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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
段地四(だんぢよん)

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3-2

ハゲタカがいなくなった場所には泣き虫じいさんがいる。

確かにじいさんなんだが別人のように見える。

憤怒の形相で体が全体的にひと回り大きくなってるみたいだ。


泣き虫じいさんは、普段は異常なほど怖がりですぐ泣く。

しかしその体は鋼のごとく頑丈。

一方的に攻撃を受けることになってもビクともしない強靭さを持っている。

そう簡単に倒されることはない。

そして度がすぎる攻撃を受けてしまうとモードチェンジ「激怒」に変わってしまう。


「調子にのりゃ〜がってえぇぇ、ごらあぁぁ。

いてえぇんだよおぉ、このクソがあぁぁ。

なにさらしてくれてんね〜ん」


泣き虫じいさん、いや、激怒じいさんの目は充血していてまっ赤だ。

その目が空にいるハゲタカたちをジロリと睨んでいる。

じいさんの行動は早かった。

そして意外な展開を見せた。


「おっ、なんじゃ?」と源五郎が声を上げれば「まさか?」と遊海も声を上げる。

激怒してるじいさんが大ジャンプ。

誰もが目を疑った。

あれほど弱々しく大声で泣いていたじいさんが予想もしなかった素早い動きを見せている。

完全に別人だ。


激怒じいさんは空中でハゲタカを殴る蹴るを繰り返している。

バッタバッタとハゲタカが地上に落ちてくる。

そうとうな力で殴る蹴るをされているハゲタカたちは地上に落ちてきて絶命したりしている。

その証にシュワ〜って消え去っていってる。

あれよあれよって間にハゲタカたちが全滅した。

20羽以上はいたはずだ。

それをたった独りで、しかも絶対的に不利な空中で、さらに徒手空拳で。


「なんじゃよ、ただの泣き虫かと思っとったらえらいこっちゃでぇ。

おっとろしいじいさんやな」


源五郎が感嘆と驚嘆が入り交じったようなちょっと震える声で誰にともなく話してる。

遊海には、ここにきていろいろ気づかされたことがあった。

泣き虫じいさんがリミッター解除すると激怒じいさんに変貌する。

からくり師が背負ってる木箱は無限に収納できるアイテムボックス?

なんだが五重塔の内部がゲームの世界のように思えてきた。


ハゲタカを全滅させた激怒じいさんは怒りが治まったらしい。

本当に文字通りにヘナヘナという感じで元の泣き虫じいさんに戻った。

大変わかりやすい。

ハゲタカの脅威は完全になくなったということでお六は「戻って」と言ってじいさんをカプセルに収納して終了。


さぁ、気を取り直して旅の続きだ。

5人の中で汗びっしょりなのは遊海だけ。

戦いの緊張とサバンナの暑さが原因だ。

歩き出す前にリュックからポカリだ。

水分補給とタオルで汗をぬぐう。

上空から、階段はまだ発見できず。

次の脅威はまだ。

少しでも先に進んでおかないと夜になってしまう。

あれ、この世界では昼夜があるんだろうか?

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