3-5
「久しく忘れておった、この暑いという感じ···」
幽霊3人組が生きていた頃の人としての感覚を取り戻した?
この世界が人として蘇らせたってこと?
そうだとするとぜひ試してみたいことがある。
「源さん」と声をかけて遊海は源五郎の肩に触れてみた。
以前はスカッと素通りした。
今回は感触がある。
「おぉっ」と遊海、「なんやて?」と源五郎。
理由はわからないけど、この世界では生きている人間と同じ存在になる、なってしまうってことでいいのか?
お六が遊海の背中にピトッと手を置いた。
「本当だ。触れる」と驚いている。
そういうことになった。
「あの樹の下で少し休みませんか?」
サバンナの平原にはところどころにポツンとアカシアの樹がある。
サイズが大きいので唯一の日影がある。
あまりの暑さで水分補給と少しだけの休憩をしないと倒れてしまう。
樹の影に入ると急に暑さが和らぐ。
乾燥地帯だからこその温度変化だ。
「水、いりませんか?」
影に入って遊海は皆に声をかけた。
蛇敏知を除く3人からはいらないと返事があった。
暑さは感じているが喉が渇くとかお腹が空いたとかはないということだ。
遊海がリュックを降ろして水を探そうとしていたところ蛇敏知からニュっと竹筒が差し出された。
水をどうぞということだ。
背中の木箱からヒョイって出してきた。
やはりあれはからくり箱なんじゃなかろうか?
どういう仕組みなのかはわからないがいろんなものが出てくる。
今は木箱を置いて中からいろんなものを取り出して地面に並べている。
からくり銃は木箱に戻している。
「それはなんじゃい?」
源五郎が蛇敏知の手元を覗き込みながら座った。
どう考えてもおかしい。
木箱の大きさと並べられているものの大きさとが合ってない。
「ブキ二ナリマス。
ツカイヤスク、キョウリョクナモノデス」
相手が1匹だけとかだったら銃でも十分対抗できるんだろうけど、集団でこられると厳しい。
これからも集団でくるか、ちょっと変異した強大な敵がくるか?
武装の強化は必然になる。
源五郎はどう思ってるのかは知らないが、遊海としては自分があまりにも非力なのがう〜んって感じでいる。




