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「にいちゃん、徳川の財宝っていくらくらいあるんじゃろな?」
源五郎も気になるのだろう。
遊海は、この五重塔に入る前に簡単にネットで検索していた。
最も有名なのは1867年の大政奉還の時に徳川幕府が再興資金として隠したとされる約400万両(現在の貨幣価値に換算するとおよそ20兆円)の金銀財宝。
小判としての価値もあるだろうが高騰している金1グラムからの計算になるとまた違ってくるかもしれない。
20兆円より大きくなるか少なくなるか?
もし本当に徳川の埋蔵金を見つけてしまったら生活がガラッと変わってしまうんだろうなと考えながら遊海は歩いている。
あっ、でも税金をガッツリと取られるんだとも考えてしまうとかなり憂鬱にもなってしまう。
半分くらいは税金で取られるかもしれない。
そうなるといきなり高額納税者として世界的な超有名人になってしまう。
それでも10兆円かぁとニコニコしながら歩いていた遊海の顔色が変わった。
あれって確かに知ってる。
でもね、あんな大きさじゃないよな?
シマウマがいる。
なんかデカくないか?
距離はあるんだがそれだけじゃない。
離れてるからこそわかる。
デカいシマウマがいる。
それも複数。
こちらに気づいたようだ。
蛇敏知が銃を構えた。
シュン、シュン、シュンと3回鳴る。
先制攻撃。
相手は普通のシマウマより5〜6倍は大きそうだ。
走ってこられたら逃げきれない。
撃った矢は初速からものすごいスピードでシマウマ目掛けて飛んでいった。
あまりの速さの矢は簡単にシマウマの体を貫通している。
貫通したシマウマは倒れてしまったが、その他にもシマウマがいる。
からくり銃からは「最速の矢」を射出している。
ロケットと同じほどの速度で初速から音速で飛び出している。
爆発はしないが十分に貫通するだけの力はある。
でも3本で2頭倒しただけじゃ思ったほど効率が良くない。
1本は大きくはずれている。
シマウマたちが急接近。
思ったよりも速い。
攻撃も間に合わない。
逃げることもできない。
ここで絶体絶命の大ピ〜ンチ。
あと1〜2秒で人生が終わってしまうっと遊海が目をつぶってしまった時。
源五郎たち5人をまとめてブニョ〜っと覆い被さってくるのがうっさちゃん。
数十頭のシマウマに踏まれても十分に耐えられる守りの因幡の桃色ウサギの力。
シマウマたちはスピードを制御できないのか踏みつけていくだけで通りすぎてしまった。
なんだか、なんというか不器用(?)とでもいうのか。
大きくはなっていても猛獣ではないのでこんなもんなのか?
それでもうっさちゃんがいなかったら踏みつけられて全滅してたかもしれない。




