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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
影裏(えいり)

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49/53

6-4

外交問題って難しいテーマの報道中に源五郎たちがやってきた。

たちといってもお六と2人だけ。


「一さんは?」


いつものように寝っ転がってテレビを見ていた遊海はガバッと跳ね起きた。

事態は好転したんだろうか?

早く知りたい。


「奥方様は、今日は来ません。

旗本の方との寄り合いがあるそうです」


ふ〜ん、珍しいこともあるもんだ。

だいたい3人の都合がよい時にそろってやって来るもんだとばかり思ってた。


「ところで、未来ちゃんのお母さんはどうなったんでしょ?

見つかったんですか?」


まずこれだ。

これこそが気になっていたことだ。

ず〜っと喉に魚の小骨が刺さってしまったような状態だった。


「おぉ、そうや、それや。

あの子の母親は見つかったぞ。

旗本の方があの親子が住んでいた恵比寿のマンションって所を見張っていてくれたんじゃ。

そこへあの母親がやってきたちゅ〜わけや。

母親は子供が戻ってくるかもしれんからって外に出て探しに出たりを繰り返しとったんやな。

だから、うまいことなかなか会えんかったんや」


源五郎の説明でよくわかった。

問題は解決したってことか。

未来ちゃんとは1回会っただけ。

お母さんとは1度も会ってない。

源五郎もお六もお母さんには会ったらしい。

むっ、そうなるとお母さんに会ってないのは自分だけ。

あっ、なんかのけ者みたいじゃないか。

でもまぁ、良かったよ。

お母さんと会えて···

会えて?

それからどうなるんだろ?


一さんは旗本の寄り合いに出席している。

その席で今回の交通事故に関しての話をしている。

一さんとしては、どうしても納得できないらしくちょっと興奮気味だ。


「現世では『仇討ち(あだうち)』がないのか?」


「いや、例えあったとしても、それは武士の間での決まりごと。

一般の者には『仇討ち』は適用されない。

それは単なる人殺しになってしまう」


「では、現世ではこんな生ぬるい終わり方なのか?

獄門磔(ごくもんはりつけ)でもなく島流しでもなく?」


「う〜ん、いつの間にやらおかしなことになったもんじゃな」


旗本の侍同士が話している。

一さんとしても現世に感じることはある。

現世の人間である繁多遊海を通して現世のことを知ることになった。

たしかに医療や乗りものから生活全体の利便性も江戸の町とは比べものにならないほど発展している。

水が欲しい時に水道とかいうものでいとも簡単に使えることには心底驚いた。

テレビなるものにも驚きを隠せなかった。

懸念するのは、物質的な面では十分に満足できるほど便利にはなってるが人の心というものは貧しいものになってないかということだ。

源五郎やお六がどう感じているかは知らないが、少なくとも桜一という奥方様は現世には少しばかりの不安感を持っている。


歌舞伎町での怪事件から10日がすぎた。

遊海はネットニュースで思わぬ記事を見つけた。

渡井親子を殺害したとして危険運転致死傷罪で有罪判決を受けた山形顕久が獄中死したというものだ。

どこの刑務所で死亡原因などは書かれてなかったが、とにかく死亡したようだ。

テレビのニュースでは流れてなかった。


山形が収監されていたのは長野刑務所。

刑務官たちは全員が震え上がっている。

それが伝わったのか800名弱いる受刑者たちも怯えて暮らしている。

というのも山形の死因が問題だった。

密閉されている刑務所の中で山形は首が切断されていた。

誰がどうやってというのは不明。

外部から侵入することはあり得ない。

では内部にいる者かというとそれもあり得ない。

警察としては最初っから捜査は難航していた。

怪事件として迷宮入りになってしまう可能性が高いと警察官たちは感じていた。

この事件は秘密扱いとなっているので死因などは発表されない。





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