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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
影裏(えいり)

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37/52

4-2

四平が「天地洪水(てんちこうずい)」と口にしたのが聞こえた。

あれはと遊海は確かに見た。

火災現場であるビルのま上の空が変。

渦巻きみたいなものが見える。

徐々に大きくなっている。

それが突然割れた。

大量の水が一気に落ちてきた。

建物の炎を消せるだけの水量は十分にある。 

それはよいのだが、あまりにもな水の多さが地上に(あふ)れてくる。

本当に洪水だ。

その水が地上にいる人々を押し流した。

遊海はまたもやあ〜れって感じでのまれてしまった。

東宝ビルの1階にケンタッキーがある。

そこまでおよそ20メートルほど流されてしまったことになる。


今回は死ぬかと思った。

まさか歌舞伎町のどまん中で溺死って笑い話にもならないよ。

全身が水に浸かってたのは1分くらいだったろうか?

心構えもなんにもなくての水没って苦しいったらないよ。

あっ、こんなボヤいてるどころじゃない。

火事は?

怨霊は?


遊海はガバッと()ね起きた。

夏でよかった。

冬だったら凍え死んでるかもしれない。

全身びしょ濡れ。

遊海は事情がわかっているから対応していこうと前向きになれる。

一般の人たちは、建物の火災だったのが急に水害に変わってしまってわけがわからないだろう。

真相は永遠に謎のままになるだろうね。


流されてきたのは遊海だけ。

源五郎たちには水没の影響はなかったようだ。

その一さんたちが対峙している女性が前方にいる。

お六たちから10メートル以上は離れてはいるんだが憤怒(ふんど)のオーラとでもいうのがビンビン感じる。

泣き虫じいさんは号泣していてうるさい。

塩かけばあさんが現れているのは頼りになる。

河童の四平もいるので炎には対抗できる。


遊海はすぐ気づいた。

お六が出現させたカプセル妖怪はそれなりに有効なんだろうが決定打が足りないように思う。


ばあさんが大きく「お清めの塩」をばら撒いた。

怨霊は(ひる)む様子を見せたが反撃に出た。

両手から火炎の噴射。

ここで不思議な現象を目撃することになった。

現世の人たちには水もそうだが炎も認識することができるみたい。

なぜなんだろ?

生きものではないからなのか?


周辺にいる現世の人たちはパニックになっている。

水の次は火?

わけがわからないが、誰もがはっきりとわかってることは「とにかく逃げろ」だ。


あっという間に現世の人たちがいなくなった。

どこからともなく炎が出ている。

それに対抗するように大量の水も発生している。

怪現象が起こっている。

巻き込まれたら自分の命が危ない。


炎と水がぶつかりあってるトーヨコ前広場。

気づけば遊海たち以外は誰もいなくなっていた。

水に押された炎が広場一帯に爆散したりしてる状態だもの。

危なさすぎて近寄ることなんかできっこない。

ハイジアの交番に詰めている警察官たちが出動してきているが、一般市民を避難させているのに必死になっている。


ばあさんも懸命にせっせと塩を撒いているが炎と水が邪魔になってしまって怨霊には届いてない。

怨霊の炎と四平の水流は周辺には多大な影響を及ぼしているが力としては拮抗している。

バランスが崩れたほうが圧倒されてしまう。


「遅くなり申した」とやっと待望の声が上がった。

駆けつけてきてくれたのは似照土左衛門。

それともう1人。

初めて見るほっそりとしたお侍さん。

2人のお侍さんがやってきたもののいったいどうするんだろうか?

水と炎の対決のような事態になっているので近づくことができない。

遊海たち4人もなるべく離れた場所、東宝ビル1階のコンビニ前まで下がっている。

そのため実際に怨霊と対峙しているのは河童の四平と塩かけばあさんになる。

泣き虫じいさんはず〜っと泣き続けている。





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