4-1
4
水分補給と蛇敏知の新しい武器の準備が終了してから再出発。
隣を歩いている一さんに訊いてみると暑さを感じてはいるが体の疲れなんかはないそうだ。
すると肌の感覚だけが蘇ったってことになるのか?
この世界の不思議な力のせいだ。
変な動物さえ現れなければ、快適とは言わないが、
このまま進んで上に行ける階段を見つけられるはず。
本物に近いはずのサバンナを歩けるって、考えようによっちゃ貴重な体験かもしれないと前向きに考えている遊海。
再出発してから4〜5分で進行方向にキリンが群れているのを発見。
余計な戦いにならないように迂回するって手もある。
そうすると大幅に遠回りになってしまうが安心安全を最優先に考慮するとそういうことになる。
北へ向かっての軌道修正は蛇敏知が行ってくれるだろう。
遊海の目にもキリンがいることがわかる。
5メートル以上の高さがあるのでわかりやすい。
「なんじゃ、あの動物は?
立ち上がったぞい」
源五郎の言う通りだ。
キリンたちが立ち上がった。
10メートルの高さにはなったろう。
この世界では進むにつれて動物たちがちょっと変になって現れる。
遊海や源五郎だったら一発退場になってしまう強敵たちだ。
蛇敏知が休憩中に用意していた太い筒を地面にセットしている。
終わるとすぐ点火。
シュポ〜ンって空に打ち上がった。
打ち上げられたのはサッカーボールよりひと回り小さな球。
それが100メートルほどの高度に達するとパァァァンっとはじけた。
その球をせっせと連射していく。
はじけた球の中から火炎弾が地上に向かってバラまかれることになる。
複数の火炎弾を広範囲に落としていくことになるので多数の敵がいる時に有効だ。
ひとつずつは小さな火炎弾だがその威力は高い。
変なキリンを燃え上がらせるには十分な量がある。
これがからくり師が使うからくり花火という武器のひとつ。
「うおぉ、えらいこっちゃで」
源五郎があたふたしてる。
一さんとまお六はあまりのことで固まってしまっている。
遊海は映像ではこんな光景を見たことがある。
実際に生の迫力というか爆発と爆音は恐怖でしかない。
蛇敏知は追撃の準備にも余念がない。
大型の筒を担いでいる。
携帯用の大砲らしい。
火炎弾の猛爆でも倒れなかったキリンがいる。
その動きは緩慢になっている。
火炎弾による被害を受けている。
それらのキリンに向けて蛇敏知が持つ大砲が炸裂。
見たことがない形の大砲。
筒状の上部にカートリッジがある。
これによって複数の砲弾を連射できている。
これもからくり師のオリジナルのからくり大砲なんだろう。




