2-7
でも1匹のワイルドドッグを倒しただけじゃ厳しいものがある。
すでにワラワラと集まってきてる。
様子を見てるのかまだ襲ってはこない。
距離にして70〜80メートルはある。
ワイルドドッグが本気で駆けてくればあっという間に襲われる。
自分たちの足では逃げることができない。
ここで大ピンチになってしまった。
からくり師は慌てることなく2本目の矢を発射。
今度は見当違いの方角に撃っている。
空に向かって1本の矢が上がっている。
少しすると矢が落ちてきた。
どういうわけか無数の矢が雨のようにワイルドドッグたちに降り注いでいる。
これでワイルドドッグは全滅したみたい。
「にいちゃん、目はいいほうか?
あそこにいた動物たちがいなくなってないか?
確かに矢で仕留められたはずやったんやがな。
あっという間に消えてないか?」
うぅ〜んと唸ってしまった遊海。
遮蔽物があるわけじゃないけどはっきりとは見えてない。
今の視力ってどれくらいあるんだろ?
1・0はないかもしれない。
「行ってみましょうか」
「そうじゃの。
確かめてみんとな」
「ちょっと見に行ってきます」と一さんとお六に告げて源五郎とともに小走りで現場まで行ってみることにした。
「おらんな。
何匹もおったはずじゃった。
それが姿を消しておるぞ」
「本当ですね。
それどころかあんなに大量にあった矢も失くなってますね。
いったいどういうことなんでしょう?」
「わいの目には矢が刺さって、倒れてすぐ消えてしまったように見えたんじゃが···
見えたのはわいだけやったんかの?」
遊海には消えたかどうかまではわからなかった。
そこまで目が良くないので見えてなかった。
それでも、矢までも失くなっているってのはどういうことなんだろ?
遊海と源五郎は静かに待ってくれていた一さんたちの所へ戻っていった。
これは蛇敏知に尋ねてみるしかなかった。
「この現象はどういうことなんでしょうか?」と遊海はワイルドドッグがいたあたりを指さしながら訊くことになった。
「コノナカデハ、ウゴイテルモノガトマッテシマウトキエテシマウトキイテマス」
つまり、動物は死んでしまうと消滅。
矢のようなものでも動いたと認識されたものが止まってしまうと消されてしまうって解釈すればいおのか?
そして衝撃の事実も教えてもらえた。
最初に放った矢は「追いかけ矢」
遊海が思ってた通りのホーミングの矢だった。
しかも危険な敵と判断までしてくれる便利もの。




