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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
新生活

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7/51

2-3

それだけ聞いてちょっと安心はした。

でもねぇ、いきなり幽霊とかって言われてもねぇ、にわかには信じられんのよ。

それを察したのかどうかは知らないが源五郎は身の上話を始めた。


江戸のでえぇく、つまり町職人の大工。

世の中のことっていうのはあまりよくわからない。

身の回りの誰かから話を聞くかかわら版なんかでしか世間のことはわからない。

それは理解できる。

江戸時代だと現代のようなメディアもないわけだからニュースっていうのがわかりようもない。

そんな中で外国から黒船がやって来たっていうのが口づてに伝わってきていた。

となると幕末の頃の出来事。


家の屋根の修理中にうっかり足を踏み外して落下。

それで亡くなったということらしい。

数えで41というから満40歳で亡くなったということか。

家族がいるわけでもなく独身だったみたいだ。

当時の江戸の職人なんかは独り身で一生を終えるって人が多かったんだって。


幽霊になりながらも世の中を見てきているので、これでもけっこう現代的なんだぜと胸を張っている。

それに対して、じゃあ、亡くなってからず〜っと幽霊になってこの地にいるってことになるのかと遊海は源五郎に対しての見方を変えた。

成仏できないでいるのかとちょっと不憫(ふびん)に思えた。


源五郎としては江戸の町で大工をしていただけなのでたいした話はない。

江戸の日常生活を知る上では面白いと思えた。

また遊海のほうも身の上話っていったって特にどうこうといったことはない。

27年間の中でとりたててトピックもない。

お互いにふ〜んといった程度でしかなかった。

夜も更けてきたので邪魔したなと言い残して源五郎は夜の世界へ戻っていった。


翌朝、まぶしい太陽に起こされた。

今日は休みなんだけどどうしても気になることがある。

この日の朝ごはんはインスタントコーヒーと買っておいたチーズパン。

朝の報道番組を見ながらモグモグ。

おぉ、あの大御所演歌歌手が亡くなったか。

やや、あの女優さんがついに結婚かねと賑やかな番組だ。


よしとコーヒーを飲み干して寺務室に向かった。

ここでの生活のメリットは通勤時間1分ほどでストレスがない点だ。

その代わりズル休みは絶対にできない。


寺務室に入ると十津川寺務長と京都先輩がお仕事中。

へ〜そうなん、ふ〜んとテレビを見ていたらいつの間にか9時半頃になってた。


「あら、どうしたの?

今日は休みじゃなかった?」


十津川寺務長が怪訝な顔を向けてきた。

もしかしたら出勤日を間違えたんじゃないかと思ってるんじゃなかろうか?

さすがにそれはないよ。



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