、周囲を取り巻く長閑な光景に全く変化はない。
「誰か居るんだろ? いや居るはずだ! つうか頼むから居てくれ!」
仮に先ほど侑人が発した誘拐という言葉が事実なら、周囲に居るのはその犯人であり、犯人と被害者が監禁された場所以外で邂逅するのは好ましくないはずだ。
しかしそんな当たり前の事に侑人は気づいていない。いや気づきつつも一人で居る事の方が怖かったのかも知れないが、とにかく酷く混乱している。
「誰かー! 助けてくれー! もう嫌だーー!」
どうやら恐怖感が限界を超えたようだ。
侑人の魂の慟哭が、周囲の木々の間を響き渡った。
「うぅ……。喉痛い……」
自分が知るありとあらゆる罵詈雑言や泣き言を叫び続けていた侑人だったが、叫び疲れのせいかどうやら少し落ち着いてきたようだ。
先ほど登ってきた階段を背にし、胡坐をかいて大人しく座っていた。両目が真っ赤に充血しているのは疲れ目のせいである。多分。
「このままここでボケッとしてる訳にはいかんよなぁ」
何気なく呟いた自身の言葉に触発され、侑人はこのままここで助けを待ち続けるビジョンを脳内に描いてみた。
夜の帳が徐々に忍び寄り、辺りが暗くなる。
昼の間は穏やかな光景を見せていた森の雰囲気が、暗闇に囚われて一変していく。
今まで気にも留めていなかった木々の摺れる音が、もはや恐怖を煽る音楽となり酷く落ち着かなくなる。
昼間には存在しなかった夜の住人達が跋扈する世界と化した――
「やめやめ! 今のは無し!」
予想外に侑人の想像力は豊かだったようだ。
とにかくこのままここに居ても状況が改善しないと理解した侑人は、今後の対策を練る為にとりあえず現状を確認する事にした。
最初に状況。
まずはっきりと判る事は、自宅で変な声を聞いた事と、気を失ったらこの場所にいた事……以上。逆に考えればそれ以外の事はまったく判らない。
どこかの森の中にいる事は周囲を見れば判るが、場所を特定できるものが何もない為、現時点ではここがどこなのか把握できなかった。
次に身体の状態。
立ち上がって上半身から順番に関節を動かしてみるが、特に違和感を覚える事はない。
ついでにあちらこちらを触診し、怪我の有無を確認したのだが、どうやらそちらの心配もなさそうである。
次に服装。
下着と肌着の上にグレーのトレーナーにジーパン、その上には着慣れている黒のジャケットを纏っており、意識を失う前の服装である事が確認できた。
最後に持ち物。
黒のジャケットのポケットの中から愛用している太陽電池式の腕時計と携帯電話、そして少しだけくたびれた皮製の財布が出てきた。
財布の中身は自宅の鍵と少量のカード類、後はまあ……今時の若者としてどうなのかと思える金額しか入ってないが、節約すれば二日程度の食事には困らない程度のお金が入っている。
侑人はとりあえず携帯電話を開いてみたがどうやら圏外のようである。携帯を開いたまま少しだけ周囲をうろうろしてみたが、電波は全く入らない。
判ったのは日にちと時刻だけであり、気を失った日から考えると、翌日の午前十一時を少し廻ったところだった。
「まあ、今のところは良しとするか」
現時点で確認できた持ち物はこれが全てで、山の中で役立ちそうな物を何一つ持っていなかったが、仕方ない事だと考えて侑人は開き直る。祭壇の前に戻ればまだ何か落ちているかもしれないが、また暗闇の中を戻る気にはならない。
とりあえずよく判らない場所にいることを除けば、自分の姿形や持ち物は昨晩のままであり、ほんの少しだけ安心した。
「さて、これからどうするべきか……ん?」
現状の確認を終えた侑人が、今後の身の振りをどうしようかと幾許か悩んでいると、突如目の前の茂みがガサガサと揺れた。
