魔王
第五話です
『* キャラクターの皆様、プレイヤーがゲームを起動しました。各自、持ち場へ移動してください。』
「なぁ、アイツ最近よく起動してるよな」
「あー、確かにそうね。最近ずっとストーリー進めてるわ」
「起動するのは良いんだけどさ、バグ使うのやめてほしいな」
「めっちゃ分かる。私笑いこらえるの大変なんだから」
「この前のライトは悲惨だったよな」
「あれマジで体もげるかと思いました」
「しっ、皆さんプレイヤーが来ますよ」
〜ティーラの国、下宿〜
「勇者様、あとは魔王を…」
スキップ
(…そういえばアップデート終わってから一回もルフに会ってねえなぁ。今回の強化フォームはどんなだろ)
『* ぼうけんをしゅうりょうしますか?』
……。
『* セーブしています…。電源ボタンに触らないでください…』
『* セーブが終わりました!またいつでも遊びに来てくださいね』
「えっ終わるの早すぎない?」「30秒しか起動しなかったぞアイツ」「じゃあもういっそやるなよ」「出番なかった…」「俺帰るわ」
「おつーライトくん」「おつかれー」「お前も帰んの早いよな」「お疲れ様です」「うーっす」
……。
初めてシンが最初に口を開いた。
「そういえば僕、カイルさんと話すの初めてです」
「えマジ?って確かにそうだな」
「コイツはカイル。僧侶で最年長、口の悪いオッサン」
「レイン、勝手なこと言うな」
「事実だろ」
「改めて、よろしくお願いします」
「はいよろしく」
「そういえばカイルさんって回復魔法も使えますよね」
「まあ、君ほどじゃないけどね」
「回復魔法の〇〇って知ってます?」
「知ってる知ってる。あれはあんま回復しないけどパフォーマンスが良いよね」
「あっ、あと△△なんかも」
「おー、結構マイナーなとこいくね〜」
二人は心底楽しそうに話している。
「なあサナ。アイツらの話してること、分かるか?」
「いや全く」
「だよな。…俺ルフんとこ行ってくるわ」
「いってらっしゃい。私は家帰る」
「気を付けてな」
「はいはーい」
シンとカイルはよっぽど気が合うらしい。放っておいたら永遠に話し続けるぞあの二人。
「ちわー。魔王に会いに来たんだけど」
「あっ、毎度毎度お疲れ様です。本日も宅飲みですね。こちらの書類にサインをお願いします」
「はいどうぞ。」
「ありがとうございます。楽しんでください」
「あざまーす」
「ルフー!来たぞー!!」
叫ぶと、これまた一瞬で魔王の部屋へワープした。便利だなぁ、これ。
「よぉレイン」
「よぉー。早速新しい強化フォーム、見せてくれよ。」
「その言葉を待ってた。えーっと、…あ、すまん。あれ最終形態だからHP削らんとなれないわ。ちょっとHP半分になるくらい攻撃してくれん?」
「またかよ。運営マジで最終形態好きだな。…光天斬りで良い?」
「おう」
「うわ詠唱…めんどくさ。"母なる光よ父なる天よ、闇を打ち倒すため我に力を与えたまえ。大いなる天の光で闇を討ち滅ぼせ"光天斬り!」
「うぉぉ、やっぱこれ痛えな」
「良いから早く見せろよ」
「ちょっと待てって。…ほらよ」
「うおー、こりゃ綺麗だ」
変身したルシファーは、上半身が女性、下半身がクモのようになっていた。中々に美しい。
「この姿綺麗なんだけどさぁ、攻撃パターンは減るしまともに歩けねえしでデメリットばっかなんだよ。」
「あー、乙乙」
「あっ、でもどうよ。この新スキル"魅せる者"は。魅了率87%だぜ?」
「…んー、若干魅力的だなと思うくらいでどうってことないな。少なくとも俺には効かない」
「マジかー。お前女好きだから絶対効くと思ってたわ」
「どういう意味だよ。ってかお前、見た目と声と話し方が伴ってねえから微妙なんじゃねえの?見た目に反して色々オッサンすぎるわ」
「なるほど。でも声は変えれねえし」
「その声でおしとやかにいけば良いんじゃねえの?」
「いや無茶言うな」
全く、いつになっても暇になることはなさそうだ。
次回…いつになるかなぁ…。




