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現実

第十話です

『ここは、ドラゴニートの大地。かつて魔王が闇によって創り出し、支配していた大いなる世界。しかし民は、魔王の支配に不満をもっていた。そこで天界の女神に協力を得て魔王を討ち取り、世は光に満ちた。しかし今、その魔王が復活しようとしていた ー。』


兄貴が最近ハマっているゲームのOP。タイトルは、「ドラゴンダンジョン」。リリースから八年経ち、魅力的なキャラが多くストーリーも凝っている割に、アプデにより度々キャラ設定やストーリーが変わる為「クソゲー」の札を貼られている。

しかしそんな評価とは裏腹にこのゲーム、腐女子や腐男子からはとても人気があり、二次創作でこの作品のキャラを見ることも少なくはない。

中でも人気な組み合わせは、プレイヤーが操る主人公のレインと、少しチャラめな口調が特徴のNPC、レイブン。何でも無口な主人公とグイグイ系のレイブンのあれやこれやは、想像が容易いらしい。

レイブンは確かに他のプレイヤー達からも人気だった。イケメンでチャラくて、しかも強いと来た。そりゃあ人気なのも当たり前だと言えよう。


この前、ドラダンにしては珍しく、大型アップデートが行なわれた。

プレイヤー達はこれに大きな期待を置いていた。これで、クソゲーから脱却できるかもしれない、と。

しかし、結果はそんな彼らを裏切るものとなった。人気キャラだったレイブンが突如パーティーから居なくなり、代わりに別の新キャラがやって来たのだ。

プレイヤー達は激怒した。急にキャラを消してそれを無かったものとして扱うことはあまりにも酷すぎやしないか。折角レベル上げをしたり貴重なアイテムをレイブンに使っていたのに、溝に捨てる事になったではないか。


次のアップデートでは、再びレイブンがプレイヤーの前に現れた。仲間としてではない。新たな敵としてだ。しかもさらっと、これまた人気キャラのライトがパーティーを裏切り、レイブンについた。

これをきっかけに、多くのプレイヤーがゲームから離脱した。ネットでも大炎上し、今もなお炎が消える素振りはない。


と、いう話を兄貴から聞いた。弟としてはゲームなんかせずに働いて欲しいと思う。

しかし、この話を聞いて、僕はこのゲームに興味が湧いた。兄貴はもうプレイしないと言うので、今日の夜からデータを引き継いで始めようと思う。


『* ぼうけんをはじめますか?』

次回もお楽しみに。

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