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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
新生活

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19/51

3-6

遊海は木箱を開けた。

長年、土の中に埋まっていて水分も吸ったりしているため開けるのには少しばかり手こずっていた。

中に入っていたのは小判が3枚と銀貨とかの貨幣が入っていた。

さすが両替商だけあって貨幣なのかと遊海は大きく納得している。


「にいちゃん、もらっときいや。

それで美味いもん食っといたらえぇ。

幽霊になると美味いもん食えへんのやから」


桜一もお六もウンウンと頷いている。

だけど食べなくてもいいってことになったら燃費はいいんだけどねと遊海だけは複雑な気持ちでいる。


ありがとうございますと貨幣を手にして部屋に戻った。

古銭に関してはまったく知識がないのでどれほどの価値があるものなのかはわからない。

でも小判は金なのでかなり高値になるだろう。

いま金って1グラムいくらだろ?


翌日の土曜日、勤務明けに吉祥寺に行った。

貨幣の買い取りなら高円寺でもできるんだが吉祥寺の街に行ってみたかった。

ほとんど馴染みのない場所。

地名は有名なので知っていた。

1度ゆっくりと歩いてみたい場所だった。

翌日が日曜日で休みということもあって夜の吉祥寺ってどんな感じなのかなってフラリとやってきた。

商業施設などは北口に集中してるようだ。


検索していた買い取り店に入った。

待ち時間があって20分ほどになった。

貨幣を全部出して査定してもらう。

待たされること10分以上。

貨幣の説明が始まった。

小判は1740年代で80年ほど流通することになった天文小判。

流通量も多くてそれほど高値になるものではなかった。

献上小判や七福小判など希少な形で作られているものなら高値になった。

今回持ち込まれたものは一般的なものであった。

他の貨幣もすべて合わせて322,000円での現金買い取りということになった。

遊海としてはそれで十分すぎる金額だった。


遅くなってしまった夕ごはんはうなぎにした。

特上で6,600円。

店を出てグルッとまちを1周して南口にある井の頭公園に行ってみた。

初めてきた井の頭公園。

夜なのに人が途切れることなく行き交う。

走ってる人も多い。

ふ〜ん、こんなところなんだと急ぎ足になってしまったが吉祥寺の街を満喫した夜になった。


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