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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
影裏(えいり)

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32/52

3-1

3


今日の仕事も終わった。

トラブルのひとつもなく順調だ。

先輩の鳥谷部京都からのイジリもすっかり安定している。

このお寺で働きだして2ヶ月も経ってないのに永遠の弟分のイジられキャラが確立した。


今日の夕ごはんは牛丼。

どうしても牛丼だったので高円寺駅まで行って松屋に入った。

お新香とサラダもマストだ。

帰りにコンビニでちょっとした買いものをしてお寺に戻る。

今日は早めにひとっシャワー。

ふ〜さっぱりしたと部屋に戻ると、ヨッと手を上げてるおじちゃんがいる。


「にいちゃん、久しぶりのフリチンやな。

相変わらずかわいいのをブラ〜ンってさせとるのぉ」


ニヤ〜リって笑ってる源五郎。

おや、1人だけ?


「一さんたちは?」


今夜からはついにおニューのパンツ。

7年近くもフリチンから守ってくれていたパンツが、ついに穴が開いた。

ゴムもヨレヨレになっていた。


「もう少しすればくるじゃろ。

残念やったな」


「残念とは?」


「にいちゃんの素敵なフリチンをお六たちに見られんでよかったな」とまたニイィって笑ってる。


「で、一さんたちは?」とちょっとムッとして言葉が強くなってる遊海。


「奥方様は旗本八万騎との打ち合わせや。

お六は知らんけどすぐ来るやろ」


遊海はテレビをつけた。

ニュースの時間はまだだった。


「あれ以来、歌舞伎町での事件はないんだよな」


コンビニの袋を取り寄せ飲むヨーグルトを取り出した。

免疫力アップの飲みもの。


「いや、わからんぞ。

歌舞伎町だけではなく他の場所でも火事を起こしてるかもしれん」


「でも怨霊なんですよね。

誰かを恨んでる。

誰かに復讐したいから怨霊になったんですよね。

そうだとしたら特定の人を狙うんじゃないかと思うんですけど」


「そうやな···うん、そうや。

にいちゃんの言う通りやったらあの場所に固執するなにかがあるちゅ〜こっちゃ」


一さんたちが来るまではテレビを見てすごすことになった。

ちょうどマジックの特番が放映中。

源五郎と一緒にああだこうだと食い入るように見ていた。

途中からお六も加わった。

3人でトリックの解明に盛り上がったがさっぱり分からなかった。

番組が終わってやっと一さんがやってきた。


「それもあるかもしれんのぉ。

怨霊というのは特定の人に()く。

呪縛霊というのはその場所に憑く。

今回は怨霊じゃ。

あの怨霊を見た限りでは炎の怨霊じゃ。

体の周りが赤い輪郭で囲われてたじゃろ。

あれが赤い怨霊と呼ばれておる火を使う者じゃ」

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