3-1
3
交戦中。
すぐだった。
歩き始めてほんの3分で襲われた。
サバンナだから地上にばかり気を取られていた。
空からというのは盲点だった。
ちょっと油断した。
うっさちゃんが庇ってくれてなかったら危なかった。
へたすると全滅してたかもしれない。
ハゲタカたちが音もなく急降下してきた。
普通ならハゲタカが人を襲うっていうのは聞かないんだが、この世界では外から侵入してきたものたちには襲いかかるようになってるんだろう。
つまり、すべてが敵になる。
蛇敏知がからくり銃を上空に向けた。
追いかけ矢を放った。
距離が近すぎて広域に対応できるはずの千本矢が使えない。
一定以上の距離がないと1本の矢を千倍に増やすことができない。
便利なようで致命的な欠点も持ち合わせている。
ハゲタカたちのくちばしと足の爪が遊海たちに容赦なく襲いかかってくる。
それらを絶妙な形でうっさちゃんが防いでくれている。
両手どころか全身を使ってブニョブニョンって弾いてくれている。
ただし、こんなことはいつまでも続かない。
ハゲタカの数が多すぎるし、突破されてしまうのも時間の問題だと思われる。
お六が焦りながら探している。
空に使えるものはと言いながら着物の袖なんかを探している。
「あれぇ、どれだっけ?
なにかあったはず。
とりあえず、これは出してと、えいっ」
投げたのはカプセル。
投げた本人もなんのカプセルだったかよくわかってなかった。
焦りすぎていた。
投げたからにはボワ〜ンっとスモーク。
現れたのは泣き虫じいさん。
じいさんはハゲタカの集団がお六たちに次々と襲いかかってる光景を見た。
じいさんはブルッと体が震えた。
ものすごく恐ろしくなった。
たまらず大声で泣くことになる。
ビエ〜ンっと暑いけど静かなサバンナでひときわうるさい泣き声が発生。
ハゲタカたちはいっせいにその号泣に反応。
遊海たちよりも声がする泣き虫じいさんへの攻撃を優先することになった。
すぐだった。
寄ってたかって泣き虫じいさんに群がっていくハゲタカたち。
ハゲタカたちが覆いかぶさってじいさんの姿が見えなくなった。
「静かになったぞ」
固唾を飲んで見守るしかなかった遊海たち。
源五郎が言う通りに泣き声が止まった。
ということは殺られてしまったのか?
蛇敏知がからくり銃を構えたその時。
泣き虫じいさんに覆いかぶさっていたハゲタカたちがいっせいに吹っ飛んだ。
遊海の目には群がっていた内側からはじき飛ばされたように見えた。
おぉっと源五郎が驚きの声を上げた。
遊海と一さんは絶句。
からくり師はよくわからない。
お六だけがふ〜むといった顔でいる。