狼はすでに絶滅しているはずだが、日本にはまだ熊がいる。仮に野生の猪や猿だったとしても、襲われたらただでは済まない。
侑人はニュースやネットで得た情報を思い出し、警戒しながら茂みを見つめつつ、少しその場から後退する。すると、
ガサッ
ひときわ大きな音を立て、その物体は侑人の前に姿を現した。
両手で抱えられる程度の大きさの物体は、全体が灰色の体毛で覆われている。身体的な特徴として、前足が短く後ろ足が長い事がまず挙げられ、瞳はつぶらであり耳も長かった。
茂みから飛び出した物体は、侑人がよく知るウサギのように見えた。頭の中央に角が無ければの話だが。
「角があるけどウサギだよな?」
侑人はウサギならば特に害はないだろうと考え、半信半疑ながらも警戒を解く。『ウサギは警戒心が強くて臆病だから、兄貴は絶対に近寄るな!』そんな妹の言葉が記憶の片隅から浮かび上がる。
角があってもウサギはウサギ。侑人はそんな事を考えながら目の前のウサギに近づいたのだが、数秒後に後悔する事となる。
「キシャー!」
突如目の前のウサギ――ウサギはこんなに怖くないから、ウサギもどきと侑人に命名された生物――は、侑人が数歩近づくと雰囲気をがらりと変えた。
つぶらだった瞳が赤みを帯び、体毛が逆立ち始め、威嚇するような唸り声を上げている。どうやら怒っているらしい。
「そんなに怒らなくていいのに」
軽口を叩きつつも実は軽く怯えていた侑人は、ウサギもどきから少し距離を取る為に後ろを向いたのだが、その行動が明暗を分けた。
ボウッ
後ろを向いた頭のすぐ右横を、小さな火球が通り過ぎる。
頭の位置が後ろを向いた事によって多少ずれた為、頭への直撃を免れたのだが、侑人はそこまで気づいていない。
「なっ!」
あまりの状況に侑人の思考は停止したが、髪の毛の焦げたような異臭に鼻が刺激されて、幸いな事に一瞬で持ち直す。
恐る恐る右手で頭を確認すると、頭を掠めた火球によって髪の毛の一部が焦げてチリチリになっていた。
まさかと思いつつも、ウサギもどきに再度視線を送ったのだが、
「お取り込み中失礼しました!」
こちらに向かってウサギもどきの口から火炎の小球が放たれたのを確認した瞬間、侑人は全速力でその場から走り去る。
ウサギを相手に脱兎の如く逃げ出すのは妙な気分だが、今の侑人にそんな余裕など一切なかった。
木々の間を駆け抜け侑人は疾走する。
背後からはいまだにガサガサと音が聞こえ、走る速度を少しでも落とすと、放たれた火球は容赦なく身体を掠めた。
「こっ、こっちには用はないっての! 他を当たってくれ!」
かれこれ三十分以上走り回っているが、ご機嫌斜めなウサギもどきは追い回す事を諦めていない。機嫌を損ねる真似をした覚えはないが、話が通じない相手なのは確定している。
火事場の馬鹿力的なもので何とか逃げきれていたが、日ごろの運動不足が祟っている侑人の息は既に切れ、膝がガクガクと笑い始めていた。精神的に 追い詰められ、思わず大声で叫ぶ侑人。
「これから先の人生で会うウサギ年の奴には優しくするから、とにかく勘弁してくれー! もう嫌だー!」
この時侑人の心の中で、ウサギもどきは火炎ウサギもどきと名を変え、愛玩動物から危険生物へと格上げされた。
その後も進行を邪魔する枝草を払いのけながら、道無き道をひたすら走り続ける。
どっちの方向に進んでいるのか、この先に何があるのか全く判らないが、とにかく逃げ続けなければ自身の命に関わるのだ。
「あっ!」
いつ終わるのか判らない逃走劇を繰り広げる侑人の目の前に大地が迫った。身体を縛りつける重力から一瞬だけ開放された直後、全身を鈍い衝撃が襲う。
木の根に軽く足を引っ掛けただけだが、体力の限界を迎えつつあった両脚は、身体を支えきる事ができなくなっていた。
