裏切り
第九話です
あっぶねぇ〜!!ここまで来れば安心か。
マジであのまま殺されるかと思ったわ。
咄嗟の嘘で助かったが、あそこで正直に「お前のこと、覚えているぞ」なんて言ったらどうなっていたのだろうか。…そんなこと、考えたくもない。
まあとにかく、あのレイブンとやらには警戒したほうが良さそうだ。
『* プレイヤーがゲームを起動しました。キャラクターの皆様は、各自持ち場についてください。』
……。
『* ぼうけんをはじめますか?』
……。
『* それでは、いってらっしゃい』
「前回までのあ…」
スキップ
「勇者様!その、ライトさんが裏切ってしまって、ショックかもしれないのですが…。僕の盗人としての勘が、彼らはティーラの城に居ると告げているんです。今すぐ向かいましょう!」
ZR長押し、B連打
(もう誰もこのバグ走りに反応しなくなったな。…やっぱ笑いを堪えるのにも慣れが必要だったのか)
「勇者様!やっぱりライトさんたち、あそこに居ます!早く追いましょう!」
「よくここまで追ってこれたね。その足の速さに、敬意を表そうじゃないか」
「なにヘラヘラしてるのよ!はやくライトを返してもらうわ!」
「おっと、君たちは僕が彼を無理やり攫ってきたとでも思っているのかい?いいや違うね。僕は何も強制していない。彼は彼の意思で僕についてきたんだ。勘違いしないでもらいたいな」
「じゃあ、ライトは自分の意思で私たちを裏切ったというの?」
「それは本人に聞かなきゃわからない。ねえライト!君は何でこの子たちを裏切ったの?」
「!?ライト、居るの?」
「最初から居ましたよ。…そうです。俺は自分の意思であなたたちを裏切りました」
「何でよ!?」「そうだぞライト!俺たちはいつでも話を聞くぞ!」「ライトさん!」
「アンタたちの…!!」
「!!」
「アンタたちのそのあまりにも明るすぎる性格も、いつも前向きな雰囲気も、卑屈な俺には何もかも勿体なくて、合わなかったんです…!だから気をつかってばかりで、居づらかったんだ…。
そんな時に手を差し伸べてくれたのがレイブンさんなんです。ここが初めて見つけた俺の本当の居場所だ。誰にも邪魔はさせません。」
「そんな…」
「俺はこの人と魔王を倒して、自由に生きやすい世界を作ります。そう、アンタたちよりも早く。」
「…だ、そうだ。ということで僕たちは君たちに代わって新たな勇者となり魔王を倒す。…その時を楽しみにしているよ」
レイブンとライトは瞬きをする間に消えていった。
(あのNPCは一体何者だ?それにライトのあまりにも感情的すぎる演技…。只事じゃなさそうだ)




