復讐
第十五話です
「これから俺たちが始める悪巧みは、無謀で、でも、面白いことっす。言い出しっぺはカイルなんすけど…。まあ結論から言うと、このゲームシステムを俺たちでぶっ壊そうっていう計画になります。」
「な、なるほど…?」
「計画自体はすごく単純で、このゲームを自動管理しているSMの一部を壊すことで、ちょっとした復讐をしてみようっていう感じっす。
…俺は最初渋ったんすけど、計画を聞いていくうちに面白くなってきて。レイブンも乗り気だし、なんなら魔王もサナちゃんもやる気満々だし、近いうちにNPC集めてやってみようってなったんです。」
「いやそんな飲み会みてえなノリでえげつないこと言うなよ。」
「力技で試すのは俺、カイル、サナちゃん、魔王。解析でシステムごといけるか試すのがレイン、シン、レイブン。って感じっす。レイン、解析のが得意っすよね?」
「ああ、力技はお前らに任せた。…しかし、何やら壮大な計画を立ててたんだな。ルフまで巻き込んで、中々の大事だな。」
「まあ、魔王が一番乗り気みたいっすからね。『システムなぞ僕が散り散りにしてくれるわ〜!』って言ってました。」
「そんなことだろうとは思ったよ。…てか、ふと気になったんだが、この計画の成功確率ってどれくらいだ?」
「7%くらいっすかね」「よくやろうと思ったな」
この計画は中々無謀で、でも、楽しそうだ。復讐という目的を成し遂げられなかったとしても、なんかこう、「良い思い出」くらいにはなるだろう。
「まあ、大体ライトの説明どおりかな。あとは僕が説明するね。カイルとライトもちゃんと聞いてよ。」
レイブンが口を開いた。こいつ、実はずっと話したかったんじゃないか?
「決行日は来週の金曜午後八時。魔王のメンテと被らない日探すの大変だったよマジで。集合場所は生命の塔前にあるカイルの結界。絶対八時には到着しててね。一分でも遅れると結界閉まっちゃうから。
あ、あとアレ持ってきて。せいすい250個と毒消し草。レインがフリーズした時に使うから」
「おい待てお前絶対せいすいぶっかけて起こす気だろ」
「他にどうしろってのさ。説明…というか連絡はこれくらい。問題ある?」
「…特に無え。」「OKす」「大丈夫だ」
「じゃあこれ他のNPCたちにも連絡しとくから今日はこれで終わり!はい解散!」
…………。
帰り道、俺はレイブンに声をかけた。
「よお。…なんだかんだで久し振り…だな」
「そうだね。でも仕方ないよ。レインが忘れたくて忘れたわけじゃないし。」
「………。」
「…やっぱ、気まずい?」
「ああ。…まあ、そりゃ。」
「今から僕ボランティア行くんだけど一緒に来ない?」
「お前マジで相変わらずだな。…行くけど」
「えっ、マジで!?レイン来んの!?わぁ〜明日はきっと大雪だぁ〜」
「うるせえ。そんなに騒ぐな」
「騒ぐよぉ〜!レインがボランティアついてきたのめっちゃ久々だし。やっぱりこういうとこはちゃんと勇者だね。こんなんでも」
「一言多いわ」
やっと、やっと日常が戻ってきた。




