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ドン、ドン、ドンと3回鳴った。
その都度、大砲を抱える蛇敏知はその発射反動で揺れている。
からくり砲は3発は撃てるみたい。
今回はノーマル砲だった。
キリンはまだ残っている。
フラフラしてるものばかり。
大砲を地面に置いて用意しておいたからくり花火「ねずみ」をまとめて散布。
ねずみ花火のように予測不能に動き回る。
それが次々と爆発していく。
下から突き上げていく爆発によってキリンたちが吹き上がっている。
ねずみはフリスビーほどの大きさしかないわりには爆発力が高かった。
これでキリンたちはすべて消滅してしまった。
気になったのは爆発音だ。
この音で他の動物たちにこの場所を教えることになったりしないか?
逆にこの場所は危険なので近寄らないほうがいいだろうとでも思ってもらえれば助かるんだが。
蛇敏知は使わなかった花火を木箱に戻して大砲の装填も終わらせた。
その間に遊海はまた水分補給ができて休むことができた。
周囲には動物の姿は見えない。
準備ができたところで旅を再開。
なんの音もない。
ギラッとした太陽がある。
鳥は見えない。
見える限りでは動物はいない。
ものすごく注意深くなっていることを自覚している遊海。
一さんとお六にも緊張の顔色が濃くなっている。
ひとり変わらないのは源五郎だけ。
本心だかわからないが陽気な雰囲気を周りに示している。
ムードメーカーとしての役割を果たしているようだ。
そのおかげで助けられてもいる。
殺伐とした状況が続きすぎると疲れるし憔悴してしまうよ。
しばらくは何事もなく進めた。
順調に北に向かって進んでるはず。
すでに数キロは歩いてると思う。
なんて広いんだろと驚くしかない。
さらにびっくりしたのは大きな池があったことだ。
作りものの世界だとは思うんだけどなんてリアルなと感心する。
近づくほどに池の全貌がはっきりしてくる。
池と呼ぶには大きすぎ、湖と呼ぶには小さいようだが水は本物みたい。
「でっかい池やな。
動物たちがここで水を飲むんかいな?」
源五郎の言う通りだとすると、この世界にいる動物は生きものになる。
つまり現世での動物とまったく同じように食う、寝る、繁殖するってこと?
そこまでリアル?
池に向かって進んでいった。
遊海はハッと気づいたことがある。
一さんたちに池の側には近づかないようにと注意を促した。
もし本当にリアルに作られてるならこういった水の中には絶対にワニがいるはず。
たぶん遊海しか知らないことだ。
日本にはワニがいないし、江戸の町でもワニの存在なんか誰一人として知らなかっただろう。
ここは近づかないほうがよい。




