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「そしてね、視えてるっていってもすべての幽霊を視ることができるわけじゃないの。
あたしや源さんを視ることができたからといっても他の幽霊は視えなかったりするの」
ということは、これまで視えていたのは源五郎、お六、一さん。
そして夏目りんさんか。
4人だけ。
お六の話によると、他にも幽霊はいるんだけど視れたり視えなかったりするらしい。
現に一さんの前には旗本の侍がいるようだが遊海には視えてない。
「相性ちゅ〜やっちゃよ」
源さんの言う通りに相性の問題なのか?
まぁ、真実はわかりそうにないんだけど。
「愉快な遊海殿、今しがた探ってた者から話を聞きました。
怨霊の所在は不明。
神出鬼没で尻尾をつかませないと監視の者が言ってきおった」
ということはどうすればいいの?
でもせっかくここまで来たんだから火事の現場は見ておきたいね。
遊海たちはセントラルロードを進んでいって東宝ビルの先、ホストクラブが立ち並ぶ一角までやってきた。
火事の被害にあってない店は営業している。
路上では若い女性の嬌声が聞こえる。
「ここが事件の場所···
歌舞伎はどこでやってるの?」
あぁ、そういうことか。
歌舞伎町って名前だから伝統芸能の歌舞伎だと思ってたってことか。
するとお六は、ホストクラブってのは現代版の歌舞伎だと思っていたのかもしれない。
まぁ、現実離れしたような存在って考えると似たようなもんか?
「でも、これって、怨霊がどこにいるのかってどうやって調べるんです?
こうやって歩き回っても埒が明きませんよ」
火事が起こったホストクラブの跡地を通りすぎてから疑問に思うことを口にしたのは遊海。
旗本の人たちが警戒しているということだがそれだけでは十分とはいえないのではないかと思う。
「おぉ、そうやの···
こうやって歩き回ってものぉ、効率はよいとは言わんわな」
遊海と源五郎が前を歩いてバッティングセンターの横を通りすぎた。
後ろから声が聞こえた。
一さんからだ。
「どうしたんですか?
いま、なにか···」
遊海が立ち止まって後ろを振り返った。
源五郎も無言で振り返っている。
どうも源五郎は一さんに対しては言動が変わってしまう。
旗本の奥方様ということで一歩後ろに退いている。
身分を気にしてるのかもしれない。
お六はそんなことには関係なくあっけらかんとしている。
「応援を呼んだのじゃ。
すぐやってくるだろう」




