秘密事
第十二話です
「よぉライト。こんなとこで何してんだ?」
「アンタは…何だカイルか」
「ああ。ちいと話したいことがだな…」
荒れ果てたかつての城下町で、裏切り者と僧侶が談笑している。内容は正確に聞き取ることができなかった。まるで、NPCたちが自我をもってこちらに隠しているかのように。
しばらく話した後、僧侶は去り際に、勝ち誇った表情でこちらに向かって中指を立てた。まるで、こちらからの監視に気付いているかのように。
「なぁ頼むから教えてくれよ。この通り!なっ?」
「ダメです。絶対レインくんには教えるなって言われてるんですよ」
最近、俺以外のパーティーメンバーが何か隠し事をしている。俺はこの数日と言うもの、ずっとそれが気になっていた。
「そんなこと言わずに頼むよ!気になってしゃあないんだ」
「ダメったらダメです」
「お願い!若くして全ての回復術を操る天才シン様〜!」
「いい加減にしてください!さもないと、この爆弾石に灯油ぶっかけて火つけますよ!そして投げますよ!」
「なっ……。お前、それは卑怯だろ!」
「そう思うならやめてください」
「チッ…。」
サナに聞いたら呪文で黒焦げにされたし、カイルは見当たらねえし、頼みの綱はシンだけだったのに。
「とにかく、レインくんは知る必要ないんですよ。これは僕たちの問題なので、自分たちでなんとかしますよ」
「なんか水くせえの」
「しばらく我慢してください。いい大人なんだから」
「へいへーい」
しっかしあいつらは何を隠しているのやら。ま、どうせくだらないことだろうが、あんだけ必死に隠されると逆に気になるんだよなあ。
『NPCたちの反乱を確認。データを消去しますか?』
いや、いい。
『放っておいてよろしいのですか?』
ああ、問題ない。面白くなりそうじゃないか。
『…理解できません。少しでもリスクのある芽は一刻も早く排除すべきではないでしょうか。』
いいんだよ。むやみにデータを消しても面白くないじゃないか。こういうのはね、楽しむものなんだよ。
『やっぱり、あなたとはそりが合いませんね。』
私もそう思うよ。だからこそ素晴らしい。
『…変な人』
おい、マスターに向かって何て口だ。
『』
全く、都合の悪い時だけ黙りおって。
『…それより、レインの状態が良くありません。記憶の忘却も今日で限界、明日には全て思い出してしまいます。』
良いじゃないの。彼の反応を見るのもまた面白い。
『…やっぱり変な人』
おいこれ以上悪口を言うなら永久にシャットダウンするぞ。
『大変申し訳ございませんでした』
それでよし。まあ、これからも彼らを楽しもうじゃないか。
次回もお楽しみに。




