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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
新生活

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2-1

2


引越の準備をしている。

調布から杉並区へ。

手続きなんかが面倒くさい。

全部1人でやらなければならない。

荷物に関してはこの際だから大きく処分するつもりだ。

幸いなことに頼んだ引越業者が買い取りやら処分やらをやってくれる。


引越業者のスケジュールもあって高円寺に移るまでには1ヶ月弱もかかってしまった。

事前に部屋のことを訊かなかった自分が悪いのだが住むことになる部屋を見て驚いた。

本堂とは別の離れになる。

本来あった壁なんかを取り外していて約40畳の和室ワンルームになる。

ここに少ない荷物を置いてみたらなんと殺風景なことか。

40畳もあるのに部屋の角のほうで暮らすことになった。

これが本当のすみっコぐらしだ。


住民票なんかも移し換えていよいよ本格的に働くことになる。

そういえば東京で暮らすようになって初めての東京23区民になった。

なんだかやっと東京人になったような気分だ。


初日、寺務室(お寺では事務ではなく寺務となる)

やっと働けることになった。

採用となってから引越やらで1ヶ月近くもかかってしまった。

正規の寺務員は3名。

寺務長の十津川伊那(とつかわいな)、29歳。

元グラビアモデルだけあって綺麗な人だ。

残念なことに3年ほどのグラビア活動で思ったほど売れなかった。

親戚である青木住職に()われて総完寺で働くことになった。


もう1人は鳥谷部京都(とやべけいと)、24歳。

元ギャル、今も名残りがあって金髪。

年下だが遊海の先輩でもある。

その他にはパートで働いてる人が4名いる。

女3人とおっちゃん1人だ。


遊海の勤務時間は午前9時から午後5時までになる。

楽なように思えるが真夜中は独りきりで管理もしなければならない。

何事もなければ寝てるだけでいいのだが···

しばらくの間は寺務長に仕事を教わっていくことになる。


初めての夜、なんだか寝つけない。

その理由は部屋が広すぎるから落ちつかない。

自分の荷物を配置したのが3畳くらいのスペース。

残り37畳ほどがな〜んにもない空間。


遊海の休日は日曜と月曜になっている。

意外に細々したことでやることが多い仕事だ。

慣れてくればまた違ってくるのかもしれない。

日曜日になって休日にはなったが休日という気はしない。

勤務地と住んでる場所が同じだからだ。


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