「イテテ……って、うおっ!」
腹ばいの姿勢のまま両腕に力を込め、その場から転がりながら移動する。岩や木の根が身体を容赦なく抉り、痛みは全身を駆け巡るがそれどころではない。
必死な形相をした侑人の目に、直前まで寝転んでいた地面が火球の直撃を受けて弾け飛び、周りの木々を巻きこんで炎上する様子が映る。逃げるのが一瞬でも遅れていれば、自分の身がそうなっていたのは明白だった。
「冗談じゃねえぞ……」
侑人は背後の木を背にし、寄りかかりながら何とか立ち上がる。もはや自分の脚の力だけで身体を支えられず、自身をこの状況に追いやった元凶の、禍々しい姿を睨みつける事しかできない。
獲物が動けなくなった事を悟ったのか、火炎ウサギもどきはゆっくりとした動作で近づいてくる。赤く染まった瞳が侑人の姿を捕らえ続け、今にも襲い掛かってきそうだ。
「俺はここで死ぬのか?」
思い出が走馬灯のように浮かんでは消え、諦めの境地に似た感情が身体を支配し、全身の力が抜けそうになるが、それでも何とか持ちこたえる。
今の絶望的な侑人を支えているのは、一つの激しい感情だった。
「ふざけんじゃえ! こんな落ち納得できるか!」
その感情は怒り。温厚な侑人は怒りの感情をめったに出さない。しかしこの時ばかりは本気で激怒していた。
人並みの学生生活を送り(大学は落ちたけど)今まで真面目に(自称ではあるが)生きてきたのに、人生最後の落ちがこんな訳の判らない世界で一人寂しく朽ち果てる事だなんて、簡単に認めてたまるか。そんな思いが侑人の心の中に激しく沸き上がる。
「やるだけやってやる! 都合よく目覚めろ俺の力!」
侑人は絶叫する。しかし何かの力が目覚める根拠などなく、もはや空元気でしかなかったが。
それでも気合だけは伝わったらしく、火炎ウサギもどきは毛を逆立てながらじりじりと後退していく。耳も下のほうに折れ曲がっていた。
「何とかなりそうかも……ってあれ?」
身体に現れた違和感に侑人は気づく。
あれほど乱れていた呼吸も落ち着き、手足に力が戻っている。むしろ普段より身体が軽く、体調はいまだかつてないほど良好だった。
首を傾げながら手足をペタペタと触る侑人。特に外見的な変化は起こっていないが、普段とは違う何かを感じていた。自分の身体が自分の物ではないように思え、不思議な感覚が全身を支配する。
「まあ良いか……こうなったら手段は一つ!」
頬を両手で軽く叩いて気合を入れ、目の前の火炎ウサギもどきを睨みつける。火炎ウサギもどきは先ほどよりも距離を取り、こちらの様子を警戒しているようだ。
行動に移すなら今しかない。そう考えた侑人は即座に動き出す。
「じゃあの!」
その場で百八十度向きを変え、全速力で逃げ出す侑人。体力が戻ったのならば逃げるのを再開するだけだと、迷いもなく理解した。
戦いどころか喧嘩すらまともにした事がない侑人にとって、これ以外の選択肢など初めから存在する訳がない。情けないとでも格好悪いとでも勝手に言え、安全になるまで逃げ切れれば万事解決めでたしめでたしだ……などと考えていた。
「マジでやばかった!」
わき目も振らずかなりのスピードで逃げ続け、そのまま速度を落とさず三十分以上走り続けたが、不思議と息切れすらしない。
元々体力はあるほうだが、ここまでの身体能力を持ち合わせておらず、普通に考えれば違和感を覚えるはずだが、今の侑人にそんな余裕などなかった。
「こえー! マジでこえー!」
森の中を無我夢中で逃げ続ける。あまりのびびりっぷりに、火炎ウサギもどきが既に追いかけていない事すら気づかない。
その後も暫くの間、静かな森の中に侑人の奇声が響き渡っていた。
2014/2/10:改訂